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Posted by ブクログ
空灰のシリーズ的な感じです。
前作と同じく、かわいらしい話、後味の悪い話、痛くて辛い話などなどの短編が描かれています。
・短編:おねがいだから死んでくれ
「ぼっち」とか「コミュ障」というものの本質について触れたような気がします。
人と感性が合い、同じものを好きになれるということは、当たり前のように思えて、実はとても幸せなことなのではないでしょうか。
これはその「当たり前」ができない少年の話です。
少年は性格が悪いと言われ、傷つきますが、そもそも彼は物事を意図的に悪く言っているというよりは、本音を隠せないのです。
好むものやそもそもの価値観などが違いすぎて、クラスメイトと同じ感想を持つことができません。共感して、器用に人に合わせるすべを持っていません。
この状態がいわゆるコミュ障のひとつではないでしょうか。
当然孤独感が強くなり、ますます自分の世界に没頭し、他人への恐れが深くなっていきます。
けれど漫画という自己表現の場所を得て、少年はそこに希望を見出します。
そして自分と似た感性を持っているかもしれない人間に縋りますが…
・WEB漫画再録:ニーソ眼鏡児童液
統合失調症など、精神の病気に関しては、
「これはニセモノでホンモノじゃない」
などと批判を受けることがありますが、
精神の症状にもさまざまな種類があり、テンプレート的なものが必ずしも正しいとは限りません。
この短編では簡単な会話だけでどう見ても青年が狂っていることを読者に伝えていきますが、
後半で、彼の気がついたことは妄想なのか現実なのかということを投げかけられます。しかしそれは…
・がんばれメガネ
主人公が大学デビューした高校の同級生にドン引きしながら会話をしますが、再会の理由は…
なかなか生々しい話になっています。
断片的なセリフの内容だけで、その人間がどんな状態に置かれてるかをハッキリさせてゆくのが非常に上手です。
もちろん絵柄も、オチを知った後で見るとこれは伏線だったのか…!
と驚かされます。
短編のこんな少ないページ数でこれだけ考察(と言う名の妄想)が広がるこの漫画は素晴らしいです。
灰色の青春を歩んできた人、現在進行形で灰色な人にオススメです。
灰色の理由がなんとなく掴める…かもしれません。たぶん。
Posted by ブクログ
以前、ここで未知庵先生の『未知庵の三時のお水』を紹介し、絶賛させてもらった
その時は、あまりにもカオスな内容っぷりに、「もしかして、この先生は阿部共実先生を超えるモノを持っているのでは・・・」と期待半分恐怖半分の印象を抱いた
しかしだ、この『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』をいざ読んだら、未知庵先生には申し訳ないが、それは勘違いでしかなかった、と思い知らされた・・・いや、ある意味、未知庵先生は一線をまだ越えてないのだから、喜んでいるのかもしれない
下手に断定は出来ないが、恐らく、この漫画のインパクトあるタイトルは最多文字数だろう
しかし、正直、本編で味あわされた、吐き気を催すほどの混沌の衝撃を伝えるには、この長さですら不足だ
半分は阿部先生らしいブラックなコミカルさがあるが、もう半分は笑える内容ではないどころか、結構、精神的に凹まされるから、「面白い」とは言えないけれど、『空が灰色だから』や“このマンガがすごい!”のオンナ編で第一位を獲得した『ちーちゃんはちょっと足りない』に匹敵する、心に深々と突き刺さる凶悪な鋭さを持っている漫画である事は力強く言い切れる
印象に残らない話が一つもないので、お勧めを絞るのは難しいが、今、これを書いている時の気分で選ぶと、第6話の『それがだよ』
この台詞を引用に選んだのは、しみじみと「恋する女の子って生き物は強ぇなぁ」と思い知らされたから
そして、この作品に限った感想じゃないが、阿部先生の漫画は一日でも早く、アニメ化すべきだ
こちらもまたちょっと不思議そう
冒頭の兄弟のエピソードもそうでしょうが、思わぬところに着地するので油断ならないです。こういうのって誰かを真似する作風でもないでしょうし、やはり、持っている資質なのでしょうね。
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