井上靖のレビュー一覧
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琵琶湖で娘のみはるを失った架山。しかし、遺体は7年経った今も、まだあがらないままである――。
『名短編、ここにあり』に井上靖の「考える人」が収録されていて、それがとてもよかったので、今回長編も手に取ってみた。
本書では、娘を亡くした父親が主人公である。
娘の死という題材を扱っていながら、井上靖の筆は哀しみに寄りかからず、かといって虚勢も張らない。
私は、死は乗り越えるものでもなければ、受け入れるものでもないと思う。変な言い方だが、死というものは、馴染んでいくものではないかと思うときがある。
架山はみはるのことを考えるうちに、次第に彼女がまるで自分の愛人であったかのような気持ちになっていく -
Posted by ブクログ
『姨捨』『胡桃林』『グウドル氏の手套』『湖の中の川』『大洗の月』『孤猿』『蘆』『川の話』『湖上の兎』『俘囚』『花粉』『四つの面』の短編12編を収録。
「棄老伝説を持つ姨捨山のイメージを作品の中心に据えて、著者の一族のなかに世襲の血として流れる<出家遁世の志>とでもいうべき現実離脱の心を探った表題作。
ほかに、男まさりで狷介なひとりの女性の孤独な生涯を鮮やかに浮かび上がらせた『湖上の兎』、
川に寄せる著者の愛着がにじみ出た『川の話』、
あるいは自伝的要素の強い『グウドル氏の手套』『蘆』など、多彩な短編全12編。」(作品紹介より)
『姨捨』は遁世の志や厭世観という言葉がぴったり。筆者やその母、