諸星大二郎のレビュー一覧
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ネタバレ樹木崇拝をモチーフにした伝奇というのは、個人的には目新しい。
1990年代後半頃か、菊理姫があちこちで創作に登場していたことを思い出す。
『天孫降臨』
この作品に、本シリーズにおいてかつてないサイキックバトル、超伝奇バトルが描かれている。なにか思うところがあったのだろうか。
コマにさりげないアクション描写が配されているのは、宮崎駿の漫画を思い出させる。今の漫画作法なら、そのアクションのためにコマを割くだろう。漫画がやたらと細部に拘るようになったのはいつからだろう。細部へのこだわりはかつては喜びだったが、今は過剰だと感じることが多くなってしまった。
『天神さま』
目をかっぴらいて無表情で飛行 -
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アリスとシェエラザードコンビの第三弾〜騙し絵の館〜。諸星大二郎劇場でいうと第六集です。
メイドのスージーという少女が加わりトリオになるのかな、と思われますが、彼女は彼女自体が思春期特有の怪奇現象と付き合っている状態なので、それぞれ別の挿話として外伝みたいな形になるのでしょう。
「顔を温まれた女」の執念の怖さ。シンプルにビジュアルの怖さもあるお話で、一番の恐怖を感じました。美しさに執着した結果の復讐劇だけど、被害者も加害者も感情の強さが印象深い。
一つ一つは怪異であるけども、蓋を開けてみればお笑い種の「幽霊たちの秘密」。風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな勢いの展開が妙に笑いを誘います。
希少品を -
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待ってましたのアリスとシェエラザードコンビ。彼女たちの周辺で起こる怪異譚の帰還です。嬉しい楽しみ。
今回登場したユディット。今後もライバルとして何度となく二人の前に立ちはだかりそうです。立ちはだかる、という感じではないか。毎度毎度邪魔してくるコンビなので、ユディット側から見て、アリスとシェエラザードが立ちはだかる、という子オチになるのでしょうね。奇妙な縁でそうなってしまっているので、いい迷惑だわ、というところが二人の意見でしょう。
「四辻の悪魔」のギミックが好きです。悪魔召喚が描かれたページが紛失、探索してちょうだい、のクエスト。ページから離れた文字列は拡大縮小思いのまま、というフレキシブ -
購入済み
あの
あの有名な孫悟空の舞台を、キャラクターを人間として描いているのでリアリティがあります
時代背景も創作ではなく、当時のイメージふんだんに描かれた作品です -
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ネタバレ(オリオンラジオの夜)
■第1話 サウンド・オブ・サイレンス ※サイモンとガーファンクル
■第2話 ホテル・カリフォルニア ※イーグルス
■第3話 悲しき天使 ※メリー・ホプキン
■第4話 西暦2525年 ※ゼーガーとエバンズ
■第5話 赤い橋 ※浅川マキ
■第6話 朝日のあたる家 ※ボブ・ディラン、アニマルズ
(春男くんシリーズ)
■原子怪獣とぼく ※原子怪獣と裸女
■ドロシーの靴 または虹の彼方のぼく ※ドラキュラとせむし男、オズの魔法使
◇解題
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……ちょっと不覚にも涙腺が緩んでしまった。
要はラジオを通じた死者と生者の思いの交流ということなのだが、「解題」でも言及されている通り、 -
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「死」を学際的に検討する過程で、よりよい「生」とは何かについて考えされさせられた。死とは生物学的な個体の絶命という意味を超えた観念であると感じた。死者を弔うのは他者であるが、その死者の存命中はもちろん、死後に至っても相互作用の中で誰かの自己と社会が形成されていく。そのような「分人」的観点で捉えると、「死」は自己完結するものではない。また、「弔う」ことの本質は儀式という表層的なものではなく、生成変化を伴う生者と死者の社会的な共生だと思った。
一方で、テクノロジーによって新たに生じる死者の権利、死後労働の観点は非常に悩ましい。生命はその有限性によってこそ輝くが、死後も残り続ける SNS 上の情報や