アイザック・アシモフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
銀河系全土を一万年以上にわたって支配してきた銀河帝国は、爛熟期から停滞期を超えて、緩やかに衰退しつつあった。
「心理歴史学」の第一人者ハリ・セルダンは、このままでは帝国が滅亡することを予言し、人類の知識的滅亡を防ぐために帝国中から学者を集めて百科事典を編纂するプロジェクトを開始する。衰退を直視しようとしない帝国から危険分子と見なされたこのプロジェクトは、セルダンの死去とプロジェクト関係者10万人が辺境の惑星ターミナスに追放されることにより、実質的に幕を閉じたかに見えた。しかし、ターミナスにプロジェクト拠点が写されること自体、実はセルダンの遠大な計画上予測され、準備されたことだった。セルダンの計画、それは多数の人間集団の行動を予測する為の数学的手法である「心理歴史学」を駆使することにより、未来の人類社会の動きを中長期的に予測し、なにもしないままでは次の文明興隆まで1万年以上かかるであろう暗黒期を千年に縮めるという気宇壮大な計画。ターミナスに残された10万人は、失われつつある帝国の科学技術を温存して次の「第二銀河帝国」の種となるべき存在だったのだ。百科事典編纂財団として発足したことから、やがて「ファウンデーション(財団)」と呼ばれるようになるターミナス社会は、「第二銀河帝国」への道筋をどのように切り開くのか?未だに強大な権力と軍事力を有する銀河帝国勢力と、どのように闘っていくのか??
いやー、愉快痛快!「古き良きSF」の面目躍如!!
何分にも、1950年代の作品(!)ですので、今読むと古さを感じるのは否めません。キャラ設定がシンプルで善人は善人、悪人は悪人と読み進めるまでもなくわかったり、作中に登場する「原子力」は現実の原子力とは異なり要するに「スゴく進んだ技術」を示すイメージだったり、訳文も古いので会話の流れが時々直訳調になって読みづらかったり、というところはあります。
が、そんな欠点を補ってあまりある、この「手に汗握る」感!銀河の辺境の田舎惑星ターミナスで、資源も軍事力も持たないファウンデーションが持っている唯一にして最大の武器、それは「知識」そしてそれを活かす「知略」です。衰退しつつあるとはいってもまだまだ強大な周辺諸国や帝国中枢を相手に、知と策略を武器にばったばったと敵をなぎ倒し、手を替え品を替えつつ勢力を拡大していくファウンデーション。この過程の爽快感と言ったらないです!
現実の人間社会に鑑みて、この展開は楽観的すぎるんじゃないの?という意見は、確かにあります。でも、「心理歴史学」という魅力的な架空理論でこの作品世界に強固なバックボーンを通し、痛快な冒険群衆活劇(と言っていいのか?ヽ( ´ー`)ノ)を描き出したアシモフのこの発想力は、まさにSF、センス・オブ・ワンダーだと鴨は思います。SFなんだから、思いっきり楽しみましょうよ! -
Posted by ブクログ
おっさん刑事&ロボット刑事の相棒ものSFミステリー第2弾が新しい訳で登場だ!う~ん惜しい…現代の作品だったら絶対同人誌が出るのに…。アシモフ先生は時代を先取りしすぎたんだ。
とにかくロボットのダニールがエロい。とてもエロい。正直言って、ヒロインが全裸で登場するシーンより、ダニールが「ロボットであることを証明しろ」と命令されて無表情で服をはだけるシーンの方が断然エロいと思う。そこには禁欲的なエロスがある。
ミステリーとしては極めて型破りな手法がとられているため、ミステリーとしてこれはどうなんだ!?と思ってしまう部分もあるが、それも含めて楽しんだもの勝ちだ。
古い訳のものを手元に置いていないので今回で訳がどう変わったのか分からないが、違和感なく読むことができた。中古でしか手に入らなくなっていた本書を新バージョンで出してくれたハヤカワに感謝したい。 -
Posted by ブクログ
ファウンデーションをついに打ち破ったミュールが次に狙いを定めたターゲットは、セルダンが設立したもうひとつのファウンデーション─第二ファウンデーションだった!
猛然と襲いかかる突然変異体の脅威。<セルダン・プラン>は計画外の産物によって完膚無きまでに打破されてしまうのか…!
三部作最後の作品は、第二ファウンデーションが舞台となる。
ミュール、そしてファウンデーションまでもが陰謀の中心に牙を剥くことになる。
読み手を惹きつけるミステリー要素の差し込み方は相変わらず手際が良く、終盤のどんでん返しの応酬は少しやり過ぎの感がなくはないが、全体を通じて綺麗に収まっていることに疑問の余地はないだろう。
さて、沸き上がる興奮を傍らに読み進めたファウンデーションシリーズについては、とりあえずこの作品をもってピリオドを打つ。
後々には、アシモフを代表するもう一つの雄/ロボットシリーズとの融合を画策した『ファウンデーションの彼方に(1983年ヒューゴー賞長編部門受賞)』が控えているが、楽しみは未来に置いておこう。 -
Posted by ブクログ
アイザック・アシモフ!なんと巨大か!
さすがビッグ・スリーと呼ばれるだけはある。
アシモフといえば、ロボットの行動原則をシンプルにまとめ上げた(良いものは、往々にして単純なものだ)『ロボット工学三原則』で有名だが、ただそれだけが彼の名をビッグ・スリーと呼ばせたワケでないことを、未熟ながらも認識しているつもりだ。
科学的な後押しを得た豊かな発想に、読者を難なく惹きつける見事なプロット。そして、それらに垣間見られる確かな洞察は、単純明快でエキサイティングな彼の作品に多重の深みをもたらしている。
さて、そんな偉大なアシモフが樹立する気宇壮大な叙事詩─ファウンデーションシリーズは、ロボットシリーズに並ぶ彼の代表作。ヒューゴー賞のベストオールタイムシリーズ部門を受賞する傑作である。
その銘記すべきシリーズの第一作である当著は、帝国の生んだ最後の天才/心理歴史学者ハリ・セルダンの予言で始まる。
「銀河帝国の滅亡は避けられず、然る後三万年の暗黒時代が到来する…」
この暗黒時代を僅か一千年に圧縮にするため、セルダンは”ファウンデーション”を建立するのだが…
ファウンデーションに襲いかかる大難に、全幅の機知をもって立ち向かうサルヴァー・ハーディンやホバー・マロウの活劇に心奪われる…!
前に読んだ「われはロボット」に見られるように、当著はミステリー要素を多分に含んでいる。課題に立ち向かうハーディンやマロウの行動は一見すると理解し難いが、物語の終りでは、快刀乱麻を断つが如く謎は明らかとなり、課題は解決する。
複雑にもつれた(ように見える)事柄は、単純明快な名の下に整理整頓され、後には興奮冷めやらぬ余韻だけが残るのだ!
そして、そんなスリリングでエキサイティングな物語だが、空想の世界に留まらない─現代世界にも通じる的確な洞察が見え隠れする。
うーん、やっぱりアシモフすげぇよ。
読後、「アシモフすげぇ…!」という語彙のない月並みな感想しか抱けなかったが、それでいいのだ。
良いものは、往々にして単純なのだから!