吉本ばななのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
美しさの中に怖さも
吉本ばななさんの著書は初めて読みましたが、全体を通して非常に繊細だなという印象です。
登場人物の心情や家の散らかり方、山奥の風景まで事細かに描かれており、世界観に入り込みやすかったです。
序盤のお風呂のアヒルのシーンではかなり不気味な怖さを感じました。
ホラー小説かなと思わせるほど笑
他の著作も読みたくなりました。 -
Posted by ブクログ
読んでいてとても心が落ち着いた。自分の心、ウニヒピリの存在を思い出させてくれた本。
印象に残った言葉。
まずは自分の望みを実現させた方がいい。つまり、日々大切に生きていて、いつの間にかたどり着いたところが自分の行くところであって、いつの間にかいるところ以外のところは、ほんとうに自分の行くところじゃないのかなと思うんです。
自分を周りと比べてしまったり、憧れたり、こうある形が自分にとって最高の幸せなんだと強く思ってしまう、それは一つは洗脳されているということ、もう一つは自分の置かれた場所がどうも気に入らず、受け入れられないけど、自分で変えていく気もないということ。
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Posted by ブクログ
この本を朝に読んだからだろう。お昼から台所とお風呂を丹念に掃除してぴかぴかにした。昼過ぎにすこし悲しいことがあって、一時間ほど悲しみに暮れたけれど、それからお風呂に湯をためた。湯船にはいるとからだが内側からぽかぽかになる。お風呂をでて扇風機の風に当たる。なんて涼しいのだろう!暑いと熱いとぽかぽかはやっぱりみんなちがう。そんなことをかんがえる。朝から点けていた高校野球の中継はもう四試合目。きょうの試合はどの試合も一点差か二点差の接戦だと解説者が話している。吉本ばななの小説を読むといつもちゃんと大切なところにもどってこれる。ほんとうにいい作家。
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Posted by ブクログ
ネタバレエジプトのスピリチュアルな雰囲気がよく伝わってきた。人は急に命に終わりが来ることがあって、周りもそれを受け入れて、無理矢理にでも自分でも受け入れていくのも人生なんだなとおもった。
「きっと本当に1人きりで行動するように人間はできていないんだと思う。1人で居続けると最初は心が静かになるけど、やがて心が彷徨うようになるの。目の前のことに集中するのがむずかしくなってくる。そして幻覚とか見るようになる。自分で居られなくなる。それは自分が思ってるよりも簡単なことだと思う。」
「目に入ってくるものがたくさんありすぎて、それがみんな大きすぎて先のこととかを考えているいとまがない。」
なにかをじっと考えてその魂にいきつくまで理解したいと思った。
最後にエジプトの写真がたくさん貼ってあっておもしろい。自分もいつか絶対行ってみたいと思っていた国だったから余計に面白かった。
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Posted by ブクログ
よしものばななの短編集。個人的には最後から2番目の短編が好きだった。本書を読んで1番に考えさせられたのは恋愛やSEXについての価値観。よしもとはこのように二者を並列に語っていることからも2つを独立して存在する概念として捉えている。恋愛の中にSEXが包含されるのではなく恋愛と肉体関係を別物として割り切っているのだ。平たく言えば性愛に関して開放的で不倫や一晩の情事などの行為を恋愛に縛られることはない自由なことだと謳っている。これは価値観の相違であり是非が問題ではないので1つの考え方としてインプットしておこうと思う。また気づいたこととして挙げられるのは今まで読んできたよしもとばななの小説には必ずと言っていいほどおばあちゃんが出てくるということ、そしてほとんどの主人公はそのおばあちゃんが大好きだということだ。作者がおばあちゃん子である証であろう。最初の短編も例に漏れずおばあちゃんとアロエについてのお話だった。作家の性格や趣味嗜好は作品に現れるとは言うがここまで顕著なのは珍しい。タイトルは「体は全部知っている」だがそれぞれの短編に共通することは体と心というより大切なものと記憶という関係性にある気がした。1作目はおばあちゃんとアロエ、2作目はボートとお母さん、3作目は彼氏とサーファー。大切なものを介して記憶を掘り起こし新しい始まりを告げる。このような共通性があるように感じた。どの短編も劇的な展開があるわけではないが淡々とした日常が彩豊かに描かれている。その時の気分に左右されずゆったりと読める短編集だと感じた。 -
Posted by ブクログ
詩集のような美しい言葉が詰まった小説。
序盤の方で、君は説明が多すぎる、といわれた主人公は「どこまでも、どこまでも説明をしたら私の血管を流れる血のことさえわかってもらえるかもしれないという甘えは、歳よりも老けた私が淋しい私の肉体から全宇宙に発信していた唯一の子供の心だった」と考える。
序盤のこの「説明が多すぎる」という投げかけは、作者の意気込み、この小説の挑戦にも感じた。
わかってほしくて言葉で説明しようとするとき、その言葉に載せきれないものこそ、ほんとうに伝えたいものだったりする。言葉の器でそれを映し出したい時は、どうやったらよいだろうと読後もしばらく考えている