青山文平のレビュー一覧

  • 半席(新潮文庫)

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    ホワイダニットを時代物でコーティングしたお話。もちろん本筋も面白いんだけど、出世に焦がれつつも思い悩む主人公に、雅之、源内という魅力的なまわりの人物のさりげないサポートがよかったです。あと、このお話の食事の場面は飯テロといっていいほど秀逸です。

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    2022年06月13日
  • 半席(新潮文庫)

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    どこかの文庫紹介で、歴史ミステリとして紹介されていた本。とても良かったです。
    ミステリのジャンルとしては、ホワイダニット系になるかと思うのですが、その動機はどれもこれも「そうせざるを得なかった」やるせなさや、諦め、悟り、いろいろなものを感じられ、感情豊かで素晴らしい。
    時代背景や歴史もの特有の用語など、歴史小説を読みなれていないと多少難しく感じられる部分も多いですが、お勧めできます。

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    2022年06月07日
  • つまをめとらば

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    江戸時代の町人や下級武士たちの生活をしみじみと描いた傑作。その時代に生きていた訳はないが、何故かそんな事もあるだろうなあと思わせる現代にも通じる6つの物語。表題作は隠居の身になった2人の共同生活の楽しさ、結婚への価値観など頷くことしきり。縁側に寝転んで読みたい気分になる。

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    2022年06月01日
  • つまをめとらば

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    154回(2015年下半期)の直木賞受賞作品。
    江戸時代を背景として、夫婦や妻について書かれた6編の短編集。
    短編集よりも長編が好きだが、これは面白かった。
    主に男性側の目線からみた「つま」を描いたものだが、特に3作目「乳付」は女性側の目線から書かれており、特に胸に響いた。

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    2022年03月11日
  • 跳ぶ男

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    ラスト三行が震わせる
    そしてじわじわくる
    なんだかもう
    …尊い

    え?終わり?
    とか
    結局その結末?
    とか
    そう思う人はいると思うので
    オススメはしない

    個人的にはかなり好み
    さっきは迷うことなき
    星4つだったが
    今は5つでもよくねーかな
    と思っている

    ひたすらくどい部分があって
    わかっとるっちゅーの!
    しつこい!って感じてたので
    ギリギリ5つに届かない4つ

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    2022年01月25日
  • 伊賀の残光

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    面白かったし、相変わらず読んでて心地よい。伊賀者が大久保百人町にいたとか知らなかったから興味深かったけど、仲間がポンポン死にすぎだし、娘婿都合いいし、魅力的なキャラ2人が途中退場してそれっきりだし、オチでああこの暗殺やったのかなって仄めかして終わりは不完全燃焼だったなあ。

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    2022年01月16日
  • 半席(新潮文庫)

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    おもしれえ。江戸時代の探偵物ってのが斬新だし、ちゃんとミステリとして成立してるのが凄い。連作短編集なんだけど、どの話も味わい深くて良い。このシリーズ続いてくれてもいいと思うな(調べたら続編あるらしい)。

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    2022年01月10日
  • 遠縁の女

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    中編3本。どれも面白いんだけど、何冊も青山文平読んでるとなんか聞いたことのあるような設定の話が出てくるな。1つ目の機織りの話は知識として面白かった。2篇目は美しくはあるんだけど弱い。3篇目は武者修行の描写が真に迫ってて、これは珠玉の一篇か?と思ったけど急に修行打ち切りで肩透かし。今まで読んだ青山文平の中ではどれもいまいちかな。いや、感じ入ろうとすれば感じ入れる内容ばかりなんだけど、なんかそこまで感情移入ができなかったのかな。

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    2022年01月06日
  • つまをめとらば

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    しみじみと良いなあ青山文平は。どの短編もとても良い。「ひと夏」の斬り合いのシーンの描写は読んでてゾクゾクした。「逢対」の男女の描写もなんかジワリと感じるものがあった。好きだな青山文平。

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    2021年12月31日
  • 白樫の樹の下で

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    ミステリー仕立てでなかなか面白かった。しかしヒロインも脇役も唐突にあっさり死に過ぎ。江戸の頃は箱崎のあたりに中洲なんてのがあったんだねえ。

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    2021年12月25日
  • かけおちる

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    面白え。青山文平読むの2作目だけど、やはり時代小説とは思えない読み易さに引き込まれるし、そこに感動すらする。ドラマティックな歴史的出来事に欠ける時代を舞台にしてここまでのドラマを編めるのが凄い。ラストでタイトルの意味と妻の駆け落ちの真意がわかるシーンは痺れた。ただ、それも自分の興産の結果を知らずに腹を切った娘婿に関しては救って欲しかったなあ。これじゃみんな救われないじゃん。ハッピーエンドでいいんだよ?

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    2021年12月21日
  • 春山入り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    やっぱり青山文平はいいな!って思いました!実はいい人だった!がたくさん。後書きで短編を書くのに3か月かかるそうでまず素材の探索にひと月、執筆は手に任せていてどういう話になるかは出来上がってわかるそうです!
    三筋界隈、半席、春山入り、乳房、約定(果たし合い)、夏の日(門屋の)の6編

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    2021年12月10日
  • 鬼はもとより

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    いちょう祭りで50円で購入。面白いわ。時代物とは思えない読みやすさでサクサク読めた。時代物なのに経営コンサルタントの主人公と、それでも登場人物たちは武家であるという事を上手に組み合わせて編む手腕が凄い。この人の本もっと読みたい。

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    2021年11月25日
  • 春山入り(新潮文庫)

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    時代のヒーローではない下級武士、組頭、その妻、といった人々にある生きていく上での葛藤を描いた時代小説。その立場を取るか、友や家族をどう考えるのか、今の時代でも色々な悩みはあるもの。そんな揺れる心の描き方が面白い短編集。

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    2021年10月28日
  • 伊賀の残光

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    ネタバレ

    2013年『流水浮木 最後の太刀』の改題文庫化

    家康の危地脱出に手を貸し公儀隠密となった伊賀者は、吉宗が既存の隠密を信用しなかったため、30俵の扶持で江戸城の門番となっており、百人町の大久保組の者は内職でサツキを育てていた。
    剣の使い手だが山歩きをしてサツキの株を探して栽培することに心血を注いで老境に到った山岡晋平にとって「伊賀者」であることはほとんど意味をなしていなかった。幼い頃から一緒だった3人が「伊賀者」であろうとアイデンティティを求めることで次々と命を落とす。
    晋平は最初の一人の死から、私的な隠密稼ぎが横行している事を知り、残る二人も頼まれ仕事から放火事件を未遂に終わらせたもののその

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    2021年10月13日
  • 半席(新潮文庫)

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    仮説を立てて検証をする。対象が違えど、心持ちは似たところがあるなと思いつつ、職場や上司との関わりを自身と比較しながら読んだ。我が身の行く末も考える「役替え」の読後感、面白かった。

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    2021年10月03日
  • 励み場

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    遅咲きの直木賞作家の作品。
    直木賞は2016年「つまをめとらば」で。

    徳川幕府が始まって150年のころ。
    農業も改良や開墾などで収穫高が高くなり米の値段は下がる。
    かたや武士は未だ禄高で収入を得ていて、ジリ貧の勝手事情。


    徳川が日本を統一するころ、武士を捨て領土に土着する武士集団がいたが、150年も経つと、その立場もずいぶん変わっていった。

    豪農の次女として生きた智恵(ともえ)は、養母、喜代が亡くなって以来家の中に息苦しさを感じていた。
    子を成さぬということで家に帰される出戻りでもある。
    姉の多喜(たき)は、美しく明るく2度も結婚しながら戻ってきたが天真爛漫に振る舞っている。

    そんな

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    2021年08月17日
  • 半席(新潮文庫)

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    主人公の青年、徒目付の片岡直人、上役の内藤雅之をはじめとする登場人物設定、描写が素晴らしい。
    科人すら「真の動機」が明らかにあると、「仕方なかったのか? 気の毒な、、」と思わせる。ある意味、潔さまで伝わるかと感じました。

    一話完結の謎解きと思い、途中で読み止めてはいけません(^^) 6話で一冊、徒目付の片岡直人デビューの一冊になっているのかもしれません。続編出たら読みたいです。

    テレビドラマにしたら、主人公青年より人気が出そうな渋い上役の内藤雅之で江戸のグルメ紹介を差し込み、街で家系図売りをしていた沢田源内のニヒル役が気になるでしょう。科人役もあじのある俳優が喜んで引き受けそう。青山文平

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    2021年07月28日
  • 半席(新潮文庫)

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     10代の頃、大人になるということは、思い悩むことが減っていくことだと信じていて、いわゆる「中年」と呼ばれる年齢に差し掛かってきたここ数年、よくそのことを思い出し、考えてしまうことがあります。
     いくつになっても、あるいはどれほどキャリアや大きな功を成しているとされるような第一線の人たちであっても、こんなにも一度刻まれた心の傷や呪縛から逃れることは困難で、人と人とはこんなにも容易く修復できない関係になり得てしまうものなのか、などとぐるぐると思考してしまうこともしばしばです。

     そして、そんなふうに途方に暮れる気持ちになる時にふと、いつも脳裏に浮かぶ小説があって、それがこの『半席(はんせき)』

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    2021年06月06日
  • 遠縁の女

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    青山文平氏、再発見!!
    昔、一冊読んだことがあったけどピンと来なかったような気がします。
    いやー、すごくおもしろいです。

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    2021年05月16日