阿部共実のレビュー一覧
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空に雲が張って 町が青く 染まっている
大気で山がかすみ 遠くから 船の汽笛が 反響している
汽笛が止み 静かになった この世界には もう誰もいなく なったかのように
ふたりの歩みを 進める 足音だけが響く
草と木と土 それに
雨に濡れた コンクリートの におい
少し寒い
何も話す話題が 思いつかない
かわりに 妙に五感が 冴えてしまう
こんなこと 話して どうなるんだ
俺と同じ年頃の男子は 普通こういう時 上手に話を盛り上げ られるんだろうな
おそらく作者にとってはお茶の子さいさいな一節なんだろうけれど、異様に共振してしまう……そのリリシズムに乗せられて、心地よく。 -
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阿部共実は『ちーちゃん』で実力の高さは知っていて、でもそれ故に回復不能な傷を負うことが怖くなってそれ以降遠ざけていたんだけど、今作はamazarashiのMVを見て、どうも『ちーちゃん』のような思い読後感にはならないかな、と思いこわごわ手に取った。
不思議なことに、というのか、『ちーちゃん』の再来は望んでいなかったはずなのに、あれを読んだ後だと「あれ?前評聞いてたほどのインパクトはない?」という肩透かし感すら若干あったりする。それだけにあの作品の衝撃が強かったということではあるのだが、重さではなくて、どちらかと言えば軽やかさを持って、詩のような読後感のあると言ったらいいのか、そういう作品。少 -
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これもまた少年漫画にはそぐわないブラックな要素を含んだ作品集ですねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、空が灰色だから、で充分この著者の作品の傾向は把握しましたから、こういった作品集が出版されてもおかしくはないのでしょう…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
表題作は切ないというか…悲しいというか…何とも言えない感情を味わいましたね! 「吃音」とかそういうのが…テーマなんでしょうかね? 緊張してしまうと自分が何をしゃべっているのか、自分でも分からなくなってしまう…みたいな感じをうまい具合に表現していると思いました!
そんなわけで、読むとやや気持ちが落ち込む短編集ではあります -
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好みはどうあれ、稀有な才能を持った漫画家さんだと思いましたねぇ…。10代女子のどうにもならない感情みたいのを描いているようですけれども、10代に限らず、20代…若い世代全般にウケそうな印象を持ちましたねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
ただまあ、あんまり好みではないというのは冒頭にも述べたところ…ここまで黒い感情を描いておいて作者は具合悪くなったりしないんだろうか…みたいなよからぬことまで考えてしまいました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
絵柄が可愛らしいだけ、描かれてあることは人間のいや~な部分だったりするから侮れませんね! それでもまあ、飽きずに最後まで読めたのは著者の才能のお -
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水谷は中学生になりたての女の子
親友の名前は土森、水谷よりも色々な面で大人な女の子。
月野は中学生になったばかりの男の子、水谷と友達。ただし月曜日の夜限定。
毎度強烈な個性を放つ阿部共実節とも言える世界観はなく
中学生特有の若さと、そこから溢れ出すエネルギーの発散を求めて
水谷は日々悩み、考え、心も体も大人になっていく。
そういった思春期特有の脆さと強さを描いてるだけなのにも関わらず
毎度の事ながらハイセンスな言葉選びを目にしているうちに
ほんの少しだけ風変わりな青春の1ページを覗いているつもりが
気付くとそこは阿部共実さんの世界。
実に上手い描き方だわ。
前述の通り、不思議系オムニバス漫 -
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ちーちゃんはちょっと足りない? ですっけ…あれも読み終わった後、何とも言えない感覚に襲われましたけれども、これも…人間の闇の部分?と言う表現が合っているのかどうだか分かりませんけれども、読み終わった後、何とも言えない感情を抱きました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
作者は多分…女性じゃないかな? と思うんですけれどもねぇ…女性にしか表現できない…少女漫画のダークな部分と言えばいいのか…ともかく男性・女性で言ったら圧倒的に女性のが怖い生き物ですよね! ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、ちーちゃんよりかは個人的に取っつきやすかったような気がします…女同士のアレコレとかあんま