阿部共実のレビュー一覧

  • 月曜日の友達 2

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    帯を糸井重里、朝井リョウ、秋田ひろむが書いていて、はいはい「泣いた」と書いておけばいいのよねーなんて斜に構えた感想を持ってしまった。
    が、実際読んでみると、確かにこの感想を言葉にするのは難しい。
    し、実際に泣いてしまう。
    ああこれは「櫻の園」と同じく一生涯の漫画になりそうだ。

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    2018年03月20日
  • 月曜日の友達 1

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    ボーイミーツガールとか一期一会とか、要は人と人が交わるその一瞬てのはやっぱり奇跡としかいえないもので、それがどんなに人間として普遍的な事象だとしても、またその後の二人にいかなることがあったとしても、そんなことはどうでもいい。
    それは当事者にとってはどんなことにもおきかえられない、オリジナルな魔法の一時なのだ。
    そのようなもので「私」の心ができているからには、もはや相手に「そうだったよね?」と確かめる必要もない。
    なぜなら、もう宝は既にそこにあるからだ。

    …と、そのようなことを思い出した。この本もまた、奇跡だ。

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    2018年03月08日
  • 月曜日の友達 2

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    ああなんという読後感、
    みんな通る道を幸せに走り抜けた少年少女の記録だ。
    悲しく苦しいあの時期をたった二冊の簡潔な漫画で表現してある。

    是非

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    2018年03月05日
  • 月曜日の友達 1

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    中学に上がった途端、小学校からの友達が「中学生」の顔になって、自分は自分のままの水谷は違和感を覚えている。月曜日が嫌い、と彼女は周囲の風景や空気感と共に、自分の月曜日嫌いを文学の様にモノローグで表現する。身体を動かす事が好きで、泳ぐのを止めてしまうと死んでしまうマグロの様に彼女は動き続けようとするが、奇抜な行為と周囲には面白がられるだけ。水谷の中には肉体表現としての落ち着きのなさとは相反して、文学的な表現力を抱き持っていると知っている友達は居ない。誰もが「解り易さ」でしか物事を理解しない。

    色白で小柄な月野透と言う少年が同じクラスに居るのに気付く。月野はクラスで浮いている。彼の異質さは彼の中

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    2018年03月03日
  • 月曜日の友達 2

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    ネタバレ

     連載で読んでいて、改めてまとめて読んだ。連載のときは最後、二人の考えが同調しすぎな感じがしたのだが、通して読むとそれは同調ではなく共感であることがよく分かった。月野がいろいろ背負っている感じが『ギルバート・グレイプ』のジョニー・デップに重なった。地に足をつけて現実に立ち向かおうとしていることに悲しみを感じながらも、希望を捨てずにいようとしているところが、中学生なのに~と切なくなった。超常現象の扱いと表現が素晴らしかった。大傑作だ。

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    2018年03月01日
  • 月曜日の友達 2

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    火木香、彼女も月野が気になってちょっかいかけてくるのだろうと思ってた。荒っぽく振舞ってはいたけど寂しい子だった。火木と関わったことから、月野と水谷はすれ違う。それでも月曜日は来る。空白な月曜日。

    「この三人で下校する日がくるなんて入学時には想像できなかっただろうな」

    また月曜日の夜。
    水谷と月野。そして火木。奇跡ってあるのか。

    月曜日、なにか特別なことがあれば、好きになると思うけどな。

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    2018年02月27日
  • 月曜日の友達 2

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    全てのコマの隅々まで命が満ち溢れているようで、あらゆる表現が繊細で素晴らしい
    本当に出会えて良かったと思える作品だった

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    2018年02月26日
  • 月曜日の友達 1

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    小学生から中学生になった頃、こんな繊細な気持ちで考えていただろうか。なかったな。だけど水谷茜の気持ちは痛いほどわかる。周りが大人になっていく。自分一人置いていかれたような気になる。周りと違っている。自分は何も変わってないのに。そして自分と似た人を知ってときめく。月野透、変な奴。人と何かが違う。そう思ったときが、気持ちが動く始まり。何かが変わる。

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    2018年01月29日
  • 月曜日の友達 1

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    ネタバレ

     時々しか載っていないけどスピリッツの連載で一番楽しみだ。単行本で改めて通して読むと、お姉さんの存在や月野の兄弟の存在に主人公と月野の気持ちのあり方に強く影響していることが描かれていた。連載では、主人公と月野の関わりばかりを追っていた。

     人物の絵も背景も、効果も漫画の記号性と絵としての写実性のいいところを思う存分最大限活用している感じがする。主人公の言動やモノローグの率直さと共通するそのセンスの凄さに圧倒される。

     それに比べるとオレの表現のなんと硬くて狭いことかと、すごく見習いたいと思うのだが、その狭くて硬いからこそ表現できている部分もあり、真似したからといってうまくできるものでもなく

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    2017年11月23日
  • 月曜日の友達 1

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    これは凄い漫画表現だ!
    「空が灰色だから」では憂鬱や皮肉や虚しさやを「味のある絵柄」で表現していた。
    今作はもう味、どころではない、まずは絵が抜群に巧い漫画家なのだと遅ればせながら知った。
    徹底的な白と灰と黒のコントラストの中で、光が交錯し影が幾方向にもくっきり伸びる。
    光が溢れすぎて水滴が空中に浮かんだような場面や、白と黒だけで燃える西の空を描くところや、もう凄まじすぎる。
    そして、ことさら台詞めかした台詞。
    言葉による抒情と、アバンギャルドな絵とが見事にマッチして、もう泣いてしまいそうだ。

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    2017年10月01日
  • 月曜日の友達 1

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    これはすごい。うまく大人になれない二人の秘密の友達の時間。あまりにも幸福な笑顔の数々がこの期に来たるであろう苦難と悲しみの裏返しとしか思えなくて、既にひしひしとつらい。泣いてしまいそうになる……。
    絵もすごい。描き込みがすんごいんだけど絵が潰れない絶妙なバランスと構図でキャラもそうだけど背景のデフォルメがあまりにも巧い。大友克洋を彷彿とさせるほど。コマの一つ一つが絵としての完成度を高水準で保っていて飽きない。
    ずっと噛みしめるように繰り返し繰り返し浸っていられるそんな漫画になる。

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    2018年02月25日
  • 月曜日の友達 1

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    阿部共実さんの新作をワクワクして読みましたが、なんていうか…期待以上でした!!
    これは完結してから読みたい!でも待てないっていうジレンマ!
    いつもの阿部さんっぽくないようにみえて でもやっぱりザワザワする感じはしっかりあって…
    このお話がとんな結末を迎えるのか 楽しみに待ちたいと思います(*´∀`)♪

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    2017年09月06日
  • ちーちゃんはちょっと足りない

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    主人公はクズだ。
    語弊を恐れず断言するが、思春期の自意識と不公平感ばかりが肥大した実にリアルで、自分の黒歴史を蒸し返されてあちこち痒くなるようなタイプのどこにでもいるクズ。何故なら主人公のナツは自嘲と自虐はしても自省と自戒は絶対しない。自分の言動を反省し周囲に申し訳ないと装うモノローグも、結局の所ケチな自尊心を守るためのフリでしかないというのが後の描写で浮き彫りになる。
    同じ団地に住む幼馴染のナツとちーちゃん。中3になっても割り算もまともにできないおバカなちーちゃんを内心見下し、もっと上のランクの友達が欲しいと望んでいたナツ。
    その「何かが足りない」「本当は自分はもっと高い所へいけるはずだ」と

    7
    2017年08月24日
  • ちーちゃんはちょっと足りない

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    ネタバレ

     スピリッツで連載している『月曜日の友達』の凄まじい才気の爆発ぶりに驚いて、とんでもない新人が現れたと思ったらけっこうベテランだった。この漫画は、知的障害の女の子が主人公で、非常に戸惑ったのだが読んでいくと友達のチエが心の闇の更に奥深くまで覗きこむような展開にびっくりした。表現の違う形で才気が爆発していた。最後のお互いに名前を何度も何度も呼び合って気持ちを通わせるところは、よくオレが運転していると子供が何度も何度も「パパ」と呼びかけて「はいよ、うーちゃん、なあに?」と返事するのを思い出して涙が出た。

     友達のメガネの子やヤンキーの子みたいにまっすぐ生きられたらそれはいいし、チエみたいなのがリ

    1
    2017年07月17日
  • ちーちゃんはちょっと足りない

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    武富健治の『鈴木先生』にも別の形で描かれていたけど、問題児でも優等生でもなく「普通の子」の抱えるーただし描かれることがなかったー悩みや問題がここにはある。

    『鈴木先生』では、とかく問題児というのは良かれ悪かれ目立ってそして特段面倒をみなければならない存在なのだけど、それで悩みを持っているのに先生に気付いてもらえなかったり気付いてもらえても手が回らずにいるなど割りを食うのは「普通の子」だと描かれていたけれど。

    こちらの作品ではウサギとカメのような話をベースに更に追い討ちをかけるようなリアルさで心を蝕んでくる。名作ではあるけれど、後味が悪くてもう読みたくはないという気持ちがしてしまうけれど、ま

    2
    2016年11月24日
  • 空が灰色だから 1

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    ラブコメ? シュールギャグ? サイコホラー? 世にも奇妙な物語? いろいろなタイプの話が詰まっているのだけど、なんだか心に刺さるところがある…。
    生き辛さを抱えた人の、恥ずかしかったり、自意識が空回ったり、寂しかったりする人の感情が妙にリアルなのだ。絵柄はユルいし、ストーリーは突飛なものが多いのにね。
    凡百の作品と一線を画す理由はそこらへんにあるなと思います。

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    2016年10月30日
  • 大好きが虫はタダシくんの 阿部共実作品集

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    日常モノから徐々に増していく狂気。
    「デタジル人間カラメ」が不気味すぎる…。ラストの一コマはいつみても鳥肌が立つ。

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    2016年08月20日
  • 空が灰色だから 5

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    ネタバレ

    「飛んで落ちて死んで」「私を許して」が好き。
    最終話なんだからとハッピーエンドを期待していたが、そんなことはなかった。
    むしろあそこまでやってくれた方が清々しいのかもしれない。
    そのせいでしばらく立ち直れませんでしたが。

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    2016年08月20日
  • 空が灰色だから 3

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    「少女の異常な普通」が大好きです!
    辛い話が多かった印象。
    「ただ、ひとりでも仲間がほしい」はトラウマモノでした…。

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    2016年08月20日
  • 空が灰色だから 2

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    「おはよう」「ネガティブスリーパー」が好きです。
    最後の話は怖いので、今でもページを開きたくないです…。

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    2016年08月20日