あらすじ
10代女子を中心に、様々な人間のうまくいかない日常を描くオムニバス短編集。説明不能の“心がざわつく”思春期コミック誕生。
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10代の少年少女たちの内面をこれでもかというほどエグく表し、ネットで話題騒然となったオムニバスマンガ、通称「空灰」。善意でやったことが裏目に出たり、本音と違う言葉をかけて誤解されたりと、色んなことが「うまくいかない」人たちの不器用さが描かれている。
おすすめは2巻の「こんなにたくさんの話したいことがある」。クラスで口下手の不破さんが、人の話を聞くのが上手い城田さんに「もっと不破さんの話が聞きたい」と言われて、口を開くシーンだ。「白い絵の具が足りなくても海に沈む夜空にもたれてるひびわれた茶色のお月様を笑うように星めらは…」と不破さんは意味も文脈もなく喋りまくる。一見異常なシーンなのだが、「せーので見上げた夜空には星なんてひとつもなくて」と言って、彼女が喋るのをやめると、二人の頭上ではお月様が輝いており、少女たちは清々しい笑顔を見せるのだ。
最後を読むまでハッピーエンドになるとも、バッドエンドになるとも予測がつかない「空灰」。良い意味での傷痕を、あなたの心に残してくれるはず。(書店員・らむ)
感情タグBEST3
何度読んでも面白い。
キャラクターデザインも物語にこれ以上ない程にあっていると思う。
病んだ登場人物がたくさん出てくるけど、ハッピーエンドな話もたまにあるからいい。
Posted by ブクログ
ラブコメ? シュールギャグ? サイコホラー? 世にも奇妙な物語? いろいろなタイプの話が詰まっているのだけど、なんだか心に刺さるところがある…。
生き辛さを抱えた人の、恥ずかしかったり、自意識が空回ったり、寂しかったりする人の感情が妙にリアルなのだ。絵柄はユルいし、ストーリーは突飛なものが多いのにね。
凡百の作品と一線を画す理由はそこらへんにあるなと思います。
Posted by ブクログ
ネットで昔見た絵だなあ、と思い購入。
思っていた以上に心へのダメージが大きく、かなり落ち込んでしまうことも多々ありました。
落とすやつはとことん落とすけど、救われるやつはちゃんと救われるので、その話のオチが予想できずにずっとドキドキでした。
(2013/06/09)
最初の三話の構成は天才だと思った。
Posted by ブクログ
なんちゃってファッション的な厨二漫画ではなく心の奥の突かれたくない所をしっかりとえぐってくる良作。オムニバス形式でジャンルはギャグ、ホラー、しんみり、あったかいなど多種多様に楽しませてくれます。
Posted by ブクログ
空灰の全作品中、「空が灰色だから」が、題名、セリフなどに含まれているのは、今巻に収録されている「空が灰色だから手をつなごう」のみなのかな?記憶が正しければ。
お母さんの手が傷だらけなのは、果たして夫からのDVか、料理の練習によるものなのか、明言はされていませんが、だからこそ、手をつなぐのでしょうね、と勝手に解釈しとく。
大学デビュー戦未勝利大村いちご19歳牡羊座A型右利き恋人いない歴年齢、鬼ヶ原樹里子高校2年生16歳、木下実18歳&6歳の餓死した女の子の幽霊コンビが好きです。
第12話「ガガスバンダス」は3回ほど読み返しましたよ…、なかなか訳が分からなかった。たぶん憐は薬物でも使ったのかな?ぷかぷかしてて、幻覚のようなものを視て、ふーってなって、「発散」「炊いてるな」「何周目?」「仕込んだんだな」という台詞から推測しました。合ってんのかなこれ。
まぁぶっちゃけ解釈なんて人それぞれだしね、どうでもいいか。
まとめると、最初の「お母さん おたん生日おめでとう」の破壊力抜群てことだな、思わず笑っちまった。
Posted by ブクログ
目を惹く赤のドット、そして独特な絵柄という理由から表紙買いした作品。最初はギャグ漫画なのかな?と思い読み進めていくと…段々あれ?と思うようになり…最後にはなんとも言えないもやもや感と、胸にズキズキと痛い感情が残る作品。全く同じ経験はなくても、似たような自分の経験を重ね合わせて読んでしまう。そのように共感できるからこそ、とても心が苦しくなるのだが、読み進めずにはいられないのがこの漫画の魅力であると思う。特にこの1巻に関して言えば私は12編の中のどの作品も好きである。
Posted by ブクログ
田舎の病んでる中学生の湿度の高いリアルがある。
脆くて危ない情緒、友情や恋愛、鬱憤も、彼らが大人になったら忘れてしまうんだろうか……救われて欲しい反面、彼らには生傷が癒えても血が止まっても、ずっと貧血で死にそうになりながら生きてて欲しい。
そう思ってしまうくらい、10代のしんどさの描写がコミカルでホラーで美しくてリアルな漫画。
テンポの良い連作集
登場人物、どんどん入れ替わりつつも、時折、前に出てきた人が再登場したり。でも概ね対人接触が苦手そうな登場人物も多くて、興味深い作品になっていました。
明るい話が多かった
面白かったです。
ただダークな話の雰囲気がとても好きだったのでもう少しほしかったかも…
次巻からもちょいちょい入ってるのかな?
Posted by ブクログ
思春期に限らずいろんな人に普遍的にある心の闇やズレを過剰に表現してるので読みながらオエオエえずいてしまった。心の下剤というか登場人物に対して何かしら身に覚えを感じる人にとってはあまりにも劇薬すぎる漫画。
2話の『お前は私を大嫌いなお前が大嫌いな私が大嫌い』とか身に覚えが少しあって読んでてめちゃくちゃ吐き気した。
Posted by ブクログ
10代女子を中心に人々のうまくいかない日常を描く。とは単行本背表紙より抜粋。
連作は存在せず、全て1話完結形式のオムニバス。
描く感情は喜怒哀楽のメーターが振り切れまくった状態でどの方向にも全力。
そして言葉の選び方・文章の組み立て方が非常に独特で台詞の全てが名言だし
変な間の取り方が無いので、テンポよくすらすら読める。
似たような作品が思い浮かばない。新境地ですわ。
常に全力なので楽しい話は天まで突き抜けるが如く面白い。
第15話ネガティブスリーパー」を始め、
第38話と第50話に出てくる美緒、璃瑚奈、翔の三馬鹿の話なんて大好きだ。
読むと、日々の生活で溜まったストレスが吹っ飛んでいくのがわかる。
しかしその反面暗い話・酷い話はこの世の負を全て凝縮した膿の如く
心にいつまでも粘りつくかのような重苦しさを味わえます。
第24話「世界の中心」や第36話「ただ、ひとりでも仲間がほしい」や、最終話「歩み」なんて
二度と読めない・読みたくないレベルで酷い、辛い、怖い。
メカクレが好きだからついつい5巻をチョイスしちゃったけど
目力・・・というか何というか、引き込まれるような目を描かれる人なので
目に注目ですよ。次点で注目すべきは各話登場人物の苗字。
オムニバス作品では登場人物の名前が明らかになる事はあるけど
苗字が明らかになる事はそんなにない。
1話完結の都合上、苗字を設定する必要性がほとんど無いからね。
けどこの作品は全ての話で登場人物の苗字が判明する。
そこに作者のこだわりとセンスを感じるし、そこに凄く惹かれる。
Posted by ブクログ
基本的に「人間関係に失敗している」人の話。
こういう題材に距離を置いて読める人ならば安心して楽しめる気がする。そうでなければ少しつらい気持ちになるかもしれない。
それだけこの漫画の内容は的確だという意味でもある。続きは少し時間を置いて読みたい。
Posted by ブクログ
ネガティブでシュールな短編がツボにハマるなあ~。作風としては、久米田康治先生に近いものを感じた。裏の裏の裏を行く所・斜め上からのラストがセンスいい。
Posted by ブクログ
仕事で5巻まで通読したけれども、あまりに苦しくて吐くかと思った。
「心がざわつく思春期コミック」というキャッチフレーズ。1話完結のオムニバスで、10代の少女たちを中心に、「人々の上手くいかない日常」を描いている。この1巻を読むまで、私は『大好きが虫はタダシくんの』の作品だとは思えなかったので、読んでいて心が揺さぶられて本当に吐くかと思った。知っていれば……たぶん、それでも読んだだろうね。
ストーリーは10代の少女たちを中心に、奇妙な物語が1話完結で語られている。ハッピーエンドもあれば、本当にバッドエンドもあって、その救いのなさは、読んでいて本当に心が苦しくなる。こういう漫画は、読む前に避けるものなのだけれど、『空は灰色だから』は日常系の絵柄で読み手を油断させて、そこからガバッと読者を丸かじりするような、そういうトラップ感満載の漫画になっている。
『大好きな虫がタダシくんの』は、ネットのまとめサイトで紹介されていて、読んだときは本当に衝撃を受けた。普通と思っていた少女が、何気ない会話のなかでどんどんおかしくなって、すがれるものも失って慟哭する姿を描いた漫画で、二度と読みたくないと思うパワーと。読む者すべての心を締め付ける強さがあった。心の病とか、統合失調症とか、コミュ障とかいろいろと表現の仕方はあるけれども、僕なりの読み方でこの作品を解説したい。
この漫画を読んで、ここまで心が動揺してしまったのは、ストーリーが「罪と罰」を描いているものだからだ。もっと分かりやすく書けば、この漫画は「望まないのに罪を背負った少女の物語」だ。「罪」というあやふやな刻印を、知らずに押されてしまった少女が、「罰」に苦しむ姿を描いている。それは『大好きが虫はタダシくんの』から、『空が灰色だから』の最終話まで一貫したテーマであるように思う。少女たちは、罪状も定かではない「罪」に戸惑い、怒り、涙を流し、狂いだす。だが、これがこの漫画の面白いところなのだけれど、「罪」に対応するのが「罰」だけではないところが、作品に深みを増している。
ハッピーエンドとして終わる物語は、少女を苦しめる「罪」が「罰」とは別のもので癒される様を描く。最も端的なのは、5巻の『私を許して』と、『マルラマルシーマルー』だ。この2つは、前者がオーソドックスな「許し」を、後者が反則的な「許し」を描いているだけに興味深い。二つの話とも、自分の正義を曲げることのできないという「罪」を背負った少女の話で、連載終了になるに連れて、作者のテーマ性がどんどん出てきた作品だと思う。また、「罪」を背負った少女が罰せられる様を描いた物語は、2巻の『信じていた』が屈指の出来だと思う。理不尽な「罪」に断罪される姿には心が締め付けられた。
でも、5巻まで通読して読んで感じたことは、胸が苦しくなるような罪と罰的な話はあまりなくて、罪を別の方法で癒やす話が結構多いということ。これは、連載になって先鋭的なものがより口当たり良いものになったと言えるし、そう毎度辛い話を描くのは、作者の精神が保たないというのもあると思う。私も、女子高生がだらだらあーでもないこーでもないと話すもののほうが、癒されて好き。作者が最終的に描きたいのは、最終話の(理不尽な)罪を背負った少女と、(図らずも)罪を背負う少女の話だったと思うけれど。
絵は、「日常系」と呼ばれる絵柄で、非常に見やすい。でも、セリフの渦がとんでもない。この狂ったバランスが成立しているのがスゴいなぁと。
Posted by ブクログ
絵が独特で、ちょっと不思議なテンポとセンスの短編集。良い話もあったり、妙な話もあったり、気持ち悪い話もあったり…刺激を求めている方は是非どうぞ。
Posted by ブクログ
第6話:幼なじみというか小中高一緒なだけですよね(真実)。
第7話:幽霊幼女(見えない)可愛い。
第8話:3人組第一世代。モテない。表現が生々しい。
第9話:これぞ灰色ってくらい気まずい話。男勝りの女子と日直をすることになったが‥。
第11話:食事を覗きたがる変態。すげー嫌だ。
第12話:はじめ意味不明な流行に翻弄される少女の話か思っていたが、よく読むとガガスバンダスの効果がすでに表れていて面白い
Posted by ブクログ
シュール。
視点が手のひら返してくる感じ。
ちょっと意地が悪い視点なんだけど嫌いじゃない。
病んでる系のキャラが多いかも。
どこか「日常」にも似たセンスを感じる。
「日常」の笑いをとった感じというか。
Posted by ブクログ
キャラクターが可愛い。
そして目次が良い。
いきなりの感動ものはずるい。
男はちゃらく、女は胸がでかい。
個人的には「生きるということ」が好みです。
Posted by ブクログ
10代女子を中心に、人々のうまくいかない日常を描くオムニバス・ショート12篇。
笑える話、不安になる話、怖い話、切ない話、色々ある。
なので一つ一つの評価は省略する。
全編に通じるのはユーモアのセンスくらいか。
あと内容とは別に、オチがどう転ぶのか分からないという不安がある。
そこが面白いという人もいるかもしれない。
時々蓮画っぽいの挟むのやめて欲しい。
Posted by ブクログ
「お母さんお母さん ありがとう」
全5巻のオムニバス形式なマンガ。裏表紙の作品紹介には「コメディか、ホラーか、背徳か、純真か、説明不能の“心がざわつく”思春期コミック」と説明されており、これがまあ、実に的を射ている。
思春期に陥りがちな勘違いやこだわり、そして純粋ゆえの過ちがこれでもかというほど盛り込まれている。いわゆる「厨二病」との関連も見られるが、本作に登場するのはおしなべて「イタい」。「厨二病」も見せ方によってはカッコよく描かれるのだろうが、本作ではそんな甘えを許さない。確実に、読者の心を抉っていく。「厨二病」を患っていた方にとってはなおさらである。
インターネット上の評判を見るかぎり、賛否が分かれる作品のようだが、時にはこんなマンガもいいのかもしれない。
【巻数】全5巻
【掲載誌】週刊少年チャンピオン
【連載年】2011年~2013年
Posted by ブクログ
一話完結モノ。
人見知り激しい女の子の話。
元友だちを嫌っている人の話。
母子家庭の女の子の話。
など多種多様。短い割に笑えたり、ちょっとしんみりしたり、恋愛などの内容。
短いけど書き込まれている感じ。読んでいてちょっと不思議な気分ななったりするけど面白いと思う。
Posted by ブクログ
評価が分かれそうな物語。
予想通りの展開もあれば、少し斜めの展開をする。
オチに満足できるものもあれば物足りないものもある。
好きな話
「空が灰色だから手をつなごう」
「夏がはじまる」
Posted by ブクログ
いつかの朝日新聞で紹介されていたのを読んで以来、前から読みたかった漫画。
昨年(2013年)やっと手にしました。
オチがギャグだったりシリアスだったりシュールだったり感動ものだったり様々で、どう話が転がっていくか毎回気になります。
オムニバスだから色々な登場人物や設定を楽しめるのはいいな。
再登場してほしいキャラがいたり、続きが気になる話なんかもあるけど。
今回は5話や11話がそうでした。
今巻は”自意識過剰”がどの話にもテーマっぽく感じられました。
Posted by ブクログ
確かな描写力、無駄の無い表現力。得意ではない絵質から繰り出される独特の世界観には何か奪われるものがあります。
オムニバスなんで、一つ物語を切り抜いて感想を書いていきたいと思います。
第3話 空が灰色だからてをつなごう
シングルマザーの親子の物語。娘は経済的に余裕のない家庭を理解しつつも現代的な遊びに憧れる小学生、娘の幸せを精一杯に考える母親、その二人の優しさや心にほっこりする物語。