井上靖のレビュー一覧

  • 異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集

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    <異域の人>
    最果ての西域で軍人として一生を終えるオトコの物語。

    軍人として名を上げるため、故郷を遠くはなれ、命を賭して生きる人生。

    平和日本に住むボクが理解することは不可能かもしれない。

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    2013年11月04日
  • 氷壁

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    昔読んだことがあるけど記憶に無いのと、山登りを始めた今だからこそ、と思い再読。
    冒頭から山をやる人にとって、お!と思う描写。奥穂高、涸沢、徳沢と、馴染みの知名オンパレードで、山から帰ってきたばかりだったのに、胸がワクワクします。
    ナイロンザイル事件が思いのほか早く起こって、そこからは、ドラマが展開するのだけど、山をやってる人には物足りないかも。
    そう、もっと山のこと書いて欲しいと思ったのです。

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    2013年10月19日
  • わが母の記

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    認知症云々というより、慈愛に満ちた眼差しではあるもののある意味冷酷な生命の記録といった感じ。
    やっぱり生きるというのはどうあれ他人様に迷惑をかけるものなんですな、謙虚にならんといかんです。
    主人公(?)である母にとって旦那のことは完全に忘却の彼方って結構応えますよ、自分もその対象になってしまうかも、気をつけないと、、、
    映画もなかなか良かったが、本の方が一枚上って感じ。
    流石井上靖です。

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    2013年08月09日
  • おろしや国酔夢譚

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    久々に読んだが重い本だ。
    飛行機なども一切なく、もちろんパソコンもなく、まだ日本が鎖国をしていた頃の話。

    海外に対する情報が全くない日本人が漂流しロシアに流れ着き十年を経て日本に戻る。

    過酷な運命だ。
    そして日本に戻ってきた時に感じる疎外感。悲しい物語です。

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    2013年08月03日
  • 氷壁

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    樋口明雄を皮切りに山岳小説に興味を持ち始めて、一度読んでみたいと思っていた本。山岳小説の傑作らしく、数年前はNHKでドラマ化されたのを見た。これは新装版で、初出は1957年。読めば一目瞭然。文体が古く、昭和臭の香り。といっても若干固いと思うだけで読む分には師匠はない。むしろこれも一つの味に見える。
    結果的にはうーんというような小説だった。期待が大きすぎたか、全体的に冗長に感じた。また年代からして仕方ないかもしれないが、登場人物の価値観が理解しにくかった。主要人物の行動、思考が皆芝居がかったような印象を受ける。それでも何だかんだ言って最後まで読んでしまった。その意味では悪い作品ではない。でも結局

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    2022年09月15日
  • 額田女王

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    井上靖を読むなんて何年ぶり?

    少女の頃、「茜さすむらさきの……」「むらさきの匂へる……」
    大海人皇子との恋歌に憧れました。
    あれから何十年……
    歴史的にも文学的にも、研究は進み、
    おそらく解釈も変わってきているでしょう……

    そんな昔少女のせいか、井上靖の描く
    額田と言う女性は、私のイメージにピッタリ。
    だいたい、井上靖は私の頃のビッグネーム。
    確か、日本ペンクラブの会長だった頃のスピーチが
    国語の教科書に載ってたいたはず。
    久々に、きちんとした(?)小説を堪能した感があります。

    ただ小説の勢いとしては、後半が失速するというか……
    物語としてはダダダ~っと話が進むのですが
    味わいとしては欠

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    2013年05月13日
  • わが母の記

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    花の下、月の光、雪の面、と被る内容が書かれてあり少し中弛み感があった。映画を観る前に読もうと手に取った本。高齢者が増えていく
    これからの世の中、認知症の発症数も増えていくことでしょう。可能であれば、周りの方をなるべく手こずらせずにこの世を去りたいと私は思う。

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    2013年05月12日
  • わが母の記 花の下・月の光・雪の面

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    介護の段階で誰もが感じる気持ちの移り変わりを描いた作品。最初の話で推測したことが、後になって、こうだったんじゃないか、という分かったり。別の次元で生きていたのかな、お母様は。

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    2013年01月12日
  • 蒼き狼

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    ネタバレ

    成吉思汗(チンギスカン)、その若き日は鉄木真(テムジン)と呼ばれた。鉄木真の生まれた十二世紀の中葉には、モンゴル部のほかに、キルギス、オイライト、メルキト、タタル、ケレイト、ナイマン、オングートといった諸部族が蒙古高原地帯の住民たちで、その中で、モンゴルとタタルの二部族がこの高原地帯における諸集落の指導権を握ろうとして、絶えず小戦闘を繰り返していた。鉄木真の生まれたのはこの二部族の闘争の最中であった。モンゴル部族もその中で幾つかの氏族に分かれ、各氏族は独立した集落を持って、ともすれば拮抗しがちであったが、鉄木真の父エスガイの属するボルジキン氏族は昔からモンゴルの本家筋に当たる家柄となっており、

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    2012年10月29日
  • わが母の記

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    高校時代に一度、春に映画を観る前に一度、 そして今回また読んだ。
    同じ井上靖の作品で人の成長を感じたが、"幼少に戻る"老いの形もそれもまた人の成長のひとつなのだろう。

    個人的に、高校時代より経て今、家族や親戚としてとても考えさせられた。
    映画とはまた違う感慨。

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    2012年09月07日
  • 孔子

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    孔子が神様みたいにベタ褒めされている様が書かれた本。あまりにも子曰くと一言一言取り上げられてるので最初は胡散臭く感じられたが、正論だと思った。昔の中国のしょっちゅう国が変わるという感覚からすれば孔子はスゲー人なんだとも思った。

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    2012年08月28日
  • 後白河院

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    4人の視点からみた後白河院にまつわる様々な出来事。
    誰にも本音を言うことなく、人や時流を見極めて自分で決めて行動してきた孤高のひとという印象。それに比べていまの時代のひとは、何でもかんでも人に喋りすぎなのかもしれない。そんなことをふと思った。

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    2012年08月13日
  • 氷壁

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    登山家の話。
    女性問題を抱える親友を山で失ってしまう主人公がその原因と思われるナイロンザイルの検証と親友への義と女性への想いも交わり、悩みつつも山へ向かっていく。
    職場の支店長の視点で登山とは何かを問いている。
    描かれているものは何か?
    山という絶対的なモノへの畏怖、憧れ、尊厳とそれに対照的な市井の人間味であろう。

    ただ小説のなかに登山家のなぜそこへ向かうかの精神世界か描かれているとは感じない、また、ザイルをめぐる展開が話し全体のバランスからは多すぎると感じました。

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    2012年08月08日
  • 後白河院

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    ネタバレ

    朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡…。その時院は、何を思いどう行動したのか。側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、謎多き後白河院の肖像。明晰な史観に基づく異色の歴史小説。

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    2012年07月22日
  • わが母の記

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    母が映画を観、とても良かったと感動していたため、
    先に原作をと思い購入。

    映画はまだ観ていません。

    この原作を読み、どうして映像化しようと思ったのだろうか。

    珍しく、、感想が、、ない。。

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    2012年07月20日
  • わが母の記

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    エッセイとは取りにくいけれど私小説とも違う不思議な語り口。自分の母親の老いた姿を通して人生の集約を見ている著者がいるが、その著者は読者自身でもある気がする。読み始めた当初は、この作品はいったい何を伝えたいのかと思ったほど的が絞れなかったが、これは人間の業(ごう)と言われる物が書かれているのではないだろうかと感じるようになった。一人の母の人生ではなく人間すべての避ける事の出来ない人生のひな形のような物、でしょうか。
    そして人生の終焉に近づいた母が状況感覚の中に生きて、その人生舞台の照明は消え、きらびやかな道具立ても無くなってまだらな記憶の中でただ一面に降る雪を眺めるようにして周囲から隔たった自分

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    2025年01月29日
  • わが母の記

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    中学生の頃、あすなろ物語やしろばんばを読んでいて、なんか洪作少年のときと印象が違った。あすなろやしろばんばは読んだ当時より年下が主人公だけど、本作はまだ相当先の話だからなのかな・・・なんて思ったり。

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    2012年11月27日
  • 氷壁

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    冬山の絶壁登攀に挑む孤高の男たちの話・・・と思いきや、なんというか人間関係のしがらみの中で、どれだけ相手の思いを信じられるかを右往左往する人間ドラマでした。が、世間の俗さと登山の孤高さの対比に失敗して、最後は俗さが先行した感があり、主題がよく見えなかった。

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    2012年06月27日
  • あすなろ物語

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    自伝的青春小説でしょうか、全体に抑制が効いていて、成程夏の推薦図書の典型かと。ただ個人的にはあまりピンと来なかった、井上靖好きなんですが。
    ところで井上靖のような作家は最早古いのだろうか、映画で話題にはなったものの何処か世の扱いが寂れているような気がして、少々悲しい。

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    2017年11月15日
  • 額田女王

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    飛鳥時代の万葉歌人として、ひときわ注目される額田女王。それは、天武と天智の二人に寵を受けた事による関係や、歌から見える巫女的性質論によるもの、何より委細が謎めいている面も注目される要素だと思われる。
    とかくロマンチックに語られる額田ですが、この小説ではひとりの女の生き方としての彼女を描ききったのではないでしょうか。

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    2012年05月30日