あらすじ
【ページ数が多いビッグボリューム版!】ぬばたまの闇の底どよもす呻き声。冥き世界にうごめく異形の者ども…。異端の考古学者・稗田礼二郎が暴きだす、触れてはならぬ…暗黒の日本史!! その圧倒的スケールで、漫画界を震撼させた空前絶後の傑作「妖怪ハンター」第一弾!! 幻のミッシング・ピース「死人帰り」も掲載!! 暗黒の邪神、深き底より…まいる。
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はい
画力に関しては、もう究極といって良いのではないでしょうか。ホラー漫画の理想形の形ですね。ホラー漫画に疎い自分でもチラホラ名前を聞く先生なので、有名作家さんなんでしょう。25・11・03記
Posted by ブクログ
食わず嫌いをして、ずいぶんと損をしてしまった。様々なものに影響を与えていることは疑いない。
欠けたるピースを幾つも見出した心地。
1970年代にはすでに町おこし的なムーブメントはあった模様。
黒田硫黄の心の師かもしれない。
『赤い唇』
ペルソォナ。
『生命の木』
使徒が倒されたときの十字架はこれが由来か?
Posted by ブクログ
これがジャンプで連載されてたのなんだか信じられない。一つ一つの物語に繋がりは決してない。
顔も目もない、まるで粘土で創られたような、異型の生物。古文書にそくしてるからこその、溢れ出る不気味さを感じる。
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異端の考古学者、稗田礼二郎が謎を解く、禁忌の日本史。「黒い探求者」「赤い唇」「生命の木」「海竜祭の夜」「ヒトニグサ」「闇の客人」「蟻地獄」「闇の中の仮面の顔」「死人帰り」
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諸星大二郎の代表作『妖怪ハンター』ではないよね、というのは差し引いても傑作。
日本の歴史風土とクトゥルフ神話(クトゥルフ的な訳の分からない超越的な存在のホラー)を結びつける試みは、小説などでも試みられてきたけれど、この作品がエポックメイキングになって、方法論が確立したのだと思う。絵の上手いとも言えないけれども、語り口の匠さと不安定な雰囲気で物語に没入できる。
「ぱらいそさいくだ」はネタになってしまったけれども、こういう訳の分からないものを内包できる広さが日本にはあるよ、ということが分かる作品。
Posted by ブクログ
何度目かの読み直しにつき記事編集。
妖怪ハンターこと、考古学者・稗田礼二郎シリーズを纏めた文庫
――といっても、まだ完結したわけではなさそうだけど。
単行本『海竜祭の夜』と『天孫降臨』を、
引っ越しの際、誤って処分してしまい、後から購入した全3巻のパート1。
ちなみに、読むべき順序は《地の巻》→《天の巻》→《水の巻》。
で、この《地の巻》ですが。
『海竜祭の夜』の一部を削って「蟻地獄」という新しめのエピソードと、
凄く古い「死人(しびと)帰り」及び、これに対応する「プロローグ」を掲載して
地(地中,地底)のイメージで纏めた一冊。
執筆時期に隔たりがあるので絵柄がバラついているのがご愛嬌。
人類とは違う進化を遂げ、地中に潜んだ異形のものどもが、
時折、封印を解かれて姿を現す……というラヴクラフト的世界観を
考古学・民俗学と結びつけた、
学者がフィールドワークの途上で様々な怪異に出会すという筋立てのマンガ。
この作者・シリーズにハマるきっかけになったのは、
今となっては結構しょーもない出来事だったのだけど、
何度読んでも面白さが色褪せないし、
どんな経緯を経ても
絶対いつかどこかで手に取ることになっていたはずの作品だと確信している。
そのくらい、自分が「物語」に求める要素がギッシリ詰まっている。
Posted by ブクログ
だいすきすぎる1冊。
諸星大二郎の作品には、不思議な魅力があります。
それは水木しげる、手塚治とはまた違った魅力。
民俗学、歴史学の影の部分。
穴があったら覗いてみたくなる。
きっとそれが、諸星大二郎の才能なんだろうな。
Posted by ブクログ
「生命の木」と「闇の客人」がスバラシイ
いやぁ、どうやってこんな話を思いつくのか…
諸星大二郎は天才だと思う。
古本屋で百円で手に入れたのが申し訳ない…
Posted by ブクログ
民俗学・宗教学・考古学を混ぜた恐怖マンガ。一部1980~90年代の作品を含むが、確かにちょっと懐かしい1970年代の香がする。
しかし文庫版はちょっと年寄りには読みにくい。続編を買うとすれば電子書籍版か。
Posted by ブクログ
<目次>
妖怪ハンタープロローグ
黒い探究者
赤い唇
生命の木
海竜祭の夜
ヒトニグサ
闇の客人
蟻地獄
闇の中の仮面の顔
死人帰り
<内容>
諸星大二郎展を見て、また読みたくなった。たぶん最初に読んだのは大学生の頃か?「ヒトニグサ」の話から装飾古墳へ興味を持ち、歴史好きとなり、教員になってしまった(むろん、他にも梅原猛とか影響力のあった作品は多々あるが…)。
Posted by ブクログ
目に見えないものって、たくさんありますね。
神とか仏とか、天国と地獄とか、悪魔とか妖怪とか、死後の世界とか常世とかニライカナイとか…。
旧約聖書も古事記もうそか本当か分かりやしません。
だけれども、それらは人間の想像力の産物です。
想像したものだからウソ、とは言い切れないものです。
たとえば夢と現実。
夢は夢だけど、悪夢で出た冷や汗は本物です。
たとえば物語と現実。
漫画や小説や映画はフィクションかもしれないけれど、そんなフィクションで人生を変えられてしまうこともあります。
たとえば死後の世界。
死んだ人でなければ分からない死後の世界はある意味フィクションですが、そんなフィクションを恐れて、人々は祭りをし、葬儀をし、墓を建てます。
だから、目に見えないものの実在は証明できないのですが、目に見えなものの存在によってこの世は回っています。
それは「虚実混交」というよりは「虚実まとめて実」と言える状態で、まさにそれを漫画というフィクションで描き切る諸星大二郎という人の手腕が、すごい!
絵は異様に上手いし、その上手さが異様さを増している。
題材も、古事記の水蛭子、隠れキリシタン、平家伝説、もがりと、憎たらしいまでに憎い。
どこまでが史実でどこまでが作者の想像力かと考えてしまうがそれらまとめて史実なのである。
前近代の人たちが実践してきた宗教的な営みと同じ構造を漫画の中で営んでいるという、荒唐無稽な漫画かもしれないがとっても高等無形の漫画です。
「生命の木」なんて、やばいですね。
日本の山村の閉塞感。常民の「はなれ」への蔑視、異端視。そして、一神教であるキリスト教の殉教への崇拝、弾圧や迫害からの信仰への傾斜。
このあたりにの描きっぷりがたった31ページのド迫力。
Posted by ブクログ
妖怪ハンターシリーズの中でも代表作が収録されている。なかでも「生命の木」は議論の余地なく傑作中の傑作。これだけの内容をわずか数十ページで描き切るっつうのは破格。何度読んでもほんとに感心する。あんとくさまやヒルコも収録されて、かなりお得な一冊。
Posted by ブクログ
職場の先輩に借り受けて長い間触手の伸びぬ一品だったのですが。
この作品はタイトルで損している。大損している。
「妖怪ハンター」とか、そんなチンケで胡散臭いタイトルに到底似合わぬ作品としてのおもしろさと考察の深さがあります。
作者はこの世には人間の見知ったる動植物の他に、混沌からそれらの生命が生まれた時同じくして全く別の生き物が生まれ、それが「妖怪」と言われる我々にとっての「怪異を起こすモノ」であると考えておられる様子。日本神話ではイザナミが最初に失敗作として産み落とし水に流してしまうヒルコがそうだったのではないかとしています。そういう仮説を披露する場がこの作品だったのでは?民俗学好きにはたまらん一冊です。
しかし画もストーリーも論旨も衝撃的。理屈が確りとし過ぎていて、本当にあったとしても不思議でないと思えてくるのがまた恐いところ(実際どこまでが資料でどこまでが創作か判断できんのですが…)。
個人的には隠れキリシタンの話がとてもおもしろかったです。いっしょにぱらいそさいくだ!
Posted by ブクログ
1970年代から90年代にかけて書かれた異端の民俗学/考古学者の稗田礼二郎が怪奇な事件を追うシリーズ。この作者ほど誰とも似ていない独自の漫画を描く人はいない。神話·伝承·童謡…。その裏側にある怪異な真相が本気の怖さ。
「妖怪ハンター(地/水/天の巻)」(2005)諸星大二郎
#読書好きな人と繋がりたい
Posted by ブクログ
■妖怪ハンター プロローグ
■黒い探究者……古墳は異世界への扉。蛭子。
■赤い唇……唇が乗り移り鬼女になる。
■生命の木……★東北隠れキリシタン。生命の実を食べた「じゅすへる」は「エヴァ」の使徒だ。「じゅすへる」すなわちルシファーの子孫のためのキリストが必要なのだ。
■海竜祭の夜……安徳天皇。
■ヒトニグサ……人に似た草。
■闇の客人……★祭りで呼ばれたのは鬼だった。
■蟻地獄……★無数の「良い穴」と「悪い穴」。
■闇の中の仮面の顔……タイムスリップ→呪い。
■死人帰り……★反魂→アメノミナカヌシやエホバのような原始生命が!
古事記にも旧約聖書にも、非正統な人類以前の生き物……ヒルコ、リリス……が。
これは短編集ほぼすべてにあてはまる着想。
ラヴクラフトと民俗学の結婚ともいえる。
エヴァへの影響大。
強烈な見開きがほぼ毎話。