マーク・トウェインのレビュー一覧
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Pipoさん、ありがとうございます!堪能しました。「SFの元祖」(カヴァーより)とか、どーでもいいです。…、ってくらいに、面白かった、です。面白がりながら、ちょっと切なくなったりもしました。例によって引用しますが、「コネチカット生まれのちゃきちゃきヤンキー」「中世円卓の騎士」「アーサー王」「…現代文明を痛烈に批判」、なんて謳い文句を「ほほー、面白い!」と感じる方に、お薦めします。何よりも、マーク・トウェインはジャーナリストだったんだ、ということを、身に凍みて思い知らされました。もちろんパロディではあるけれど、単に「オモシロオカシイ」だけのパロじゃ、ない(これこそ、ホンモノのパロディの真髄です)
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Posted by ブクログ
実はこの本とトム・ソーヤの冒険は原作を読もうと高校のとき購入し、最初の数行で挫折した辛い記憶があります… 南部訛りの英文なんて高校生には分からないって… しかも出版されたのは1885年。そりゃあ辛いものがありますよね。日本語で読むのは楽だなあ〜 なんてニコニコしながら読みました。
面白かったです。当時の南部の状況も興味深いし出来事が又面白い。正直ハックの置かれた状況は面白いだけで済まされない状況ですがこの精神と肉体の強さはすごいなあ。昔は物が無いから応用力がつくのでしょうか。物事を打開する力だと思います。強かに、そしてまっすぐに(純粋、と言う意味ではなく)生きている。生きる力、と言う事だと -
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「トムソーヤの冒険」で有名な作家の「トム..」の続編的な作品でトムの仲間の一人ハックが主人公の冒険物語。
アメリカ南部が舞台で、暴力的な飲んだくれの親父から逃げる様に、筏での旅に出る。途中出会った逃亡奴隷である黒人のジムも加わり物語は進んでいく。
奴隷制が残るアメリカ南部(特にミシシッピ川)の
人、自然の描写が細やかで、人柄や景色がありありと浮かんでくる。
人への気配りが出来、聖人の様な心の優しいジムと話し方はがさつだけれども、良心を持ち1本筋の通ったハックのやりとりが物語のキモ。
大人の汚さを知り、ある意味それを達観しているジムは、大人の扱い方は心得ていて、物語後半で登場するトムと -
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「トムソーヤの冒険」で有名な作家の「トム..」の続編的な作品でトムの仲間の一人ハックが主人公の冒険物語。
アメリカ南部が舞台で、暴力的な飲んだくれの親父から逃げる様に、筏での旅に出る。途中出会った逃亡奴隷である黒人のジムも加わり物語は進んでいく。
奴隷制が残るアメリカ南部(特にミシシッピ川)の
人、自然の描写が細やかで、人柄や景色がありありと浮かんでくる。
人への気配りが出来、聖人の様な心の優しいジムと話し方はがさつだけれども、良心を持ち1本筋の通ったハックのやりとりが物語のキモ。
大人の汚さを知り、ある意味それを達観しているジムは、大人の扱い方は心得ていて、物語後半で登場するトムと -
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「人間とは機械にすぎず、ただインプットされた情報を手順通りにアウトプットするだけ そこに自由意思や創造性などかけらもない」身も蓋もない結論だけど、嫌悪感はないし腑に落ちる所が多かった
生まれながらの性向は変えられやしないという主張は、個人的にはある程度の幅でなら自分で操作出来ないかなと思う
例えば武士道って、「あえて死ぬってのがロックなんだよ!」「耐えて忍んで最高にcoolだぜ!」みたいな後天的な精神修養で成り立つものじゃないだろうか
それもトウェインに言わせれば、島国の特集な時代・身分制度の元での集団マインドコントロールの結果とか言われちゃうかな? -
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■評価
★★★★☆
■感想
◯人間とは機械であると主張する老人と、それを否定しようとする青年の対話。
◯「自己の精神を満足させることが、行動原理の全て」とする考え方は、かなり納得感があった。
◯サイコパスの考え方は、実は本質的なのかもと考えさせられる作品だった。
◯鉄を精錬・加工していくアナロジー(鋼鉄・銑鉄・鋼で、不要な成分を除いて性質を向上させていく)は、非常にわかりやすく、面白く読無事ができた。
◯金の延べ棒に水蒸気を吹きつけても変化しないけど、気化水銀を吹きかけると溶け出てしまう話や、鉄の精錬の話のアナロジーも面白い。外部からの影響力でいかに左右されるかというのと、それを受けうる気質 -
Posted by ブクログ
『トムソーヤの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』で知られるマーク・トウェインのタイム・スリップ小説。
イギリスのウォリック城を見学していた”私”が、奇妙な男に出会うところから物語が始まります。その男の話す内容は、アーサー王と円卓の騎士について、まるでその時代にいたかのような口ぶりです。驚きから我に帰るといつの間にか男の姿はなく、夕刻に宿泊先のホテルにいると、男が部屋に訪ねてきて自分の来歴を語りだしました。
男の父は鍛冶屋、叔父は蹄鉄工で、2人の元で手先の腕を磨き、軍需工場に勤めてからは、当時考えられるあらゆる技術を身に付けて現場監督の親玉にまでなります。しかし、手下と喧嘩して鉄梃で殴 -
Posted by ブクログ
マーク・トウェインの人間観には恐れ入った。トウェインではなく正確には老人なのだが、この老人は徹頭徹尾、人間の善性を相対化する。あらゆる行動は自分によかれと自分が満足したい、という動機があるらしい。悪を行う可能性があるという意味では人間は動物以下でもあるらしい。
こんなペシミスティックな老人が近くにいたら鬱陶しいなあ、と感じ、青年がんばれ!と読み進めるのだが、次第に老人に愛着を持ち部分的に共感するようになってしまった。なんだろうこの中毒性、トウェインの風刺の魔力。
これを読んだ後で、中学時代に読み耽ったハックルベリー・フィンやトム・ソーヤを読むとあの頃とは見える世界が大きく変わりそうで、怖く -
Posted by ブクログ
老人と青年の対話調で綴られた、「人間とは外からの力に反応して作用するだけの機械である」という主張を説明する内容だった。
言い換えると、「すべて人間は、自らの経験学習と気質に従って、自らの精神的満足を充足するための選択をする」ということが主旨だった。
そのため、自由意志などや自己犠牲などは存在せず、一見すると当人にとって損な善行や苦行も、結局は「そうしなければ別の精神的な不満足によって耐えられない」という天秤で選択された行いになる。
相手を小馬鹿にしたような語り口調と、説得に際し用いられる古い事例は少し読みづらいが、一貫した主張は明確に読み取ることができる。