マーク・トウェインのレビュー一覧
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ネタバレ文庫と書きながら、本当は新書版。
無夜は「ハックルベリィ・フィンの冒険」を先に読んでました。トムの冒険はそれよりちょっとだけ前です。
残酷描写あり。学校は今なら体罰騒動になりそうな教育を施している。
こうして読むとポーリーおばさんって、とっても良い人だなあ(しみじみ)トムに何度騙されても、ちょこっとご機嫌を取ってもらうと、またころりと騙される。疑うことを知らないらしい。かわいそうに。
それにしても、トムの紹介欄に『うそを憎み』とあるのだが、彼が作品中についている嘘の多さは……。
内容。いたずらっ子のトムは友達のハックと夜中に墓場にいき、そこで殺人事件を目撃する。係わり合いになる -
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こうやって、絶望しか残してくれない作品が好きだ。何くそ!って皆で生きることについて考えるから。千絵はサタンの言っていること全て知っていたし、頷ける。未来が見えないからというより、未来に対する想像力が欠けているために幸運と不運の区別がつかなくなっている時がよくある。
こうやって俯瞰して達観しても、痛みは消えないんだよ。見方を変えなくてはきっと永劫人や社会に絶望し嘲笑するしかないだろう。もし幻に過ぎないのなら、いいじゃない!果しない想像力をパンプス箱の中に閉まって鍵をかけて、千絵は素晴らしい幻の中で生きていきたいと思うよ。
人間は少数の者に支配されていて、多数の者に支配されることは決してないってい -
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奴隷制が残るアメリカ南部を舞台にして、暴力的な父親から逃れるハックと逃亡奴隷ジムの冒険。
大学で読まされたアメリカ文学はあるが、自主的に最初から最後まで読んだアメリカ文学としては初めて(翻訳だけど)。始めは、翻訳の変ななまりが気になったが、数章読めば全然気にならなくなった。よく1人でこんなことするよなー、というくらいハックは勇気のある子だと思ったり、ハックの二枚舌に感心したり、ある意味で素直な子だなーと思ったりして、面白かった。ジムはよく迷信を口にするが、当時の奴隷はこんな感じだったのだろうか、と思った。冒険そのものも面白いが、当時の南部の様子が描かれている部分も、歴史紀行をしている感じで -
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Adventures of Huckleberry Finn(1885年、米)。
どこまでも陽気で陰影のない「トム・ソーヤーの冒険」に比べると、こちらは結構ビターな印象。黒人奴隷の人権問題が絡んできたり、大人の犯罪や紛争に巻き込まれたり…。トムの冒険はファンタジーだが、ハックの冒険は命懸けのサバイバル。一歩間違えば、皮肉めいた重い話になってしまいかねない内容だ。
しかし、児童文学として耐え得る軽やかさは、かろうじて失われていない。その理由は、ハックの逞しさ、ジムの善良さ、人種を超えた彼等の友情、そして何より、雄大なミシシッピ川の美しい描写のためだろう。ハック達が自由を求めてミシシッピを下る過 -
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第1刷発行が1952年で、1988年の文庫の改版の際に誤りや表現も改めることができたと石井桃子さんが訳者あとがきに書いている。そもそも73年前の翻訳なのだから、現代の読者にはかなり読みにくい。そこがやはり残念だった。
トム・ソーヤーは想像していたよりも正直で、愛情深い少年だった。いたずらをして誰かをいじめたりはしない。退屈を憎み冒険を求めて、自由に街を駆けまわっているのに、歴史や英雄伝説などにも造詣が深い。読書好きとは思えないキャラクターなのだが…。
感情豊かでお調子者で、浮浪児ハックに対しては兄のように愛情深く導くけど、憧れているのは山賊になることだったりする。この後の「ハックルベリー -
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ネタバレ自然児ハックが逃亡奴隷ジムと逃避行を共にするバディもの、そして様々な人々に出会って成長していくロードノベル。
そうまとめてしまうと、いやー読んでる途中はそんな感じじゃなかったぞ、端折りすぎでしょって自分で突っ込まざるを得ない。
「ハックルベリー・フィンの冒けん」を今回初めて読んでみて、好きな箇所はミシシッピ川を筏で下るハックとジムが二人っきりのシーンに集約されている。
ハックが成り行きとはいえ、『善良なミス・ワトソンの持ち物である、ジム』の逃亡に手を貸していることに対する『良心の咎め』に苦しんだ末、「よしわかった、ならおれは地ごくに行こう」と吹っ切れるシーンは間違いなく最高だ。心が揺さぶられ