糸井のぞのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
不憫をテーマにしたアンソロジー。健気で一途なのに報われない恋はBLにとって永遠のテーマな気がします。
まず志村貴子さん。実は初読みでもちろんBLも初めて。ふわっとした絵柄で悲劇をユーモアを交えてやんわり包むような展開。やっぱり既存のBLとは一線を画すような作風で血の繋がらない二人の兄弟の関係が凄くリアル。不憫な話でビターエンド、モノローグも切ないのに絶望感は無い…いつか報われるのではないかと一筋の光さえ感じました…甘い描写は全く無いのに不思議です。
そしてやっぱり雲はるさんの猫っ毛スピンオフは反則ですよ。ここでハルくん×北原さんを持って来るとは!これは不憫というオブラートに包まれたラブでしかあ -
-
Posted by ブクログ
豪華ラインナップでした。
鈴木ツタ、志村貴子、雲田はるこ、御景椿、河井英槻、懐 十歩、糸井のぞ、桜日梯子、雨季野、きよみず光、津田ユキ各センセが描く「不憫」です。
不憫とは一体どんなテーマかと気になりました。バッドエンドとか死にネタとか、そういうことじゃないんですね。多分、読み終わって「それでいいのか!?」と激しく突っ込みつつ、残念、哀れ、不憫とため息をついてしまう…そういう話だと感じさせられました。
どんよりして泣くよりは、むしろ主人公たちの不遇をドライに割り切って受け止めることができるのが、「不憫」かも。
大した障害もなくラブラブでHやりまくりなBLドリームも好きだけど、すれ違ってばかり -
Posted by ブクログ
ハルって名前の子は底がしれないね(直近で思い出すのは、Free!の遥、つり球のハル、それから…)…不憫BLのくもはるさん作品が猫っ毛スピンアウトに当たるとは!!知らずに読んで迸りが止まらんかった!!
志村さんの不憫BL、いいなー。設定的には絶望的なのに(いや、現実に照らし合わせるとそうなのかもしれんが)くすっと笑っちゃったし、こう言うユーモアいいよなー、不憫なのは間違いないけど希望がある。不憫と決めるのは自分か他者か読者か、同性愛が不毛であるとは限らないのだ。
不憫になってしまうのは、自分を可哀想と思った瞬間かもしれんね。不憫やのー、ってのはあくまで人が勝手に決めるもんかもしれん。泣ける、と、 -
Posted by ブクログ
ネタバレどれも個人的にははずれないと思いました。好きだった。
ただ、「不憫」の枠で見ると、当てはまる作品少なかったような…。人それぞれ思うところは違うと思うので断言はしませんが、私は「不憫!不憫!」と思って読み始めたので、ちょっと肩すかしくらった感はあったかなあと…。「不憫の意味とは…」とか考えはじめてしまったw
志村さんのBLは初めて読みましたが、個人的にはこの作品が一番「不憫BL」でした。好き好きだけじゃどうにもならないんだろうなって、この先も何もない(弟が同情してくれて何かあるかもだけど同情なだけとか)と思えるのが一番いいなって。なんか勝手に妄想膨らみました。
河井さんのはある意味「主人公不 -
Posted by ブクログ
小説を先に読んでからコミックスのこちらに。
原作のテーマがきちんと伝わってきて、良いコミカライズだなと思いました。小説は村上サイドがあって二人の学生時代とともにその後にも焦点が当てられていますが、こちらはその後は小説で…というスタンスですね。「泣けるBL」に掲載されていた部分のみが描かれています。
木原センセの番外ショートがあって、これは村上視点でその後につながるかんじ。
未読だったら、やっぱりコミックから読んだ方がいいかも。村上の人間失格ぶりがすごく出ていて、そのすさみ具合にうわ~っと思ってしまった。マンガでも、まるまる木原音瀬ワールドでした。
兄友のオリジナル特典ペーパーが面白くて、気 -
Posted by ブクログ
本当に木原さんはダメな男を書くのがとても上手い。大学時代は友達が多くて可愛い彼女が居て順風満帆だった村上が社会人になってギャンブルにハマって借金してホームレスになるくらい落ちぶれてしまう。偶然の再開から宇野は村上を拾うのですが宇野の記憶にある村上とは大分かけ離れている。生ごみのような悪臭を放ち、金を盗み、家を散らかす。それでも宇野は村上を手放すことが出来なくて…大学時代の記憶と現在のストーリーが織り混ざっていて宇野の切ないくらいの感情が伝わって来て胸が締め付けられました。
小説版もあるのですがこちらの方が細やかな描写でストーリーが見れるのでより切ないです。 -
-
-
Posted by ブクログ
短いお話が3つと表題作3話+描き下ろし
短編が急展開であるのはもちろんで、起承転結スパーンと潔い終わり方か、起承転・結はご想像にお任せしますよ〜な余韻の残る終わり方か、この作品の短編は後者の方だと思うんだけどけっこう尻切れとんぼなかんじ
や、短編ならわたしも後者がすきなんだけど、もうちょい、もう少しだけ、つづきがよみたかった……!
でもでも、表題作がとてもよかったので間をとって星四つ
描き下ろしもかわいらしかった!
絵と言葉との全体の雰囲気にじわじわ〜っとくるものがあるので、これからこの作家さんの作品をよむとしたら長編をじっくりとよみたいなあ -
Posted by ブクログ
猫っ毛目的で買い続けてしまうだろうなぁ、Citron。みいくんは恵ちゃんに恋して自分の性癖を自覚しているけど、リアルな性行為に於いては母親の言動などに擦り込みを受けている印象が強い。それはまだ彼が少年で、ぐらぐらに揺れ動いているからだろうな。性癖を否定したり拒否したりして悩むと言うより、母親の血を受け継いでいる、と言う面に向かう嫌悪感などは垣間見えるが、みいくんが色っぽいのは遺伝ではなくて、彼の個性だろうなぁ。フェロモンが出ちゃう男の子なんだよな(笑)。そして恵ちゃんは天然無自覚魔性だし。よくちゃんとカプになれたよ~(笑)。それにしてもバリタチのみいくんも、最初は年上のおじさん相手に後ろ開発さ
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
10月27日㊗︎木原音瀬誕生日記念
拾う系BL 2013年作品『期限切れの初恋』
さて、BL系師匠みんみんにお知らせいただき、定価よりお安くBOOKOFF注文、無事入手する事ができました。
帯付き、シミなし、完全美品。
きっとワンオーナーのクローゼットに大切にしまわれていた一冊。
それでも、有川浩『植物図鑑』(2009年)の拾う系元祖の地位は揺るがず。
けれど、木原さんの手にかかると「拾う」から始まる出会いが、優しさと痛みの間を行き来する。
初恋に「期限」はあるのかしら
木原さんの中では(ご本人もあとがきで触れていますが)“普通の人の話”。
ただしその「普通」は、恋をしたことのある人なら