ブリキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“もういい、もう嫌だ。もう、死にたく、ねぇよぉ!
埋め尽くしていた光が彼方へ消え去り、現実が向こうに映る。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
悲鳴を堪えて下唇を噛み続けると唸り声のようにも聞こえた。その声に同調するように眼球の色を変化させる。視線と意識を額の前へ強く押し出すイメージを持って、アメンボを睨む。
赤く、禍々しく。捉えるように、吸い込むように。暴虐をそこに潜めているように。
だから頼む、逃げてくれ。あっちへ行ってくれ!騙されてくれ!
「ぇおぼ!」
顔面を殴り飛ばされた。二度、三度と首から上がちぎれるような衝撃に襲われて、前歯が二本ほど吹っ飛ぶ。口の中がスースーした。ナイフ男の拳も歯で切れ -
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Posted by ブクログ
“「きみって、藤和エリオの友達かなにかなの?」
質問は、真の予想通りだった。
真はそこで顔を上げる。そして。
平然とした表情で、嘘をつく。
「え、それなんの話?」
自分の声なのに、それは耳も骨も、なにも揺るがさなかった。
言った途端、真の頭は潰れていた。
少なくとも真の認識では、頭の中身の左半分が潰れたように重々しくなっていた。
目の前に立っている男子生徒が遠くなり、教室の輪郭が曖昧となる。真は自分が今、どんな表情を浮かべているか分からなくなる。男子は尚も話を聞き出そうとする。
「いや、だって見たぜ、藤和が籠に載ってるの」
「んん?だから、なんの話だ。トウワッテダレダヨ」
真の頭は真っ白になる