アイザック・アシモフのレビュー一覧
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巨匠アイザック・アシモフによる壮大な宇宙叙事詩第2巻。
滅びつつある帝国の若き逸材ベル・リオーズがファウンデーションを狙う第1部は、セルダン計画を盲信し凋落しつつあったファウンデーションがこの危機を乗り切れるのか?という緊張感が巧みな筆致で描かれており、大いに楽しめた。しかしながら、それに比較すると第2部「ザ・ミュール」はファウンデーション最大の危機を描いているにもかかわらず、やや冗長な印象が否めなかった。群衆の反応を統計的に予測する心理歴史学では、ミュールのような特異な個人の出現は予測できず、そこからセルダン計画が綻びを見せてくる、というのが第2部の要諦だが、このテーマを見せるためのミュー -
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銀河帝国興亡史⑦ 年代順②
巨匠アシモフ最後の長篇
40年以上にわたり、400冊以上の作品を書きつづけてきた巨匠が最後に発表した傑作長篇(本書帯より)
銀河帝国を救うべく心理歴史学の実用化とファウンデーションの創立に人生を賭けたセルダンの生涯。大切な人たちをひとりずつ失い、苦悩しながら、それでも前に進む姿が描かれています。
下巻はどんでん返しやミスリードなどはありません。物足りないと思うかもしれませんか、私にはかえって、それがよかったと思いました。最後の長篇は王道で締めくくってくれました。
私にはセルダンがアシモフその人に見えました。やるべきことをやりきって退場してゆく...。何とも言 -
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『はだかの太陽』
アイザック・アシモフ 小尾芙佐/訳
Naked Sun
Isaac Asimov
ハヤカワ文庫
イライジャ・ベイリは別の惑星ソラリアで起こった殺人事件を解決するために地球から派遣された。事件の関係者と直に会って話を聞きたいと思うものの、この星の人間は常に映像を通して他者と交流し、直接会うのは動物的なおぞましい行為とされ嫌がられる。物的証拠はロボットに処分されてしまい、文明の進んだソラリア人の地球に対する侮蔑などで、なかなか操作がスムーズに進まない。また外出すると太陽の光が地球人のベイリには有害で具合が悪くなってしまう。
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これは195 -
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ネタバレ第一銀河帝国末期から第二銀河帝国の興りまでを追いかける(追いかけていた)ファウンデーションシリーズの、事実上の最後のお話(;これ以降はファウンデーション設立までの話になる)。
前作同様ゴラン・トレヴィスが主人公で、ペロラット、ブリスと共に旅をする。
徐々に地球へ近づいていく様(前作のヤリフ計画の手法を用いて地球の位置を推定するところは「おおっ!」となった)や、ファウンデーション(とその縁辺)文明とは異なる惑星の描写は非常にワクワクとさせられ、アシモフの文章の上手さ(+翻訳の上手さ)もあって、最後まで楽しく読むことはできた。
・・だが、何かが足りない感じがするのだ。
足りないと感じるのは、
本 -
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閉塞感あふれる階級社会、人の上に立つ宇宙人に、宇宙人がバラまいたロボットが人の仕事を奪い、誰もがロボットを嫌い一部の人々は反ロボットを主義を掲げる。そんな陰鬱とした世界で起こる宇宙人の殺人事件!主人公の推理が突然放たれた銃弾のように突拍子もなく大胆不敵で面白い!主人公はかなり怒りっぽい性格だがソレにつられず常に冷静なロボットが相棒なのはいい塩梅だった
主人公の推理は本当に面白いのだが、その推理がはじまる100ページぐらいまでは主人公がいかに思慮が足りない上に怒りっぽい人物か、嫌な部分を延々と見せられて辟易する
だがそこを乗り越えれば大胆推理、街にうろつく地下組織、犯人の罠、最後の逆転劇と -
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アシモフの「ロボット三原則」
それは矛盾と二律背反がもたらす面白さ……。
舞台は高度にロボット文化の発達した惑星ソラリア。そこでは極端に少人数の住民が裕福に暮らしている。
そこで起こった殺人事件を地球人である主人公が捜査することに……
地球とソラリア、相反する二つの世界はその相違がゆえに同一であることが、徐々に印象的となる。
物語自体もさることながら、アシモフ自身による「序文/ロボット小説の舞台裏」が面白い。
ミステリーに強い興味を持っていたこと、当時のSFには半裸の美女を登場させないと売れないと言われていたにも関わらず、アシモフは女性を描くのが苦手と言われていたことなど、執筆時の様子が面 -
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いつか読もうと思っていた本。
短編集だった。
読みやすい。
ファウンデーションに出てたダニール・オリバーが出てくるかと思っていたけど、まだそこまで行かないロボットたちの話。
ロボットシリーズたくさんあるみたいだ、これ全部死ぬまでに読めるかな…
アシモフさんの主要なキャラクターは、三人ぽい。
スーザン・キャルヴィン
イライジャ・ベイリ
ダニール・オリヴァー
イライジャ・ベイリとダニール・ベイリって同じだっけ?
robotics、ロボット工学という言葉を作ったのがアシモフさんなのは凄い。普通にいま現実に使われている言葉。
ロボット三原則を物語の主な道具にしてるとは思はなかった。3つのルールからあん -
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アメリカの作家「アイザック・アシモフ」のSF(ロボットモノ)連作『われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集(原題:I, Robot)』を読みました。
久しぶりにSF作品が読みたくなったんですよね… SF作品は7月に読んだ『ドゥームズデイ・ブック』以来、、、
「アイザック・アシモフ」作品は、3年前に読んだ『黒後家蜘蛛の会 1』以来なので久しぶりですね。
-----story-------------
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。
この三原則の第一条を改変した -
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初めてのアシモフ。アシモフといえば漫画「バーナード嬢曰く。」で、「トリビアの泉で『アシモフによると人間は無用な知識が増えることで快感を感じることができる唯一の動物である』って言ってるけどアシモフそんなこと言ってない!」って町田さわ子に言われてたな、という印象。あと正確にはアシモフではなくアジモフと発音するらしい。つい最近もジャンプ+の読切で見かけた“ロボット三原則”で有名になった一作。
一人のロボット心理学者がインタビュー形式で過去を振り返る構造になっていて、短編集のように“ロボットと人間”というテーマをもとに各々独立した話をしている...かと思いきや、先に出ていたキャラクターが違う話で再登