青山文平のレビュー一覧

  • やっと訪れた春に

    購入済み

    語り口は相変わらず良いが

    藤沢周平を思わせるような落ち着いた物静かな語り口はこの作品にも十二分に生かされている。しかしながら、ストーリー展開の方はやや冗長な感じで、特に7割方進んだところの記述に繰り返しが多く戸惑ってしまった。題名には納得できるところはあるのだが。サスペンス物として楽しむには、伏線やトリックがなさすぎる。

    0
    2025年11月23日
  • 底惚れ

    Posted by ブクログ

    終始ひとり語りで進む、異色の作品。
    なにせ最後まで主人公「俺」の名前が出てこない(笑)

    自分を刺して消えた女性を探し求めるうちに
    冴えなかった主人公の人生が変わってゆく

    軽快な語り口が絶妙

    0
    2025年11月12日
  • 遠縁の女

    Posted by ブクログ

    ★3の中。上でもいいかなー?

    なんだかんだで青山文平さんの四作品目。

    「つまをめとらば」方式。
    特に縛りもまとまりもない時代物短編三編。

    ・機織る武家
      芸(手に職)は身(家)を助く。

    ・沼尻新田
      清くて不純な開発は。

    ・遠縁の女
      俺も別嬪の幼馴染が欲しいぞー。

    この人のこういう自由な短編はおもしろいわー。
    「半席」とか「泳ぐ者」みたいな固定主人公の連作短編も悪くはないけど、特に説明も何も要らないこういう方があってるのかも。

    三編とも、どうということもない。
    何か大事件が起きるでもなく、歴史的な何かが起きるでもない。
    不思議もない。
    殺人もない。
    種も仕掛けもない。

    0
    2025年10月16日
  • つまをめとらば

    Posted by ブクログ

    短編集でどれも短いが、登場人物がそれぞれ多様性を持ち引き込まれる。短編で終わらせるのは勿体無いと思えるものばかりでこの作者の力量を感じさせる。江戸時代という設定で無くても良いのでは、と思えるが遠い昔の時代の人間でも結局悩みはいつの世も変わらないのだと思えてそれもまた面白い。この作者の作品は全て読もうと思う。

    0
    2025年09月11日
  • 半席(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ★3の下かな。

    江戸物ミステリー成長物語。

    下手人は既に挙がっている。
    なぜそんなことを、という動機を解き明かします。
    若者の青い心で爺様たちをオトシまくり。
     
    ・半席
      なぜ、筏の上を走った。

    ・真桑瓜
      瓜に罪はないけれど。

    ・六代目中村庄蔵
      名前。

    ・蓼を喰う
      どぶさらい。

    ・見抜く者
      剣に生きた。

    ・役替え
      知りたくなかった。

    ストンと納得できない話が多い。
    それは、私には武士の心情が未だつかめていないということだろう。
    ミステリー色は弱め。
    心情に重きを置いている。
    通じて主人公が成長していくさまも悪くない。
    ただ、ちょっとだけ時代物に付き物の説

    0
    2025年07月12日
  • 本売る日々

    Posted by ブクログ

    (とくに会話が)説明的・現代的すぎて、ちょっと自分が期待していた感じとは違っていたのだけど、最後まで読んでしまった。理屈から出来たみたいでありながら、「山怪」要素のあるお話も入っていてそこは面白い。

    0
    2025年06月22日
  • 下垣内教授の江戸

    Posted by ブクログ

    幕末、豪農の次男として生まれ
    “当代きっての日本美術の目利き”と言われるまでになった下垣内邦雄。
    昭和初期にかけ芯を持って生き抜いた。
    その身の上を新聞記者に語る。

    家を継ぐのは長兄の昌邦。
    幕末江戸の混沌とした背景や
    下垣内家の内情も少しずつわかってくる。

    つましく生きる兄が人を斬った。
    その訳を探るため邦夫は旅に出る。
    出会った縁がその先へ、前に進むことを促す。

    皆さんが書かれているように前置きが少々長い。
    読破している青山文平さんのご著書なのだから
    おもしろいことはわかっている。
    邦雄が人を斬る旅に出たところから引き込まれていった。

    青山文平さんのお陰で、また新たにその時代を知る

    0
    2025年05月15日
  • 下垣内教授の江戸

    Posted by ブクログ

    東京美術学校の発足に携わった下垣内教授の自らの半生のお話。実在の人物・・・じゃないようなどうなんだろう?

    正直、半分くらいまで読んでかなり退屈を覚えまして。当時の背景みたいなものが多くて・・これ面白くなるのかな?と挫折しそうになりながらも読み進めていたら、兄が急死し家督を整理して・・・傍から見たら自暴自棄な旅にも思える「人を斬るための」旅にというあたりから後半はなかなかに興味深いことに。人を斬ることと美術とどういう関係が?と思っていたら、なるほどそういう・・・なかなかに奥深いお話でした。

    0
    2025年04月16日
  • 父がしたこと

    Posted by ブクログ

    御藩主の病状を父から秘密裏に告げられた重彰
    全身麻酔での外科手術なのだが…

    前半難しい!この時代の医学は漢方医学であり、蘭学や医学書などの名前、医者は華岡青洲くらいしか知らないし…

    御藩主の手術成功から怒涛の展開でびっくり
    そういう話?だからのタイトルか⁈

    真相が語られない終わり方
    たぶんわたしの考える「父がしたこと」は違うとは思うけど…
    たぶん…
    だったら切ないなぁ…


    0
    2025年03月29日
  • 下垣内教授の江戸

    Posted by ブクログ

    人を殺すと斬る、人を殺した後は何を思うのか、兄が人を殺したと知りどう感じるのか人を殺そうと決意する18才の弟が色々波乱に富んだ江戸から明治にかけての世相の中旅に出る。様々な人との出会いから自問自答しながら生きていく過程は自分も考えさせられる内容だし、偶然が重なって今に至るのも流れに身を任せる人生も有りなんだと感じたが、教養も必要だし勉学や踏み出す勇気も必要なんだと思う。後半まで言葉の羅列で難しいが最後まで読んでよかったと思う。
    重さがある内容だった。

    0
    2025年02月11日
  • 父がしたこと

    Posted by ブクログ

    こないだ華岡青洲生誕の地に行ったばかりで、江戸時代の医療がテーマだったので、そういう意味では楽しめましたが、小説の結末はしっくりきませんでした。
    結局、父がやったことの原因が曖昧なままで終わったので腑に落ちないままになりました。
    ミステリー仕立てにするならきっちり落とし所を明確にしていないところが今回は評価低目になりました。

    0
    2024年09月16日
  • 父がしたこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いかにも青山文平らしいというか…
    でも、納得いく結末かと言われれば、ちょっと。もし、本当に「父がしなければならなかったこと」だとしたら、真相は息子にも書き置くべきではなかったのでは(それでは小説にならない、というのは置いとくとして)。

    0
    2024年04月14日
  • 父がしたこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    目付の永井重彰視点で語られる静謐な物語。
    蘭方が認められ、発展し始め、漢方医からの反発が強まるなかで行われた藩主の外科手術。執刀医の向坂は重彰の息子の恩人だった。藩主の信頼厚い小納戸頭取永井元重は、失敗したときに孫の恩人を守るため、策を巡らし、息子と二人だけで藩主の手術・療養を乗り切ることにする。

    医師を志したことがあり、世の中の流れにも敏感で、思慮深く、柔軟な思考をもっている元重。先進的な考えを持つ英明な若き藩主。父と同じく医師を志したことがあり、息子の療養に際しても妻を守り、夫婦協力することを当然と思う重彰。芯の通った聡明な母と妻。良心的な名医向坂。
    どこをとっても悲劇になりそうもないの

    0
    2024年03月23日
  • 半席(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    オチのあるミステリー作品。短編集みたいに連作になっている。歴史小説が舞台なので、わかりにくい用語をスマホで検索する必要があった。

    0
    2024年03月15日
  • 泳ぐ者(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作の記憶がほとんど残ってなかったからだと思うけど,最初なかなか話が入ってこなかった。話じたいは面白かったので,前作を覚えているうちに読むのが良いのだと思う。

    0
    2024年03月11日
  • 父がしたこと

    Posted by ブクログ

    時代に於ける、医療の歪んだ思考に唖然とした。漢方を扱う内科医が頂点で、麻酔術を扱う西洋外科医が底とは…全身麻酔で藩主、そして重彰の息子を救った向坂先生。その向坂先生が何故…未だモヤモヤしている。

    0
    2024年02月07日
  • 半席(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    時代背景が江戸時代の推理小説
    事件の真の動機を探る徒目付が主人公
    徒目付が主人公の小説を読むのは、初めてかもしれない。
    半席と言う立場と、情報を握る事による余禄。
    徒目付は、特殊な立場だったのですね。
    新しい視点が面白い。

    0
    2024年02月04日
  • 江戸染まぬ

    Posted by ブクログ

    「本売る日々」が面白くて続けて手に取った青山文平の短編集。
    砂原浩太朗の作品を読んだばかりだったからか、同じ江戸の時代物でも文章の硬さにサラリとは読めなかった。

    作者あとがきに「常温の日常をリアルに描く小説を書きたい」とあるように短編それぞれの主人公は華々しい活躍をするわけでもない。むしろ、扶持の少ない武家の厄介叔父であったり、部屋住みの武士であったり、今後をどう生きていけばいいのかと思い煩う武士の姿がリアルに描かれる。

    どの時代にあっても人はその生まれる境遇を選べず、その環境も平等ではあり得ない。それでも、定められた環境で迷いながら、悩みながら歩みを進めていくのだということ。それが命を賭

    0
    2023年12月04日
  • 泳ぐ者(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これはミステリーなんだろうけれど、最終的には、謎は解けていない。確かに、事実を積み重ねて、「たぶん、こうで間違いなかろう」と思われるところまで示されている。本当なら、歯痒いところだけど、「それで良い」と思わせるところが、凄い。

    0
    2023年11月02日
  • かけおちる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    武士の世というのは、嫉妬である。嫉妬を飼い慣らすことができるものと、嫉妬に翻弄される者とが、もっともらしい理屈をつけて争う。その中にわずかに義とか徳とか言ったものがあって、嫉妬の濁流の中から逃れ、義を持って徳をなす物語。

    0
    2023年09月27日