青山文平のレビュー一覧

  • 鬼はもとより

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    本の表紙に惹かれて買った。
    なぜこの表紙、題名なのか読み進めて行くと分かり、胸が締め付けられる。泣いた。久々にいい本に出会えた。

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    2018年09月19日
  • つまをめとらば

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    苦手な時代小説だけど、直木賞受賞作ってことで。結果、これは比較的好きな方。短編集だけど、表題作が特別出来が良いってことはなく、全般的に質が高かったのもポイント。タイトルが示す通り、結婚や離婚を題材に据えた物語が並ぶんだけど、そんな中、系統を違えて提示されているのもお見事。

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    2018年06月14日
  • 鬼はもとより

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    ネタバレ

    藩札の専門家として自藩を立て直せなかった主人子が、財政難の藩を救う話。最初は「?」と思ったけどあっという間に引き込まれて読んだ。タイトルもうまいと思う

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    2018年04月09日
  • 鬼はもとより

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    司馬遼太郎や山本周五郎にも、ひけを取らない文章を書く作家に出会った。昨今、時代小説を書く作家は多いが、これほど言葉が、文章がインパクトを持って心に沁みた作家は初めて。香り立つ文章と言ったところか。
    話も武家にしかできない藩建て直しの財政問題を感動的に描いてくれて、また一人、お気に入りの作家が生まれた。

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    2018年01月19日
  • 鬼はもとより

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    派手でダイナミックな戦国の世を舞台には選ばず、小難しいイメージのある「経済」をテーマにした時代小説ということで、読む前はお堅い地味な作品なんじゃないかと不安だったのですが、心配は杞憂に終わりました。とても面白かったです。藩札という恐らく誰も取り扱ったことのないであろうものを主題に据えた作者の勝利だと思います。
    美点はいっぱいあって、抄一郎が現代でいうところの敏腕コンサルタントとなっていくまでの成長過程も良かったですし、最貧藩の立て直しにかける清明の命懸けの覚悟がもたらす緊張感も読みごたえがありました。現代の経済政策への批判的視点があるのもいいですね。馬鹿の一つ覚えのようにお札をじゃぶじゃぶ刷ればいいとしか思っていない政治家は、すぐに本作を読むべきでしょう。
    これだけの内容をこのページ数に収めつつ、なおかつ書き急いだような印象が残らなかったあたり、すごく上手にまとめているなあと感じました。個人的には直木賞受賞作の『つまをめとらば』よりも本作のほうが出来は上だと思います。
    ただ、女性絡みの部分は別に無くても良かったんじゃないかな、という気もしました。ラスト1行も、それで締めていいんですか青山さん、という感じで正直納得できませんでした。続編への布石なのかな?

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    2017年11月19日
  • 白樫の樹の下で

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    時代ミステリーの形をとっているが、いろんな読み方ができ、作品の主題も人によってはいろんな風に捉えるのではないだろうか。

    現在にも通じる格差と貧困、若者のアイデンティティ探し、友情とは?様々なテーマを含んでいるので、読む人によって違う読み方が出来るでしょう。

    文章が良いので非常に読みやすかったのですが、もう少し書き込んで欲しいところもあったかな。

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    2017年08月05日
  • かけおちる

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    ネタバレ

    2016/12/4
    カット中読んでたら美容師さんに
    「どんな本ですか?」と問われたので
    「あまり何も起こらない時代小説です」と答えた。
    あとがき読んだらあながち間違いでもなかったな。
    最後の岩淵家老が素敵だった。
    こういう人に弱い。

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    2016年12月04日
  • 白樫の樹の下で

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    未来の展望が開けない青年たちの夢をかけた、切なくて苦しい青春時代小説。悪政で有名な田沼意次の時代から、松平定信の時代に移り始めた頃の江戸が舞台。御家人の村上登は、道場仲間と貧しいながらも、清浄な武士への鍛錬に勤しむ日々を暮らしていた。そんな時手にした一振りの名刀が大きく三人の運命をかえていくことになる。。本作品、友情と反目、はかない恋など時代に翻弄された士分たちの心の機微を巧みな言葉とともにあぶり出しつつ、辻斬り犯を巡るミステリアスな面など多彩な要素を含む。がすべての要素は、天下泰平の時代に巣くう”貧困”の一点に集約されるよう区切りなく物語は進んでいく。それにしても精緻なロジックと貧困がもたらす悲劇を余すことなくつまびらかにする切れ味抜群の筆力が凄すぎ!筆者の時代小説にかける真摯な想いを強く感じる秀逸な作品です。

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    2016年04月30日
  • 白樫の樹の下で

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    先日読んで良かった青山さん。これもなかなかです。
    田沼政治が終わった頃、流行の竹刀剣道ではなく木刀による型中心の剣術道場に通う三人の若い剣士を描いた作品。
    時代小説で三人組といえば、武闘派、頭脳派、癒し系の仲間が力を合わせて事態を打開して行くというのが王道です。しかし、この作品で描かれるのは剣の道に邁進するがゆえに壊れて行く若者たちです。
    爽やかな感動のようなものはありません。妬みや破滅があります。しかし、それは道を究めようとする清冽さが、誤った方向に流れた結果です。
    純文学を目指いしていた著者の再デビュー作と言える作品。その主人公の一人の名前が青木昇平。著者のペンネームに模した名ですが、何か思い入れがあるのでしょうか。

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    2016年05月08日
  • かけおちる

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    2015年の直木賞作家さんです。
    別に賞につられたわけではないのですが、紹介文を読んでこれは好みかもと思って、文庫化されたこの作品を購入。
    当たりでした。
    身を削るようにして興産の道を進む武士と家僕と篤農家。そしてその婿養子。剣士ではなくとも武家の清冽な生き様を感じさせます。
    少々、女性たちの心情に無理を感じますが、何やらフッと笑を感じさせるエンディングも良く。
    このまま、こうした作品を書き続けていって欲しいものです。

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    2016年05月08日
  • 本売る日々

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    江戸時代、本屋の平助が顧客の抱える問題を解決したり、不思議な話の真相を知ったりする。
    本屋が名主の家を回って本を売るため、家の事情に詳しくなったり頼られたりすることがあったんだろうな。
    1.2話目の話は、本とはさほど関係ないと感じた。
    3話目の医書や口訣集の話はおもしろい。
    医学の発展には本が重要な役割を果たした。

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    2026年04月15日
  • やっと訪れた春に

    購入済み

    語り口は相変わらず良いが

    藤沢周平を思わせるような落ち着いた物静かな語り口はこの作品にも十二分に生かされている。しかしながら、ストーリー展開の方はやや冗長な感じで、特に7割方進んだところの記述に繰り返しが多く戸惑ってしまった。題名には納得できるところはあるのだが。サスペンス物として楽しむには、伏線やトリックがなさすぎる。

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    2025年11月23日
  • 底惚れ

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    終始ひとり語りで進む、異色の作品。
    なにせ最後まで主人公「俺」の名前が出てこない(笑)

    自分を刺して消えた女性を探し求めるうちに
    冴えなかった主人公の人生が変わってゆく

    軽快な語り口が絶妙

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    2025年11月12日
  • 遠縁の女

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    ★3の中。上でもいいかなー?

    なんだかんだで青山文平さんの四作品目。

    「つまをめとらば」方式。
    特に縛りもまとまりもない時代物短編三編。

    ・機織る武家
      芸(手に職)は身(家)を助く。

    ・沼尻新田
      清くて不純な開発は。

    ・遠縁の女
      俺も別嬪の幼馴染が欲しいぞー。

    この人のこういう自由な短編はおもしろいわー。
    「半席」とか「泳ぐ者」みたいな固定主人公の連作短編も悪くはないけど、特に説明も何も要らないこういう方があってるのかも。

    三編とも、どうということもない。
    何か大事件が起きるでもなく、歴史的な何かが起きるでもない。
    不思議もない。
    殺人もない。
    種も仕掛けもない。
    少しはあるか(笑)
    俯瞰してみるとその時代の中でよくありそうな話なのにじわっとくる。
    でも、よくある人情譚でもない。
    なんだろう?
    文芸かなぁ?
    いやエンタメだな。
    これが文章力ってやつなのか、すいすいいける。
    なんでもいいか。おもしろいんだから。

    それにしてもこの人、よく調べてるなー。
    機織りの織り機だの。着物だの。模様だの。野方衆だの。武者修行だの。
    こんなの上っ面をなぞっただけでは書けないだろうに。

    表紙は単行本よりこっちの文庫の方がいいね。

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    2025年10月16日
  • つまをめとらば

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    短編集でどれも短いが、登場人物がそれぞれ多様性を持ち引き込まれる。短編で終わらせるのは勿体無いと思えるものばかりでこの作者の力量を感じさせる。江戸時代という設定で無くても良いのでは、と思えるが遠い昔の時代の人間でも結局悩みはいつの世も変わらないのだと思えてそれもまた面白い。この作者の作品は全て読もうと思う。

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    2025年09月11日
  • 半席(新潮文庫)

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    ★3の下かな。

    江戸物ミステリー成長物語。

    下手人は既に挙がっている。
    なぜそんなことを、という動機を解き明かします。
    若者の青い心で爺様たちをオトシまくり。
     
    ・半席
      なぜ、筏の上を走った。

    ・真桑瓜
      瓜に罪はないけれど。

    ・六代目中村庄蔵
      名前。

    ・蓼を喰う
      どぶさらい。

    ・見抜く者
      剣に生きた。

    ・役替え
      知りたくなかった。

    ストンと納得できない話が多い。
    それは、私には武士の心情が未だつかめていないということだろう。
    ミステリー色は弱め。
    心情に重きを置いている。
    通じて主人公が成長していくさまも悪くない。
    ただ、ちょっとだけ時代物に付き物の説明が長いかな。
    短編のせいか深みも少々足りない。
    それは次作の長編「泳ぐ者」に期待しようか。

    「半席」という意味や詳しいレビューはみんみんさんの方を見てください。

    (((((((((((っ・ω・)っ ブーン
    ヒートマカセ~、カーゼマカセ~♪

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    2025年07月12日
  • 本売る日々

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    (とくに会話が)説明的・現代的すぎて、ちょっと自分が期待していた感じとは違っていたのだけど、最後まで読んでしまった。理屈から出来たみたいでありながら、「山怪」要素のあるお話も入っていてそこは面白い。

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    2025年06月22日
  • 下垣内教授の江戸

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    幕末、豪農の次男として生まれ
    “当代きっての日本美術の目利き”と言われるまでになった下垣内邦雄。
    昭和初期にかけ芯を持って生き抜いた。
    その身の上を新聞記者に語る。

    家を継ぐのは長兄の昌邦。
    幕末江戸の混沌とした背景や
    下垣内家の内情も少しずつわかってくる。

    つましく生きる兄が人を斬った。
    その訳を探るため邦夫は旅に出る。
    出会った縁がその先へ、前に進むことを促す。

    皆さんが書かれているように前置きが少々長い。
    読破している青山文平さんのご著書なのだから
    おもしろいことはわかっている。
    邦雄が人を斬る旅に出たところから引き込まれていった。

    青山文平さんのお陰で、また新たにその時代を知ることができました。

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    2025年05月15日
  • 下垣内教授の江戸

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    東京美術学校の発足に携わった下垣内教授の自らの半生のお話。実在の人物・・・じゃないようなどうなんだろう?

    正直、半分くらいまで読んでかなり退屈を覚えまして。当時の背景みたいなものが多くて・・これ面白くなるのかな?と挫折しそうになりながらも読み進めていたら、兄が急死し家督を整理して・・・傍から見たら自暴自棄な旅にも思える「人を斬るための」旅にというあたりから後半はなかなかに興味深いことに。人を斬ることと美術とどういう関係が?と思っていたら、なるほどそういう・・・なかなかに奥深いお話でした。

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    2025年04月16日
  • 父がしたこと

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    御藩主の病状を父から秘密裏に告げられた重彰
    全身麻酔での外科手術なのだが…

    前半難しい!この時代の医学は漢方医学であり、蘭学や医学書などの名前、医者は華岡青洲くらいしか知らないし…

    御藩主の手術成功から怒涛の展開でびっくり
    そういう話?だからのタイトルか⁈

    真相が語られない終わり方
    たぶんわたしの考える「父がしたこと」は違うとは思うけど…
    たぶん…
    だったら切ないなぁ…


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    2025年03月29日