あらすじ
人類の未来は本当に予想可能なのか?
〔銀河帝国興亡史6〕銀河帝国の首都惑星トランターにやってきた若き数学者ハリ・セルダンは、トランターで開催された数学者大会で、心理歴史学を応用することにより人類の未来を予言できるという理論について発表したが……。ファウンデーションの祖である天才学者ハリ・セルダンの若き日の八面六臂の大冒険!
アイザック・アシモフの数ある作品の中で『映像化不可能』と言われている作品です。そう言われるだけあって読み応えあります。
アシモフの作品には、有名な「ロボット三原則」のようにシリーズ毎に一貫したテーマがありますが、この「銀河帝国興亡史」では「心理歴史学」です。
「銀河帝国はどのような滅亡の道を辿るのか?」、「ファウンデーションはどうやってその危機を乗り越えるのか?」、「そして、ハリ・セルダンの予言とは何なのか?」
そう思いながら物語を読み進めていくと、あっという間に三部作を読み終えてしまいます。
他のアシモフ作品につながるテーマが要所に盛り込まれている、アシモフファン必読の三部作です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハリ・セルダンが若き日に、心理歴史学へどのようにしてたどり着いたかを記している。
クレオン一世に「周到に」興味をもたれた結果、彼が身を隠しながら、理論でしかなかった心理歴史学を実際に運用しようと二万年の「歴史」を手に入れようとする。
公園で出会ったジャーナリスト、ヒューミンの導きで、ストリーリング大学でドースという協力者を得て、その後危険を察して、より「古い何か」をもつマイコゲンへと逃れていく。
皇帝の前でも頑なに心理歴史学は理論であると言い張っていたセルダンは、協力者達との対話を通じて、実学の可能性を探っていく様子に引き込まれる。
また、それまでのハリ・セルダンは全てを悟った老人のイメージだったが、心理歴史学を練り上げていく若者の姿は、興味深かった。
Posted by ブクログ
前作で未来への展開に行き詰まりを感じていたので、過去に戻るのは良いと思った。
ファウンデーションシリーズでは伝説的存在となっているハリ・セルダンが等身大の人物、ひとりの若者として描かれている。
ただ、セルダンが心理歴史学に取り組んでいく過程が強引な感じがする。解けないと思っているものに取り組むにはドライビングフォースが弱いような・・。
前作までの第二ファウンデーションやガイア、地球(ロボット)のような超能力的なものがセルダンに働いているなら納得いくが。前作までの内容が伏線になっているかもしれないと思うと、すべてが(良い意味で)怪しく見えてくる。
前作までの人類発祥の地やロボットを匂わせ下巻へ続く。