阿部共実のレビュー一覧
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誰かの「一番」になれない不安はいつまでも付き纏う。ちーちゃんとナツは同じ団地に住む幼馴染、優等生の旭とは中学からの連れ友。ちーちゃんのぶっ飛びキャラは読めば解るとして、ちーとずっと一緒のいるナツは、ちょっと足りないお騒がせ問題児なちーちゃんの事を心のどこかで蔑んでみている。旭は独立独歩で自分をしっかり持っていて、どんな相手にも自己主張が出来る。ちーちゃんは独特のキャラで、クラスのどんな相手にも「ちーちゃん」と言う存在として認められており、あちこちに窓口を持っている。ナツだけが、ちーちゃんを通してしか外界と繋がれない。それに気付いてしまって、学校に行きたくなくなったり、旭とは別世界の住人なんだと世を拗ねてみたり、消えてしまいたくなったりする。他者を通して否応なく突きつけられる自分と言うちっぽけな存在。表題は「ちーちゃん」なんだが、この作品の本質は大した特徴もない自分に気付いてしまうナツの物語。
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Posted by ブクログ
奇才、阿部共実さん。
氏の作品の特徴の1つである、独特な語彙を含めた会話の面白さに特化した作品。
そしてちょっとした青春。
全体を通して底抜けに明るいので
しばしば暗い話や鬱話が入る空が灰色だからよりも
精神的に安心して読めるのが素晴らしいね。
ギドラのモノローグで物語が始まるので、主人公は彼女と思いきや
話が進むにつれてカレルナに主人公の座を奪われ
キャラ付のためにメンヘラ化しそうになるも
詩や小説を作ったり表現を追求して
都市伝説を調べたり地元心霊スポットに行きつつ
ゲームでサラブレッドを無責任に育成する事を目的とした
オカルト文芸部、通称ブラックギャラクシーの部員達に更生さ
・・・あ、そうそう。部員の1人であるザッキンこと、座間欽一。
彼の思考回路や性格はぼくとほぼ一緒、な気がする。 -
Posted by ブクログ
10代女子を中心に人々のうまくいかない日常を描く。とは単行本背表紙より抜粋。
連作は存在せず、全て1話完結形式のオムニバス。
描く感情は喜怒哀楽のメーターが振り切れまくった状態でどの方向にも全力。
そして言葉の選び方・文章の組み立て方が非常に独特で台詞の全てが名言だし
変な間の取り方が無いので、テンポよくすらすら読める。
似たような作品が思い浮かばない。新境地ですわ。
常に全力なので楽しい話は天まで突き抜けるが如く面白い。
第15話ネガティブスリーパー」を始め、
第38話と第50話に出てくる美緒、璃瑚奈、翔の三馬鹿の話なんて大好きだ。
読むと、日々の生活で溜まったストレスが吹っ飛んでいくのがわかる。
しかしその反面暗い話・酷い話はこの世の負を全て凝縮した膿の如く
心にいつまでも粘りつくかのような重苦しさを味わえます。
第24話「世界の中心」や第36話「ただ、ひとりでも仲間がほしい」や、最終話「歩み」なんて
二度と読めない・読みたくないレベルで酷い、辛い、怖い。
メカクレが好きだからついつい5巻をチョイスしちゃったけど
目力・・・というか何というか、引き込まれるような目を描かれる人なので
目に注目ですよ。次点で注目すべきは各話登場人物の苗字。
オムニバス作品では登場人物の名前が明らかになる事はあるけど
苗字が明らかになる事はそんなにない。
1話完結の都合上、苗字を設定する必要性がほとんど無いからね。
けどこの作品は全ての話で登場人物の苗字が判明する。
そこに作者のこだわりとセンスを感じるし、そこに凄く惹かれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ネタバレあり】
女子中学生のゆるふわ日常漫画かと思いきや、とんでもない闇深漫画だった。
2015年このマンガがすごいオンナ編の1位ということですが、たしかにすごい。好きか嫌いかはさておき。私は嫌いじゃなかったです。ナツの抱える鬱屈や劣等感、周りに置いていかれているという焦燥感から、自分と同じ「足りてない」ちーちゃんに依存していく……私たちずっと友達だよね、って。自分も中二時分にだいぶ身に覚えのある感情だったから、ゴリゴリ神経抉られた。誰しもこういう感情は多かれ少なかれ持ってるんじゃないかなぁと思う。大人になった今でもきっと。
ナツの犯した罪に罰や許しは与えられず、罪悪感を抱えたままちーちゃんにさらに依存していくことで救いを求めるという、なんとも闇深エンドだ…。未来が狭いと嘆く中学二年生の少女が、このままずるずると闇に落ちて行かず、その感情をうまく飼いならせるようになればいいんだけどな。
はじめて読んだ漫画家さんだけど、繊細な背景の描写や丸っこくて可愛らしいキャラが突然ぐにゃっと歪んで荒々しいタッチにかわる、その狂気じみたギャップが、結局好きです。 -
ネタバレ 購入済み
ナツに共感
ナツの黒い感情には共感するところが多々ある。
「私は他の人よりも不幸だから」という言い訳をして自分を正当化するところ。
自分から変わるのが怖くて、一歩を踏み出すことが出来なくて、友人が変わってしまうことを恐れるところ。
自分より上の人間にへりくだり卑屈で陰鬱になるところ。
卑屈に生きていくのはもう嫌だ。けど、それと同じくらい、一歩を踏み出すのが怖い。