阿部共実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔読んだけど、登録してなかったわ。
名作。
でも閲覧注意。決して元気のない時には読んではいけない。
鬱マンガの金字塔ではなかろうか。
鬱マンガ数あれど、ただ酷いこと、センセーショナルなことを並べたてるだけの作品が大半。
そんな中、短編集「空が灰色だから」で異彩を放つ阿部共実の初期作品は表層だけではなく心に染み込んでくる暗いものが読者のハートを潰しにくる。
阿部共実にしては長尺ながら、一般的なマンガとしては超短編な全1巻という尺がちょうどよく、エッセンスがギュッと詰まったオススメ作品かと。
ちょっと古い作品だけど、楽しい以外のマンガも読みたいと思ったら「タコピー」とかに手を出す前にこちらを読んでみては。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しい漫画だった。
特にナツの視点から考えると、救いがない。
最後だってちーを道連れにしただけだ。
ちーだけは人を頼れるから変われそうだったのに、ちーはナツとの約束は絶対守るから、ずっとこの町にいて、公園で砂場遊びして無邪気に二人で日が暮れるまで遊ぶ。
そして悩みは無視し続ける。
一緒にいて特に楽しかったこともなく、ナツの利己的な気持ちだけで関係が続いてしまう。
作中で何度も言われている
「みんな満足はしていない。けどそれを理解して受け入れている。
それを理解できていないからちょっと足りていない」
ということ。
たしかにそれもあるだろうけれど、それ以前に持って生まれたものに明らかな違いがある。
だから持って生まれた者たちや、そういった差が気にならない程度には持っている人達にはまずナツの気持ちを十分にすら理解できない。
どんなジャンルであれ、差が存在することを理解し乗り越えた者は共感して、助けてくれるかもしれない。
けどナツにそういう考えが出来ない。
だからこの漫画で一番悲惨な状態にいるのはナツだ、ちーよりは知的能力があるけど、認めることがてきない、保守的。努力やらで現状を後天的に変えられるかもといった考えが微塵もない。
非常に心にくる漫画だった。
生まれ持った差はどうしようもなく残酷だなと。
しかし、親の教育のやり方によってはここまでにはならなかったのではないかなとも思った。
おもしろかった。
せめて、知識をつけようと思うことができれば。 -
Posted by ブクログ
勉強が苦手で、身体も同年代より小さく、精神的にもやや幼い"ちーちゃん"こと南山千恵。家も裕福とはいえず、"足りない"ところばかりとも見られる。それでも、天真爛漫で元気いっぱいのちーちゃんは優しい姉や友達の"ナツ"や"旭"など周りの人々に助けられて日々を明るく過ごしていく。
そんななか、クラスメイトであり女子バスケ部員である藤岡さんたちが部員から集金していた3000円が失くなる事件が起こる…。
ちーちゃんの幼なじみのナツが抱える心情に、中学生や思春期のモヤモヤや鬱屈がよく現れている。自分の良いところや恵まれているところになかなか気づけず劣等感を抱いたり、恵まれているように見える周囲の友達にドロドロした羨ましさを抱えていたりする。そして、自分と同じように"足りない"ように見えるちーちゃんを見ることで安心している。
しかし、ナツとちーちゃんの違いは現状への不満の抱え方や素直さだと思う。ナツは『足りない足りない足りない足りない…』と自分が既に持っているものに目を向けずに、無いものばかりを見ている。対して、ちーちゃんは(欲しかった靴のサイズが大きすぎた、お小遣いがすぐなくなるなどの理由で「ちーばっかり!」と他愛ない不満をもつことはあっても)たいてい、今持っているものに満足したり、ちょっとしたことに喜んだりしている。
また、勉強が苦手だったりお箸が上手く持てなかったりしたときに周りに教えを乞う素直さもある。
ナツとちーちゃんだけに限らず誰にだって"足りない"ものはあるが、ちーちゃんの不満の抱え方や素直さがちーちゃんを"ちょっと足りない"という状態にしているのではないかと感じた。