マーク・トウェインのレビュー一覧

  • トウェイン完訳コレクション ハックルベリ・フィンの冒険
    さらっと読んだだけでもとっても面白いけど、じっくり読み直すともっと面白いんだろうな。個人的には第31章、ハックが自分の中の「道徳」心と闘いながら、売り払われたジムを助け出そうと決意するくだり、「よし、それなら、オレは地獄に行こう。」… 震えた。本当に読むべき小説。
  • 人間とは何か
    人間は教育をはじめとする外因からできた機械にすぎない
    すべての行動は自己是認を求める。他者への思慮も、自己犠牲も、自分が納得するかどうかが最大の基準となる。

    晩年のトウェインがペシミスティックな面を露わにした作品、との解釈が多い。同意であるが、それ以上の解釈の可能性を見出したい。青年の台詞を書いた...続きを読む
  • ハックルベリー・フィンの冒険 上
     面白い、なんてものではない。マークトウェインすげー!であります。

     30年ぐらい前に父が読み聞かせしてくれた本の一つ。内容は忘れたけれどトム・ソーヤよりも面白かったという記憶ははっきり持っています。今回子供たちへの読み聞かせに取り寄せてみたら、分厚くて字が小さくてびっくりしました。先に再読したト...続きを読む
  • トム・ソーヤーの冒険
    彼らの目に映る世界は膨大に広がっていて、なんでもできそうな、どこにでも行けそうな、こちらまでそんな気にさせてくれる
  • ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―
    古典文学を読む!と意気込んで読んだら予想以上のユーモアに驚いた。楽しく読めて、時々考えさせられた。
    翻訳が自然で解りやすかった。
  • トウェイン完訳コレクション ハックルベリ・フィンの冒険
    自由で物怖じしないハックと心優しいジムだからこそ、冒険が恐ろしいものではなくワクワクしてサッパリとしたものになるのではないかと感じた。
    トムはどんな子なのだろうともっと知りたくなったので、トムソーヤの冒険も読んでみようと思う。
  • 人間とは何か
     個人的に何度も読み直したいと思った本。


     例えばです。
     私の身の回りにはもう亡くなった人も含め、何人か認知症を患っていました。

     そのとき、「日常生活でできなくなってしまったこと」が数多くある中でさえ、人を選んで攻撃をする姿を幾人も目にしました。

     大体、人により、(八つ当たりなど)攻撃...続きを読む
  • 不思議な少年
    晩年のトゥエインがこれを書いたのだと思うと虚しくて憂鬱になる。サタンの視点から見る人間の愚かさ、そんな着想からここまで広げられたのはトゥエインならではだ。亀井氏は「ペシミズムに陥りながらも、それを乗り越えようと苦闘した」と評するけれども、むしろこの本こそ彼のペシミズムの骨頂だったという気がしてならな...続きを読む
  • トム・ソーヤーの冒険
    「なあ、ハック。その猫いつ使う気だ?」
    「今夜さ。今夜悪魔たちがホス・ウィリアム爺さんを連れにくるだろうから」
    「でも埋葬は土曜日だったじゃないか。土曜の夜に連れていったんじゃないの?」
    「何言ってんだ!真夜中までは魔法が効かないんだぜ。で、真夜中になったらもう日曜だろ?悪魔は日曜にうろうろしたりし...続きを読む
  • トウェイン完訳コレクション ハックルベリ・フィンの冒険
    私は純粋に、冒険小説としてこの物語を楽しみました。各章ごとに続きが早く読みたくなるように物語が展開されており、ハックと同じようにハラハラドキドキしていました。しかし、冒頭で著者のマーク・トゥウェインが述べているように、この本の主題は単なるハックの大冒険ではありません。一連の物語を通して、著者はものす...続きを読む
  • トウェイン完訳コレクション ハックルベリ・フィンの冒険
    ハック・フィンとの冒険が終わってしまった。
    これが、この本を読み終わったときの最初の感情だった。

    この本は、たくさんのものが詰まっている。
    黒人奴隷、キリスト教的道徳観、詐欺、集団リンチ等々。
    そういう点は非常に興味深く映る。

    ただ、なにより主人公ハック・フィンが魅力的なのだ。
    自由を求めて、故...続きを読む
  • ハックルベリー・フィンの冒険 上
     齊藤ジョニーというミュージシャンがいる。彼のファーストアルバムの1曲目が「ハックルベリー」というタイトルで、これを聴いていたら無性に読みたくなった。歌詞の中に「世界のすべてが君の恋人だった」というフレーズが出てくる。この本を読んだ人なら、みんなハックのことが好きになる。だからこの歌詞に共感し、グッ...続きを読む
  • トウェイン完訳コレクション ハックルベリ・フィンの冒険
    ハックの精神的成長を描いた作品。

    黒人奴隷ジムの逃亡幇助をめぐる、
    人間的かつ道徳的な「健全な判断を下せる心」と
    奴隷制度を容認する南部社会が生んだ「歪んだ良心」との葛藤が素晴らしい。

    原子力発電の推進を援護する方々に、ハックが持っているような「人間として何が正しいか」という意識を持って...続きを読む
  • 人間とは何か?
    最初に出てくるので、ネタバレではないと信じてタイトルの答えを書くと、淡々と「人間は機械である」を説く内容。哲学だけど、会話調でとても読みやすい。

    自分の思考は、自分のものではなく、すべてが環境や気質に依存したもの。他人のためではなく、全ての行為は自分のため。漠然と思っていたことではあるけど、なるほ...続きを読む
  • ハックルベリー・フィンの冒険 上
    アメリカ文学を代表する、マーク・トウェインの名作。
    岩波文庫の上下二巻。
    世界中の少年たちの憧れ、『トム・ソーヤーの冒険』の続編です。
    前作の最後で財宝を見つけたうえ、富豪未亡人の養子となったハックルベリー・フィンは、しきたりだらけの文明的生活にやはり馴染めず、ろくでなしの親父の登場とたかりもあり、...続きを読む
  • ハックルベリー・フィンの冒険 下
    傍からみたら最低限の教育も受けていないガサツでしかない浮浪少年ハック。だけれど、その内には勇気と誠実さと、ありのままの自然を愛する豊かな感受性が隠されている。
    これらのことが第三者の視点からでなく、すべてハックの行動や独白から読むものに伝わるようになっている。
    これが実に見事で、まるで本当に独りの少...続きを読む
  • 人間とは何か
    ・本の内容紹介(本書表紙より引用)
     老人と青年の対話の形で書かれたマーク・トウェイン(1835‐1910)晩年の著作。人生に幻滅している老人は、青年に向かって、人間の自由意志を否定し、人間は完全に環境に支配されながら自己中心の欲望で動く機械にすぎないことを論証する。人間社会の理想と、現実に存在する...続きを読む
  • トム・ソーヤーの冒険 上
    前々から読んでみたかったのですが、訳がとっつきにくく、苦手意識?のようなものを感じていましたが、
    石井桃子さんの訳で出ていたので、読んでみたら、すごくおもしろかったです!
    海外文学は訳で本当に印象が変わってしまうんだと実感した一冊でもありました。
  • 不思議な少年
    人間に対する徹底したペシミスティックな視点



    「君たち人間の進歩ってやつは、どうもあまり感心しないね。もう一度新たに出直すことだな。」p182



    生まれ落ちたが最後なんです。
  • 人間とは何か
    おもしろかった。当時としては発刊できないほどショッキングな内容だったのだろうか。人間=機械のグルジェフの思想と重なり合う部分が多く、グルジェフがテキストとして使用したのも頷ける。同時代に同じように思考した人が存在するということだけでも驚きです。