ブリキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“もういい、もう嫌だ。もう、死にたく、ねぇよぉ!
埋め尽くしていた光が彼方へ消え去り、現実が向こうに映る。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
悲鳴を堪えて下唇を噛み続けると唸り声のようにも聞こえた。その声に同調するように眼球の色を変化させる。視線と意識を額の前へ強く押し出すイメージを持って、アメンボを睨む。
赤く、禍々しく。捉えるように、吸い込むように。暴虐をそこに潜めているように。
だから頼む、逃げてくれ。あっちへ行ってくれ!騙されてくれ!
「ぇおぼ!」
顔面を殴り飛ばされた。二度、三度と首から上がちぎれるような衝撃に襲われて、前歯が二本ほど吹っ飛ぶ。口の中がスースーした。ナイフ男の拳も歯で切れ -
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Posted by ブクログ
“「きみって、藤和エリオの友達かなにかなの?」
質問は、真の予想通りだった。
真はそこで顔を上げる。そして。
平然とした表情で、嘘をつく。
「え、それなんの話?」
自分の声なのに、それは耳も骨も、なにも揺るがさなかった。
言った途端、真の頭は潰れていた。
少なくとも真の認識では、頭の中身の左半分が潰れたように重々しくなっていた。
目の前に立っている男子生徒が遠くなり、教室の輪郭が曖昧となる。真は自分が今、どんな表情を浮かべているか分からなくなる。男子は尚も話を聞き出そうとする。
「いや、だって見たぜ、藤和が籠に載ってるの」
「んん?だから、なんの話だ。トウワッテダレダヨ」
真の頭は真っ白になる -
Posted by ブクログ
“「どうした?」
顔を覗きこんで尋ねる。エリオの表情に苦痛はない。ただ、苦いものを呑む顔だった。
「心の古傷が痛んだ」
「......それ、昨日のドラマで主人公が言ってたな」
俺の指摘は無視して、顔を上げたエリオがぽーんと胸を叩く。軽薄な音だった。
「よしっ」と、意気込むように頷いてから、自分の顔を指差した。
「ここはこのエリオさんに任せておきなさい」
「なんと頼もしい」
ぱちぱち、とスーパー投げやりに拍手して送り出した。リトルスマキンの前で背を伸ばしたエリオが、控えめに、慣れないように腕を組む。深呼吸を一度挟んでから、言葉を発した。
「まず、わたしをししょーと呼んでみなさい」
『しっしょー』 -
Posted by ブクログ
みーまー、電波女に続く、入間人間の新作。「瞳の色を変える事が出来る」ただそれだけの、インチキみたいな力で、相手を騙し、自分をも騙し、非日常の世界に立ち向かう。
いきなり幼女の全裸があってついつい豚になってしまったが、読を進めるうち、初期の入間人間に戻った事を感じた。とくに眼球をくりぬいて愛でるという狂気とふんだんに使われた叙述トリックが大きい。しかし今回はその叙述トリックが裏目に出たような気もする。なんというか、分かりづらかった。そして、全体を通してイラストレーターブリキとの不和感も感じた。
内容的にも地の文にもあるが、禁書に影響を受けているのは言うまでもない。禁書ではあとがきに魔術に関する造 -
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Posted by ブクログ
完全にジャケ買いです。
ブリキ先生のリュウシちゃんの可愛さがなければ、読んでません。
最後の挿絵の可愛さに、最終巻も所持してますが、
この本読んだ感じでは全巻揃えたいとは思いませんでした。
好き嫌い分かれると聞いたので覚悟してましたが、
どっちかというと苦手な文章。
回りくどすぎて何が言いたいのかわからないというか…
ただ、そんな中お目当てだったリュウシちゃんは期待通りか
期待以上に可愛かったので★3つ。
このテのラノベは変な美少女+普通の少年パターンが苦手ですが、
この本の場合普通じゃない主人公+変な美少女+割と普通の子、でした。
リュウシちゃんは普通に可愛くてめさ好感度です。
しかも普 -
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