青山文平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の剛(タケル)は能を生業とする道具役(能の役者)の家に生まれた。能の師でもあり、兄のように慕った保は武士として死んだ。
貧しくて墓に埋葬する土地もない台地の国では遺体は川に流される。「ちゃんとした墓参りができる国」にするために、剛は身代わりの藩主となって、能の力で御当代様へ働きかけようとするが・・・・。
なんとも壮絶な物語だった。能のなんたるかを解き明かそうとする文章が後半にあるのだが、能の真実はわからないながらも引き込まれた。そして剛の衝撃的な決断・・・。いや、極めるのはそっちじゃないだろう、勿体無いと思うのは、能だけに囚われていた自分だから。能が、それほど魅力的なものに映った。
以下ネタバレになるけど、
保の鵺の能を見たかった。それを見ている剛。
だんだん一体化していく2人。
映像が浮かんでくる(でも誰がやるの?) -
Posted by ブクログ
っぽく無いタイトルですが、生粋の時代小説です。
英邁な藩主。その身の回りの世話をし、藩主からの信頼の厚い小納戸頭取の父。そして目付の主人公。藩主の持病は痔。領内に住む蘭学の医者に全身麻酔下での手術を受け、成功するのだが・・・。
痔、あるいは主人公の子の鎖肛(肛門が生まれつきうまく作られなかった病気)と、蘭学に関係して下半身の病気を取り上げたのはなかなか面白い試みです。
相変わらず厳しい文体で、武家の生き様を描いていきます。父と子のみならず、母や嫁も、みな異常に張り詰めている感じです。そして、他に登場する脇役(武士以外)たちも悪人が居ないというばかりでなく、弛緩した人物が出て来ません。もともと奇矯と言っていいほどの武士の倫理観を描くのが得意な青山さんですが、ちょっと行き過ぎかも。デビューして10年以上たち、もう少し肩の力の抜けた作品が出てきても良いような気がします。
一種のサスペンスドラマで、最後に謎解きがありますが、少々無理があるかな~。