青山文平のレビュー一覧
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本屋で見かけて一度は手に取ったものの、(いやいや積読半端ないし)と諦めた。
しかし、やっぱり気になる。
えーい、今買わねば後では出会えぬやもしれぬ!と購入。
買って良かった。
惣兵衛さんの御新造さんの森と里の際の話、これは自分の場合はまさに子供と社会との関わりについても言えるし、名主がなぜ国学をやるのか、についても考えさせられた。他にもあるを信じられることで楽になる、というのは実感してるからなあ。諦めるわけでも見放すわけでもない。
だけど、他があると思えることでちょっと楽になることはある。
今の自分にとって、何か種を植えてもらったような、そんな本だった。
気になったのも、このタイミングで -
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ネタバレとても読みやすく良質な作品である。ビックリした。が、御殿様の妄言とは何だったのか?? 作品内でヒントがあったのかな?他の方のレビューを読んでも考察などが見つからない。ということは私の読み方が浅いわけではなく、読者の想像に委ねられているということだろうか。
私の頭に浮かんだのは、御殿様は元重さんを禁じられた意味で愛しており、元重さんもまた心の内で愛していた(それ故に彼の痛みを感じることができた)という説しかない…。
元重さんは、心の深いところで家族よりも誰よりも御藩主を愛してしまったこと、それが痛みの共有という形で証されていることを畏れ悩み、また御藩主に立派になってほしい気持ちと、自分が彼の愛 -
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ネタバレ印象的な言葉が出て来る。『褒められたいのだと思う』藩主が親同然の家臣に求めたものは褒められたいであった。領民の為の良政は、シンプルに褒めてもらえそうというところから来ていた。妙に納得がいった。私も仕事しながら、褒めてもらいたいと素直に思ってるのを得心したら、笑ってしまった。あぁそうか褒めてもらいが根本の本音だ。カッコよく社会の為とか、そんなんじゃない。好きな人がいたら、尊敬する人がいたら尚更だ。分かるぞ。
もうひとつ、躾についても言っていた。躾とは気持ちが動かずとも身体が動くようにするのが躾だと。
そのままの言葉を引用する。『人なら、疲れ果てもするし、塞ぎ込みもするでしょう。目の前の用に、手が -
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江戸時代が背景で、お役が回ってこない下級武士たち。
それでもなまじ身分があるゆえお上と民衆に挟まれるような立場の苦悩があり、反対に、民衆はといえば身分の低さの苦労が描かれた短編時代小説です。
形や程度に差はあれど、現代にも通ずるものを感じます。
それぞれの章には救いのヒントになるような人物がおり、だいたいの話は出口が見えたような、薄日が差したようなラストになっていたように思えました。
個人的に
『乳付け』
・初産で乳が出なく、自身の子どもに乳をあげられない母親が「乳付け」に悋気しながらの葛藤しつつも、その乳付けや夫、まわりの人情を描いたお話。
『逢対』
・武士とは何かを識りたいもの、武 -
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ネタバレ主人公の剛(タケル)は能を生業とする道具役(能の役者)の家に生まれた。能の師でもあり、兄のように慕った保は武士として死んだ。
貧しくて墓に埋葬する土地もない台地の国では遺体は川に流される。「ちゃんとした墓参りができる国」にするために、剛は身代わりの藩主となって、能の力で御当代様へ働きかけようとするが・・・・。
なんとも壮絶な物語だった。能のなんたるかを解き明かそうとする文章が後半にあるのだが、能の真実はわからないながらも引き込まれた。そして剛の衝撃的な決断・・・。いや、極めるのはそっちじゃないだろう、勿体無いと思うのは、能だけに囚われていた自分だから。能が、それほど魅力的なものに映った。