青山文平のレビュー一覧

  • 泳ぐ者(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前作の記憶がほとんど残ってなかったからだと思うけど,最初なかなか話が入ってこなかった。話じたいは面白かったので,前作を覚えているうちに読むのが良いのだと思う。

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    2024年03月11日
  • 父がしたこと

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    時代に於ける、医療の歪んだ思考に唖然とした。漢方を扱う内科医が頂点で、麻酔術を扱う西洋外科医が底とは…全身麻酔で藩主、そして重彰の息子を救った向坂先生。その向坂先生が何故…未だモヤモヤしている。

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    2024年02月07日
  • 半席(新潮文庫)

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    時代背景が江戸時代の推理小説
    事件の真の動機を探る徒目付が主人公
    徒目付が主人公の小説を読むのは、初めてかもしれない。
    半席と言う立場と、情報を握る事による余禄。
    徒目付は、特殊な立場だったのですね。
    新しい視点が面白い。

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    2024年02月04日
  • 江戸染まぬ

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    「本売る日々」が面白くて続けて手に取った青山文平の短編集。
    砂原浩太朗の作品を読んだばかりだったからか、同じ江戸の時代物でも文章の硬さにサラリとは読めなかった。

    作者あとがきに「常温の日常をリアルに描く小説を書きたい」とあるように短編それぞれの主人公は華々しい活躍をするわけでもない。むしろ、扶持の少ない武家の厄介叔父であったり、部屋住みの武士であったり、今後をどう生きていけばいいのかと思い煩う武士の姿がリアルに描かれる。

    どの時代にあっても人はその生まれる境遇を選べず、その環境も平等ではあり得ない。それでも、定められた環境で迷いながら、悩みながら歩みを進めていくのだということ。それが命を賭

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    2023年12月04日
  • 泳ぐ者(新潮文庫)

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    これはミステリーなんだろうけれど、最終的には、謎は解けていない。確かに、事実を積み重ねて、「たぶん、こうで間違いなかろう」と思われるところまで示されている。本当なら、歯痒いところだけど、「それで良い」と思わせるところが、凄い。

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    2023年11月02日
  • かけおちる

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    ネタバレ

    武士の世というのは、嫉妬である。嫉妬を飼い慣らすことができるものと、嫉妬に翻弄される者とが、もっともらしい理屈をつけて争う。その中にわずかに義とか徳とか言ったものがあって、嫉妬の濁流の中から逃れ、義を持って徳をなす物語。

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    2023年09月27日
  • 江戸染まぬ

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    最初、この本を書店で見掛けた時は、気にはなったけど、スルーした。しばらくして、また、書店で目にしてしまったので買ってしまったけど、買って良かった。「史実」を元にした作品とのことだけど、まさに、「真実は小説より奇なり」だろう。

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    2023年08月30日
  • つまをめとらば

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    時代設定は江戸中期、太平の世というあたりです。
    その時代の下級武士達と妻とか妻候補とを絡めた人情味豊かな短編集。短編6編で、どの作品も文章が柔らかで、つつがなく、平和の中の武士達の葛藤を面白く読みました。心情は、現代の会社員にも通じるものがあります。
    共通するのは、登場女性達の、強かさ。比べて、男性陣の穏やかさ。
    「つまをめとらば」は、高齢にさしかかった男二人が、しばらくの間、同居の形を取り、案外心地良いね、という事になる。結局、同居は解消して、一人は女性のところに行く。最後は女に頼ってみることにする、らしい。追い出されないか心配になるわ。
    「乳付」これが一番好きです。この作品だけ女性の立場か

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    2023年06月30日
  • 半席(新潮文庫)

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    時代小説ですが、事件の「なぜ」を解き明かす一種の推理小説(ホワイトダニット)でもあります。
    上司からの命を受けて奔走する片岡直人。謎を解き、本当は真相を話したい科人の心をほぐす才が鮮やかでした。
    各章ごとに「半席」をはじめ、武家社会の仕組みやこの時代の風習、町の様子についてなど詳しい説明があり、それが少し読みづらくもあったけれど、どの話も良かったです。
    どの科人もそこそこ年齢を重ねていてずっと堪えてきた人ばかりなのに、ほんの少しのきっかけでその抑えが壊れてしまう。なんだかとても悲しいですね。

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    2023年03月22日
  • やっと訪れた春に

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    ネタバレ

    「藩政を抜本改革した分家の岩杉重明以降、本家と分家から交互に藩主を出していた橋倉藩は、重政が相続を遠慮したため分裂が終わるはずだったが、その重政が刺殺された。重明の命で反対派を粛清した鉢花衆の末裔・長沢圭史と団藤匠は、馴染みのうどん屋で議論しながら犯人を追う。」(『2023本格ミステリ・ベスト10』歴史・時代ミステリ2022)

    簡にして要を得た紹介なので、ママ転載。

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    2023年03月16日
  • 伊賀の残光

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    身分を隠し「隠密」として長年「門番」として務めていた武士に他の藩での「雇われ隠密」が増え始め、暗殺事件が発生、藩の内部抗争に巻き込まれる物語である。現代で言う企業が「私立探偵」を雇い、その探偵が深入りしすぎて抹殺される事件となる。社会が不安定になると「不安」解消と「自己防衛」の為に「探偵・警備」を強化する事に値する、そんな探偵が事件を解き明かしていく。

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    2023年03月08日
  • 励み場

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    ネタバレ

    青山文平は平成の藤沢周平と呼ばれているらしい。藤沢周平の訃報に接したとき、もうい読めないのかと思った時のことを思い出しつつ、青山文平と出会ってよかったとつくづく思った。この作品は私にとり三冊目であるが、静けさの中に固い芯があり、艶があるというのか、そんな物語である。「名子」の背景の説明や智慧、多津にまつわる因縁が少しわかりづらく、わざとそうしているのかもしれぬが、藤沢周平よりずっと入り組んでいる気がする。

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    2023年02月07日
  • 跳ぶ男

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    「能」の蘊蓄が9割方あり、難解な内容。
    ただ、筋としては面白いので、難解な部分は読み飛ばして拾い読みした。
    貧困で苦しむ弱小藩の道具役(能役者)の長男として生まれた主人公の屋島剛。母親が死亡し後妻に次男が生まれたことから後継を諦める。兄がわりを師と仰ぎ、野墓の原で「能」に励むが、師が事件を起こし自裁する。一旦全てを諦めるが、再度「能」を一人稽古する。
    殿様が突然死し、藩を救うために殿様の身代わりとなる。「能」が藩を救うということで、江戸で頭角を表す。
    「自分の国をちゃんとした墓参りができる国にする」という師からの言葉を自分の命題とした屋島剛は最後の手段に出る。これが衝撃的な内容だった。最後にこ

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    2023年02月04日
  • つまをめとらば

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    第154回直木賞受賞作品
    でも、自分には合わなかった(笑)

    六編からなる短編です。

    ■ひともうらやむ
    ■つゆかせぎ
    ■乳付
    ■ひと夏
    ■逢対
    ■つまをめとらば

    どれも男と女が絡んだ物語となっています。
    表題の「つまをめとらば」
    これ、ちょっと想定と違って面白い。
    男同士のほうが楽?
    現在の結婚問題にも通じるところがあるのかもと感じました。
    一方、登場する女性
    これまた力強い

    やっぱり、男って駄目ね(笑)

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    2022年12月18日
  • やっと訪れた春に

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    題名が爽やかな感じがして借りたが、内容はかなり凄まじい話だった。くるみみそのうどんが出てきて食べてみたくなった。

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    2022年11月27日
  • やっと訪れた春に

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    前半の説明が長く、我慢の読書が続きました。かと言って後半もなんだそんなかよと。タイトルもなんだかなあ。

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    2022年09月11日
  • かけおちる

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    "人から言われるまでもなく、己の力足らずは骨身に沁みていた。が、興産掛を続ける以上、それを認めてはいけないと戒めてきた。"
    『半席』が良かったのでこちらも。こういう心情がわかるような世代になったものだと思いつつ、そこまでの覚悟もない私であるが、確固たる居場所を用意してくれない時代(著者後書き)の中で頑張ろうと思ったところです。

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    2022年05月07日
  • 鬼はもとより

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    面白そうな内容なので 読んでみました。

    藩札というものがあったという事実にびっくりしました。
    時代劇だと 小判とか 銀銭とか が 流通貨だったもので・・・・
    ホント 本を読むと色々な事が わかって楽しいですね。

    で、この小説なのですが・・・
    主人公達は 命がけで 国を良くしようと政策を考えた。
    (命をすぐに捨てるのは どうかと思うけど)

    実際には 昔のお役人達が どうだったかわかりませんが・・・・
    義の為に 命を捨てるのは 良いってイメージがありますよね。

    今の政治家って 命がけで 政策を出しているのかしら??
    と、 ふと 思っちゃいました。

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    2022年05月04日
  • 遠縁の女

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    ネタバレ

    表題作ではなく「沼尻新田」を読みたくて借りた。
    青山文平はここから読んだ。
    あらためて読んでみると最初の感動は無いのだけど、
    家運を掛けて一族を挙げての新田開発を発案して隠居の父親に持ち掛ける場面が好き。

    ま、でも表題作も再読しようと、読んだけど
    父の訃報で修業を突然やめて故郷に帰って様々な真相が明らかになるのは良いのだけど、結末がどうなのよ?とおもってしまう。でも青山文平は読ませるなあ。

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    2022年03月15日
  • 春山入り(新潮文庫)

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    子憎たらしい文章と、その文言は読者を次のページに誘う。 短編集ではあるが、一篇一遍が長編のそれと同等に感じるのは作家の力量であろう。

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    2022年02月05日