青山文平のレビュー一覧
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主人公の青年、徒目付の片岡直人、上役の内藤雅之をはじめとする登場人物設定、描写が素晴らしい。
科人すら「真の動機」が明らかにあると、「仕方なかったのか? 気の毒な、、」と思わせる。ある意味、潔さまで伝わるかと感じました。
一話完結の謎解きと思い、途中で読み止めてはいけません(^^) 6話で一冊、徒目付の片岡直人デビューの一冊になっているのかもしれません。続編出たら読みたいです。
テレビドラマにしたら、主人公青年より人気が出そうな渋い上役の内藤雅之で江戸のグルメ紹介を差し込み、街で家系図売りをしていた沢田源内のニヒル役が気になるでしょう。科人役もあじのある俳優が喜んで引き受けそう。青山文平 -
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10代の頃、大人になるということは、思い悩むことが減っていくことだと信じていて、いわゆる「中年」と呼ばれる年齢に差し掛かってきたここ数年、よくそのことを思い出し、考えてしまうことがあります。
いくつになっても、あるいはどれほどキャリアや大きな功を成しているとされるような第一線の人たちであっても、こんなにも一度刻まれた心の傷や呪縛から逃れることは困難で、人と人とはこんなにも容易く修復できない関係になり得てしまうものなのか、などとぐるぐると思考してしまうこともしばしばです。
そして、そんなふうに途方に暮れる気持ちになる時にふと、いつも脳裏に浮かぶ小説があって、それがこの『半席(はんせき)』 -
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内容(「BOOK」データベースより)
いまならば斬れる! 人を斬ったことのない貧乏御家人が刀を抜く時、なにかが起きる――。
幕府開闢から180年余りが過ぎた天明の時代。江戸では、賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃。二本差しが大手を振って歩けたのも今は昔。貧乏御家人の村上登は、小普請組の幼馴染とともに、竹刀剣法花盛りのご時勢柄に反し、いまだに木刀を使う古風な道場に通っている。他道場の助っ人で小金を稼いだり、道場仲間と希望のない鬱屈した無為の日々を過ごしていた。ある日、江戸市中で辻斬りが発生。江戸城内で田沼意知を切った一振りの名刀を手にしたことから、3人の -
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表題作「つまをめとらば」ほど、等身大の人間が描かれた作品は無い。
等身大に描くというのは、何もかもを剥き出しにすればよいというものではない。それは、誰もが普遍的に胸に秘めた、しかし言語化することは難解で、上手く形容し難い《なにか》を、数多もの語彙を用い、緻密に構成した《物語》という媒体に落とし込むことでようやく表現することが可能となる。それはどう足掻いても不完全にしかなり得ないが、完全ではないという事実が、作品への印象を玉虫色に染め上げる。この作品を「赤」と思う方もいるし、「黒」と思う方もいるだろう。はたまた「赤っぽい黒」「青っぽい緑」「白とも赤とも青ともいえないような色」など、表現することが -
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父は、御目見以上の役に就いて旗本になったが、その後役を解かれて御家人に戻った。一代御目見以上だった。片岡直人は、今の半席の状態からもう一度御目見以上になり、子も生まれた時から旗本である永々御目見以上になるのをを目指している。今の徒目付は、そのための腰掛のつもりであったのだが、次第に徒目付の表の仕事はもとより、徒目付組頭の内藤正之から押し付けられる幾つもの裏の仕事に魅力を感じていく。この裏の仕事とは、決着がついて刑が決まったしまった科人が、なぜそんな罪を犯したか明らかにするというものだ。謎を解くための着想を得る過程が、なかなかに面白い。その中で、片岡は成長していくのだ。片岡の心の動きを読んでいく