あらすじ
君はひとりじゃない。
中学1年生、2学期。
月野という友達ができ、月野の家庭の事情を知り、どんどん月野との距離が縮まっていく水谷。
しかし、月野に何かお返しをしたいという水谷のけなげな思いが、ちょっとしたすれ違いを生んでしまい…
第1集が「このマンガがすごい!」オトコ編(宝島社)第4位に選ばれた本作、満を持しての第2集、完結巻。
朝井リョウさんほか、著名人の方々が推薦!
大人と子供の狭間を、懸命に生きる中学生の物語!
中学生だったあの頃が蘇る、煌めくような感動があります!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
うまく表現できない気持ちを季節の五感を通して感じる
それぞれの四季を描写する言葉が代わりに伝えてくれる
季節は巡るけどこの感覚は一度だけで
それを言葉に残せたら
町の情景が美しい
阿部共実作品の町の景色が好きで、その中でも町の情景が一番印象に残っている作品。
「青春」とか「愛」とか、簡単には言語化できないような感動がある。
Posted by ブクログ
言語化できるってなんて素晴らしいのだろうと感動した。漫画喫茶で2巻とも読んで、しばらくして本屋さんに買いに行った。
自分にとってとても大切な漫画になった。
Posted by ブクログ
この人の作品は本当に引き込まれる。天才がまた最高の作品を置いていった。綺麗な物語。
(ネタバレあり)
火木が月野にまとわりつくのに無意識に嫉妬する水谷可愛い。
水谷が月野に惹かれるも月野は応じない展開も予想されたが、最後は両想いとなり一安心。
火木が月野と水谷の二人の友達に。月野と水谷がすれ違うのを火木が加わることで、月火水木と連なる。これは偶然でなく意図したやろ!素敵!
いつものグループで仲良い女子は土森で、男子は日向。こいつらは集まる運命だったんだなあ。
ちなみに金曜日は金石先輩。出番が少ないが、水谷の悩みを「恋の悩み」と言い当てる。
火木は荒っぽいけど、根は素直でお兄さん大好きで、きちんと月野に謝るし、仲直りした水谷にも甘えるし良い子だわ。
大好きなお兄さんをけなした水谷は頂けない。
しかしきちんと悪い点は謝った上で言いたいことをズバリ言う水谷も芯が通ってる。
どっちも好きです!!
月野のことを想って取った水谷の行動が月野を傷付けてしまう。
「月曜日の約束はもうやめようか。」
と言われた水谷の泣きそうな何で?って表情が絶妙。
「友達にならせてしまってごめんね」
なんて言うなよ月野。おれも泣きそうになったよ。
月野と話せなくなってからの水谷の輝きが失われた感じ、まさに失恋って感じ。
水谷の趣味嗜好の変化も、淡い恋心もまさに大人に至る過程ですよね。
水谷の名台詞
「人が自ずと特別になるんじゃない。人の心が人を特別にするんだ。」「お前はとっくに、私の中でくるおしいくらい特別になってしまっているんだよ!」
こんなこと言われたら惚れてまうやろ。
月野は月野でプロポーズの言葉が詩的で良いね。
この作者、登場人物のセリフの語感に気を配ってる感じがしますね。
あえて最後皆がどうなったかを書かないところが憎い。
この物語はあくまで青春、大人になるための過程を描くものだから、結果は必要ないということなのだろうか。
地味に朝井リョウさんの「この本の中に閉じ込められている全てのこと。思い出せなくなる前に、描いてもらえてよかった。」という帯感想が好きです。
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帯を糸井重里、朝井リョウ、秋田ひろむが書いていて、はいはい「泣いた」と書いておけばいいのよねーなんて斜に構えた感想を持ってしまった。
が、実際読んでみると、確かにこの感想を言葉にするのは難しい。
し、実際に泣いてしまう。
ああこれは「櫻の園」と同じく一生涯の漫画になりそうだ。
Posted by ブクログ
連載で読んでいて、改めてまとめて読んだ。連載のときは最後、二人の考えが同調しすぎな感じがしたのだが、通して読むとそれは同調ではなく共感であることがよく分かった。月野がいろいろ背負っている感じが『ギルバート・グレイプ』のジョニー・デップに重なった。地に足をつけて現実に立ち向かおうとしていることに悲しみを感じながらも、希望を捨てずにいようとしているところが、中学生なのに~と切なくなった。超常現象の扱いと表現が素晴らしかった。大傑作だ。
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火木香、彼女も月野が気になってちょっかいかけてくるのだろうと思ってた。荒っぽく振舞ってはいたけど寂しい子だった。火木と関わったことから、月野と水谷はすれ違う。それでも月曜日は来る。空白な月曜日。
「この三人で下校する日がくるなんて入学時には想像できなかっただろうな」
また月曜日の夜。
水谷と月野。そして火木。奇跡ってあるのか。
月曜日、なにか特別なことがあれば、好きになると思うけどな。
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ソラニンを初めて読んだ時のような気持ち。
終わってしまったのがとても寂しいような、
心の中にじんわりじんわり残るもの。
そういった漫画と言うには言い切れない物語。
Posted by ブクログ
なんつうかキラキラしてる。
三角関係かと思ったら依存漫画だった。
でも、誰でも多少ある事だと思うんだ。そして若い時ほど実はそうかもしれない。
Posted by ブクログ
阿部共実は『ちーちゃん』で実力の高さは知っていて、でもそれ故に回復不能な傷を負うことが怖くなってそれ以降遠ざけていたんだけど、今作はamazarashiのMVを見て、どうも『ちーちゃん』のような思い読後感にはならないかな、と思いこわごわ手に取った。
不思議なことに、というのか、『ちーちゃん』の再来は望んでいなかったはずなのに、あれを読んだ後だと「あれ?前評聞いてたほどのインパクトはない?」という肩透かし感すら若干あったりする。それだけにあの作品の衝撃が強かったということではあるのだが、重さではなくて、どちらかと言えば軽やかさを持って、詩のような読後感のあると言ったらいいのか、そういう作品。少しくたびれて帰ってきた夜などに、お気に入りの小説のような感覚で布団に寝転がりながらさくりと読み切って、ほんの少しの痛みと懐かしさと、そして救いを抱きしめながら眠りにつきたいような、そういう作品。