ブリキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「宇宙人、探す?」
「ひ孫と遊んでからな」
自転車の鍵をかけてから、砂浜でネズミ花火状態の少女を指差す。エリオが目尻を垂らす。
「そんな元気、残らないかも」
「あー、精根尽き果てたら、宇宙人探しは延期ということで」
なにしに来たの、とエリオがくすくす笑う。しかし、俺の意見に反対ではないようだった。
二人並んで、砂浜を踏む。さくっと、軽快な音が足の裏を包んだ。歩く度、足を前に出す度、エリオとこの砂浜を歩いた瞬間が思い出される。何度、こうして一緒に海と向き合っただろう。
「ひーじーちゃーん、エリおばちゃーん、はよこーいよー!」
くねくね、と珍妙に身体を捻りながら催促してくる。分かった分かった、と -
Posted by ブクログ
“そして、改まった前川さんの口もとが緩やかに、美しい曲線の伴った微小を形作った。
「今日はこうして付き合ってくれてありがとう、十分満足してる」
ぐわ。面と向かって素直にお礼を言う前川さんにやたら、目が白黒と落ち着かなくなった。どうしたんだ、今日の前川さんは。普段よりずっと青春ポイントの変動を……って、ああそうか。着ぐるみ姿じゃないからだ。いや、女子高生のコスプレが実に似合っていらっしゃる。
周囲の人たちの視線を気にしながら、前川さんと向き合う。各所の肌がこそばゆい。
「いや、俺付き合うっていうかホントなにもしてないけど、いいのかな?」
「それがいいのさ。『なにもしていない転校生』が、ここにいる -
Posted by ブクログ
引き続きラブコメ(?)路線濃厚なシリーズ2作目。
但し、今作のヒロインはラノベにあるまじき
年齢40歳(!!!)という異例の展開w。
なんじゃ、こりゃw。冴え渡る鬱陶しい文章に
内容のない会話のオンパレードはもはや文字
麻薬のような役割を果たしてきてます。
そして妙に伏線とリンク好き(フェチ?)も健在で
今作で社会復帰を果たそうとする「エリオ」が
最初に行うこざっぱりに一役買う、美容師
「大井遠江」はみーまーで登場する「トーエ
(浜名遠江)」と思われます。基本そんな人物、
覚えてないっつーのw。
40歳のヒロインを通して、ちょっといい話風に
上手く纏めたところが今作はまぁ...ヨシ! -
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Posted by ブクログ
“なんだ、ちゃんと水着を用意してたのか。……なんでそれでワニかなー、勿体ない。
「あんまりジロジロ見ないでほしいな……」
前川さんが目を瞑りながら、唇を尖らせるようにして咎めてくる。弱っているせいか、普段の調子ではなく子供っぽさが表面に出ている。こういう前川さんも素敵だと思います。
「恥ずかしいって、ワニの方がよっぽど……とか感じない?」
「どうしてだい?」
「え、どうしてって、んー……あ、水着が嫌いとか?それじゃあ着ないか」
「……恥ずかしいからじゃないか、水着なんて。露出が、下着と大差ないのに」
身を捩って水着の生地を引っ張りながら、前川さんがワニを脱ぐのを渋った理由を恥ずかしげに語る。じ -
Posted by ブクログ
“(ねぇ、宇宙人くん)
(なにかな、地球おねーさん)
(ここのなぞの地下施設にいる予定の宇宙人はお茶のみ仲間とかだったりするの?)
(良く肉じゃがとか作ってお裾分けに来てくれますよ)
(マジで。ちゅーか、ジャガイモって宇宙でも大活躍なのか、見直しちったい)
(……あのさ)
(んー?)
(宇宙人って、本当にいると思ってる?)
あたしが尋ねても違和感ない事柄を、まず相手から口にしてきた。思いの外真剣っぽく。
階段の中腹であたしは立ち止まり、男の子を見上げる。男の子は神妙な顔つきで、潤んだ瞳がアクエリアスの水溜まりみたいに飲み応えありそうな揺れ方だった。
(んむ、そうだなぁ……いる、って信じてるよ。 -
Posted by ブクログ
“藤和家に、エリオより先に入る。サンダルを脱いで廊下に上がり、エリオに「待て」と手の平で制する。「うー」と唸るエリオを無視して台所に向かった。奴に濡れ布巾を渡さなければいけない、足を拭かせる為に。今日は裸足での外出を注意したら、全力疾走で外に出て行ってしまったのだ。十代の反抗期とは異なる、子供の意地っ張りみたいなものである。
台所で顔を洗っている女々さんと「借ります」「うぃ」短いやり取りを交わして布巾を濡らして絞り、玄関に戻る。「ほれ」とエリオに布巾を放った。エリオはそれを摑んで、渋々といった態度を隠さないまま、足の裏を拭く。二回ぐらい撫でるように布巾を足に当ててから「キレイキレイ」「出来てな -
Posted by ブクログ
“握り拳をがむしゃらに降り下ろし、その前屈みの勢いで喉から声を絞り出した。
「働く!」
「ああ?」最後の文字が『け』じゃなくてホッと胸を撫で下ろ、しはせずに。
「わたし、社会、復帰?する……かも……って、思って、る、かな」
用水路に浮かべた笹の葉のように、語尾と決意が気弱に流れた宣言だった。
……まぁ、意欲はあるということで。初回故甘めに、エリオの社会復帰ポイント、+3。”
布団離れをした美少女エリオが社会復帰にむけて頑張ったり四十歳を向かえた女々さんがなんか色々する話。
りゅうしさん可愛いすぎ。
前川さんもキャラが好き。
しかし、なんだってこの町の人は前かごに人を乗せるんだ。
“「ど -
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