土橋章宏のレビュー一覧

  • いも殿さま

    購入済み

    こんな風に生きてみたい。

    還暦を迎えた実直な勘定方の武士である井戸平左衛門がかの有名な大岡忠相より石見銀山代官を引き受ける。江戸時代の還暦である。かなりの高齢者だと思うのだが代官となって切腹するまでの数年の間「領民の命を守る」という一途な想いで飢饉と戦っていく小説である。度重なる苦難と戦っていく平左衛門のバワーにはただただ頭が下がる。飢饉の対策として薩摩の国から「唐芋」を買い根付き領民の食糧となるのを平左衛門は見ることなく亡くなってしまうのである。「いも殿さま」と呼ばれその功績をたたえる碑が中国地方に500基以上にもなるという。碑は別にして平左衛門の生き方の爪の垢でも煎じて飲みたい人が多いのではないだろうか。

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    2021年09月16日
  • 超高速! 参勤交代

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    映画の予告編を見て購入。
    脚本賞を取ったそうで、大活劇と人情物で映画化がしやすそうに思った。主役は人情味に溢れた殿様で剣も藩随一。付き従う部下達も同様。江戸城で幕府側の忍者達との一戦が激しい。苦手の狭いところも、女性の愛情もあり何とか克服か。徳川吉宗も実は・・?
    軽く楽しめる本だった。映画はどこまで実写化しているのだろう。

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    2021年07月02日
  • 引っ越し大名三千里

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    ネタバレ

    ま た 綱 吉 か !
    今まで何冊か時代小説読んだけど、綱吉の時代って本当大変だ。
    とりあえず、物語を動かすにはもってこいの存在なのかもしれない(この何回にもわたる引っ越しは実話のようだけど)が、その時代の人にとっては迷惑で暮らしにくそう。

    それから、戦国時代に衆道があったことは知っていたが、江戸時代も割と普通だったんだなぁ。


    追記
    映画も観た。
    原作とヒロインの性格・属性がまるで違い別人で何だかなぁという感じ。
    映像として派手にするために原作の良いところを削ってしまっている。
    皿を投げるシーンで、せっかく厳選してきた逸品なのに笑いながら粗末に扱われてかわいそうで観ていて悲しかった。

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    2021年05月08日
  • 幕末まらそん侍

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    ネタバレ

    映画を見て疑問に思ったので読んでみた。
    映画とまったく違う話、とまでは言わないが、小説版の方が面白い。
    恐らく外国の人が見た侍の面白さは映画に入っているのだろうが
    日本人が見て面白いと思う侍像は断然こちらだろう。
    安中藩藩主の板倉勝明も素直に恰好良かった。
    映画の主人公は隠密の唐沢だったが、小説ではそれよりも
    伊助の話が印象に残った。
    映画もこの話の筋書きで撮ってくれた方が楽しめた気がする。
    リベンジで来年もやりたいという話から、じゃあ殿も参加してくださいね
    というオチは微笑ましくてなかなか良かった。

    読みやすい内容だと思う。
    解説によると作者は脚本家がそれを小説に起こして小説家になるという

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    2021年04月14日
  • 身代わり忠臣蔵

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    とてもスッキリした読後感です
    ほう、史実の人物へのイメージをそれほど変えることなく
    こんな風にアレンジ出来るんだ~と感心します。

    また忠臣蔵への興味がたかまりますね
    ちょっとH な部分ありも、土橋さんらしいでしょうか?

    おもしろいです

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    2021年02月20日
  • 幕末まらそん侍

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    安政の遠足とも呼ばれた日本のマラソン発祥の地。
    黒船が来航した幕末の世。安政二年、安中藩主、板倉勝明は藩士の心身鍛錬を目的として安中城内より碓氷峠の熊野神社まで七里余りの中山道を走らさせた。
    五篇の短編からなる一冊だが、それぞれ伏線となりラストへ繋がる。現代社会の暗部へアンチテーゼを配しながらも、暗くならず爽やかさが漂う。
    世の中、性善説で成り立ってると信じたいものだな。
    愚直に生き、善意の行いが必ずしも良き結果を招くわけではないのが人生の苦いところ。
    色んな人がいるよね。そういう人間だっていると認めてやるという、ただそれだけのことが出来ない者が散見される。

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    2021年02月01日
  • 超高速! 参勤交代

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    東北は湯長谷藩。
    お上より五日以内に江戸へ参勤せよとの命がくだる。叛けばお家取り潰しは必定。
    しかしながら、小藩である湯長谷藩には財政難で費用も、大名行列を組む人もいない。
    藩主、内藤政醇は知恵物の家老と共にいざ江戸へ。

    なんとも胸を空く一冊でした。人情ものには目頭が熱くなる。地方と中央という構図も、現在に通づるものがあるか。こういう藩主に仕えることができた家臣団や民は幸せだな。

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    2021年02月01日
  • 身代わり忠臣蔵

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    202012/他の作品同様、テンポ良く一気に読ませる物語。あらすじにある「泣ける」とまでは自分はなかったけど、なるほどな身代わり設定の忠臣蔵で面白く読めた。主人公のクズさとそうではない所・達観の切替が急というかキャラ設定がちょっとブレて感じてしまうところもあるけどそこは許容範囲。

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    2021年01月18日
  • 決戦!新選組

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    幕末ものや新撰組を描いた小説は度々読んでしまうもののひとつ。 どの本も、新撰組に対する見方や人物の性格・背景の描写が異なり、真実は定かになるものではないけれど、それゆえにどれも想像力を掻き立てられてまた他の本を探したくなる。 このアンソロジーは沖田総司、近藤勇、藤堂平助、永倉新八、斎藤一、土方歳三それぞれの視点から描かれている。 ひとつの目的に向かって、でも思いは各々の胸の中に…というのは、読んでいて歯痒くもあり美しくもあり。 そしてどうしてもNHK大河の新選組!のキャストを思い浮かべてしまうワタシ…。

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    2020年11月16日
  • 幕末まらそん侍

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    良い、とっても良い! やはり僕には時代物、特に単純な時代物が合ってるのか読んでてとても気持ちいい! 友情ものというか人情ものというかそういうものにめっぽう弱い。 単純と言いながら京極夏彦的な(騙し騙され的な)要素も少し感じてにんまり。 映画もやるみたいでキャストをみても面白そう。 基本、原作より面白い映画は滅多にないがこれは少し期待が持てそう。 久々にほっこりする本を読んで気分が良い!

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    2020年10月22日
  • 超高速! 参勤交代

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    ストーリーはとても単純で大きな展開もどんでん返しも無いのに心温まるのはもはや水戸黄門や遠山の金さんも見て同じ気持ちになる年齢に自分自身がなってきたのか? 時代物の良さはその時代の価値観、人としての生き方が今の時代とはかけ離れてるんだけれど何処かで憧れと言うかそうなりたいという願望が読む者の心に響くものがあるんだと思う。 特にこの作品は時代物の中でも時代背景の小難しい、長々しい所が無いから読み易いもの好感が持てる。 小説としての重みや深さが無いとも言えるが単純に面白おかしく読める作品もたまには良い。

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    2020年10月22日
  • 駄犬道中こんぴら埋蔵金

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    博徒で借金まみれだった辰五郎が、長屋を代表してお伊勢参りに旅立ち、道中でかけがえの無い家族を持つことになった『駄犬道中おかげ参り』の続編。
    今回は伊勢のおかげ参りを終えたその脚で、辰五郎一行は、四国の金毘羅への旅に出る。
    ダメダメな主人公だけど、どこか憎めないキャラ設定故に肩肘張らすに楽しめる。また道中の宿場町では、夫々の名物や歴史に触れガイドブック的な要素もある。更に歴史上の有名人物を随所に登場させたりと、作者のサービス精神も満載。

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    2020年10月10日
  • チャップリン暗殺指令

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    首相犬養毅が暗殺された五・一五事件の背景では、世界の喜劇王チャップリンの暗殺も計画されていたというお話。
    裏表紙のあらすじの最後には『傑作歴史サスペンス』と銘打っているが土橋章宏の手にかかるとあら不思議。
    当時の暗い時代背景でハードになりがちなるテーマも、絶妙なキャラ設定と軽妙な台詞回しで鎮痛な気分にならずに読めてしまう。しかし言うべきことは言っている。さらにラストはホロリ。
    このへんの匙加減はヒット映画作を重ねる脚本家としての腕なのかもしれない。

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    2020年07月24日
  • 決戦!新選組

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    ネタバレ

    戦国時代の小説は好きだが、幕末はそれ程は興味が無かった。
    正直、思想が色々とあってどれが正しいのかが分からない。
    時代が大きく変わるのであるから仕方ないとは思うが、この時代に死ななくてもいい若者を多く失ったのが何とも惜しい。

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    2020年07月02日
  • 駄犬道中おかげ参り

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    202004/都合良い展開ではあるけど、続きが気になるテンポの良さ・ちょうど良い案配の人情をからめてて、面白かった。道中モノが好きな人にはおすすめ。

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    2020年04月12日
  • 眠り姫のロード スマイリング!2

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    読んでいたらロードバイクに乗りたくなりました。
    主人公が中学生。
    高校、大学と続くのかな。
    スマイリング!1が読みたいですね。

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    2020年04月05日
  • 超高速! 参勤交代 リターンズ

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    気楽に楽しく読みました
    おもしろーい
    こういうのも読書の楽しみ
    憂さが晴れます
    時代劇でこの軽さは いいなあ

    ≪ 悪老中 勧善懲悪 かっこいい ≫

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    2020年02月10日
  • 超高速! 参勤交代 リターンズ

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    ネタバレ

    20190120
    5日間での参勤交代を成功させ、老中松平信祝の失脚の原因を作った湯長谷潘の面々。そろそろ地元に帰ろうとしていたところ、将軍不在の間に返り咲いた信祝から2日間での帰国を命ぜられる。超高速参勤交代(復路)は成功するのか。
    いやいや、行きに5にかかったのにさすがに2日は無理やろ、と思いきや、予想外の手を使って超高速参勤交代に挑む湯長谷潘。往路の方が面白くはあったが、勧善懲悪はやはり気持ちがよい。

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    2020年01月26日
  • 引っ越し大名三千里

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    超高速参勤交代は映画で観ましたが、同じ方が原作を書いてるんですね。
    時代劇に新風って感じなのでしょうか。苦労しながら成長していく春乃介の姿がよかったです。

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    2020年01月02日
  • 引っ越し大名三千里

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    ネタバレ

    図書室に引きこもってばかりいて「かたつむり」と揶揄されていた主人公。
    そんな彼は、ある日損な役回りである「引越し奉公」を押し付けられる。
    あらゆる困難が待ち受けるも、本の知識で乗り越えていくストーリー。

    藩の家臣って大名と一緒に引っ越しするんだなーとか、江戸にずっと残る家臣もいるんだなーとか、読みながら江戸の生活が擬似体験できて楽しめました。
    ストーリーとしては王道であまり驚きはありませんでしたが、生き生きとした登場人物が盛り上げてくれて中だるみなく一気に読めました。

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    2019年11月17日