マーク・トウェインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレマーク・トウェインといえば、『トム・ソーヤーの冒険』などの少年文学の巨匠という印象しかなかったのですが、本作のようなパンチの効いた論評本も書かれていたんですね。
対話形式で書かれた作品で、とても読みやすく面白かったです。
内容は、「人間とは機械であると主張する老人」vs「人間の良心を信じる若者」の問答集となっています。
老人が、「人間、それは単なる機械である!なぜなら・・・。」と主張していき、若者が、「いやいや、そうはいうものの人間には良心や愛が・・・。」と反問していくカタチです。
作品からの例証や実体験をいくつか挙げたりして論じていく老人に、半ば若者はたじたじです(笑)
話題が「機械」から、「気質」や「鍛錬」や「善悪」やらと流れていきますが、老人がバッタバッタと「良心」や「道徳観」や「愛」を切り倒していく様はなかなか胸がすきます。
本書は、考え方を説いたフィロソフィー本なのか、はたまた事実を暴いたドキュメンタリー本なのか。
読まれる皆さんの感想が気になります・・・!
主題とは逸れるのですが、私は、第六章「本能と思考」が白眉だと思います。
「本能」の定義、「思考」のホントの意味、「自由意志」の有無について、物質的価値と精神的価値について、「わたし」はたくさんあるということ、人間と他の動物は平等であるということなどなど。
いまもって悩ましかったりする問題や、日本に遅れて入ってきている問題などがたくさんここにはあると思います。
トウェインが亡くなる4年前に出た作品(1906年)ということもあり、老人ロールはトウェイン自身でしょうか。
それにしても、20世紀の初頭ですでにこういった世界観を持っていたトウェインに脱帽しました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むまでなぜか少年が筏で漂流する話だと思っていた。たぶん十五少年漂流記と混じってる。なんで混じっちゃったんだろ?
だから読み始めるうちはいつ漂流するんだ?と思ってたけど、中盤に差し掛かってどうやら違うらしいということに気づいた。
想像してた話とは違ったけど、赤毛のアンシリーズのような子どもが生き生きと自由に遊び回る姿を描いた海外児童文学が大好きなので、読んでよかったなあという感じ。
児童文学といっても、大人や子どもの人間性や心情について一歩引いた視点で書いているので、それが滑稽さを際立たせているところもあれば、今にも通ずる感性もあったりした。この的確な視点や本人も楽しんで書いたのだろうな、という文章が、作者が描こうとしていることへの信頼感にもつながった。
やっぱり名作は面白いなー
わたしが読んだのは旧訳版だったけど、翻訳も内容も読みやすく、全く古さを感じなかった。 -
Posted by ブクログ
柴田元幸さんによる新訳版。
ハックとジムのやり取りをはじめとする会話シーンが印象的。
持っている知識を使って自分なりに物事を理解しようとする様が、会話の中から見えてくるのが面白かったです。勘違いや言い間違いも含めて。
ハックの一人称の語りを通して、子どもたちが世界をどう捉えているのか、宗教や政治や歴史をどう捉えているのか、とても生き生きと感じられました。
特に、黒人奴隷のジムに対するハックの葛藤に引き込まれました。
ジムのことは愛しく思ってるけど、元々誰かの所有物だったため、そこから逃げ出す手助けをしてしまったという「盗みの罪悪感」を常に抱いています。しかし一方で、ジムが家族と離れ離れになったり、逃亡ニガーとして捕まってしまうことが理不尽なことだという意識もあります。
ハックの中では、ジムを捕まえることが善で、ジムを逃すことは悪。
今とは違う価値観ですが、ハックの語りを通して、彼自身の中にその価値観が埋め込まれてしまっているのがよく分かります。そして、「そういう価値観を信じ込むというのはどういうことか」を読者が体感できるようになっています。
だからこそ、その価値観に自らあらがって、「よしわかった、なら俺は地獄に行こう」と覚悟を決めるシーンが際立つのです。あそこのシーンはシビれました。
そして改めて、変な奴とされながらも常識をきちんと疑うハックと比べて、トムソーヤーはなんでも型にはめて物事を行おうとするつまんない奴だなと思いました。ハックをバカにするときも人格を否定するような言葉を使うし。子どもだからまだいいかもしれないけど、これがこのまま大人になったらかなりキツいなと。
マーク・トウェインがどのような意図をもってトムソーヤーをこういうキャラクターにしたのかが気になりました。
後半トムソーヤーが再登場してから話が無意味に停滞し、まったく展開しなくなったのもきつかった。最後のクライマックス前にめちゃくちゃ盛り下がりました。
とはいえ全体としては、語る内容にもましてその語り口に面白みがある物語として、改めて楽しむことができました。そして、ここまで書いてきた感想ひとつひとつに応えてくれるような、柴田さんの解説もとても面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画だけでなく、所々挟まれている妹尾教授の解説もよかった。
人間は意思決定に基づき、選択をしていると思いがちだが、実は身体が先で意識が後付けで動いているらしい。
また、”自由意志”という考え自体が、ある種、作られた概念という話も面白かった。曰く、洋の東西を問わず、宗教は善いことをすれば天国に/悪いことをすれば地獄に行くと教えているが、それは社会秩序を保つ上で都合が良かったから。そして、その教えが成り立つには「人々は自由意志に基づき行動しており、行動の責任は行動した人にある」という前提が必要となる。そうして、ある種自由意志という概念が作られた。ただ、科学によって宗教の教えが弱められたように、自由意志も、その信憑性を科学が切り崩しつつあるという話だった。
確かに、生まれた環境や遺伝によって人々は制約を受けており、ある状態に置かれている人の責任をその人の行動に全て帰することはできないという論調は高まっている。それが昨今の、ダイバーシティの流れにも繋がっている気がした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレたまたま本屋さんでカッコいい表紙が目に入って購入。幼い頃に読んだ記憶がある「トムソーヤの冒険」や「ハックルベリーフィンの冒険」を書いた方の本(を漫画化したもの)、というところにまんまと惹かれてしまいました。
内容をまとめると、「人間の行動は全て自己満足が由来」「何をもって満足とするか、は環境等の外的要因によって機械的に決まる」ということになるのかな…
率直に、この考え方自体には、あまり新しさを感じません。
私自身は生まれてから今まで、ずっと自己満足を満たすために生きてきた感覚があるし、周りの人間もそうでした。でもこれも、 "環境等の外的要因" になっていたのかもしれないですね。
原作は100年前に出版されてるとのことですし、当時は衝撃だった内容も、今では社会に浸透してきているのかなぁと思いながら読んでいました。
人間が機械なのであれば、各機械が止まらず動き続けられるようにするための仕組みを作ったり、パッチを配布したりするのが社会の役割だったりするのかなぁ。
何にせよ今度ちゃんと原作も読んでみようと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む年代により感想が大きく分かれると思う。
10代、20代の方がこの本を読んで感じられるのは虚無感だと思う。
まさに作品中に出てくる青年の心情が投写される気がする。
ただ、年齢を重ねた方が読めば作品に書かれていることは一種の免罪符になり得る。
人は形成するものは産まれ持った気質と教育であり自由意志など持たないと言う事実を延々と突きつける形で進んでいく。
ただ、その事実に対する著者の成否や判断は作品中一切行われず読者に委ねられる。唯一、著者の心情を表してそうなのは最後の一文のみである。
事実を提示するのみで、論理展開が行われないため単調な進行となり、読む人によってはつまらないと言った感想抱くと思う。
人は自由意志を持たない、これをどう捉えるかによって作品の感想が大きく変わる。
若い方は否定的になるであろうし、ある程度経験の積んだ方なら、なるべくしてなった心配するなと言う思いを感じるのではなかろうか。
千差万別あると思いますが、ある一つの価値観に触れる機会を与えてくれる名著だと思います。 -
Posted by ブクログ
やんちゃで想像力も行動力も豊かな少年たちによる、退屈な日常を面白く過ごしていくお話。登場人物同士の会話(時にくだらないが、それも少年ぽくて良い)、会話の中で揺れる心の描写のコンビネーションが自然に混ざり合い、すんなり入っていくことができたお話でした。
さてどんな冒険かというと、勿論巨悪を倒すとかではなく、日常を少し離れたとこに見つけた背伸び体験です。っと片付けるには無理があるほど危ないことをやってますね。3度くらい命が危なかったような?これが若さゆえの無謀か、、、こんなことして大丈夫か?そして懲りないんだな!
それと19世紀アメリカの日常生活が描かれているのも興味深いですね。当時から教会に通ってて、黒人がいて、罰はムチで食らうと。ムチ怖い、、、