西條奈加のレビュー一覧
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ネタバレ上手く出来てた…!
以下微妙にネタバレ
不思議で有り難い話(授かった神様の力で人を救える)が
いつのまにか神様の力は人を傷つけるかもしれないものになり(p130どうして睦月神さまは〜)
それは「あったかい心(p132)」と言われてみたりして
このあたりまでは
「神様の力を持った女の子と色々な人達との話」というわくわくするような、時に切なくなるようなお話だったのに
後半に進むにつれて…
だんだんと…
そして神様は…
完全なるバットエンドじゃなかったのが救いですが
この設定で謎を残したまま色々な人の罪を映して生き方を変えて行くお話が続いて終わるのでも充分ありで面白かったろうな、とも思 -
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初めて読む作家さん。
元芸者で、神楽坂で履物店をいとなむお蔦さんと、両親の転勤と引っ越しの間、中高一貫校に通うために同居する孫の望の物語。
一世代飛ばした距離感が良い。
両親との関係はお互いになまなところもあるが、「おばあちゃん」は、押しも押されぬオトナである。
読んでいるこちらも、おばあちゃんの、とくにお蔦さんのような、世間が広く、人生の酸いも甘いも知り尽くした言葉には重みを感じるものである。
人の死なない「日常の謎」だが、『罪と人の心』がテーマになっているあたり、すぱっと犯人を逮捕して終わり、と言う爽快感がないうえに、意外に重い。
お蔦さんは、「子供だから知らせないでおく」「子供にはま -
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ネタバレ元女優であり,元芸者である粋な「お蔦さん」という老女を探偵役に据えた連作ミステリ短篇集。狂言回し的な位置付けで,中学生の滝本望という少年が用意されている。物語の舞台は,東京の神楽坂。望の両親が,父の仕事の都合で北海道に転勤しており,神楽坂には望と祖母であるお蔦さんが残っているという設定である。
滝本家は,代々男性が料理をするという家柄であり,中学生でありながら望は,かなりの料理の腕前であるという設定。設定だけ見ると,かなり特殊な作品である。日常の謎系のミステリだが,ややブラックなテイストに仕上がっているのも特徴の一つ。個々の物語は緩やかにつながっており,滝本望が恋心をいだく石井楓という少女 -
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座敷童やかぐや姫伝説などを盛り込んだ時代ファンタジー。
人間の罪悪感を映し出す目を持つ、イオという睦月童の女の子。前半は、大店の若旦那である央介とともに、江戸の街中で起こる事件の解決に乗り出す話で進められるが、後半は一転、その睦月童の力の根源である睦月神と対決する話へと移っていく。
前半の、睦月童の不思議な力を使った事件解決の話をもう2、3話読みたかったかも。後半の対決編もかぐや姫とか八百比丘尼伝説が盛り込まれて面白かったのではあるが、前半から後半への転換が性急すぎるのが残念だった。
結末は、果たして明るい未来、過酷な未来のどちらを予感させるものか、考えさせられるものであった。神様と言えど、 -
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おめえの鏡は罪じゃあなく、人に残った人らしいところを映すんだ。人にとっていちばん大事な、あったかい心だ。
ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める……。
人にとって「罪」とは何か。そして「許し」とは何か。イオの不思議な能力の源泉に隠 -
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不思議な力をもつ睦月童のイオと酒問屋の跡取り・央助との交流を描いた江戸時代を舞台とするファンタジー小説。
4話まではイオの力を使って人々を改心したり、事件を解決するなど畠中恵の『しゃばけ』シリーズのような日常ミステリを扱った作品のように感じるが、5話以降はイオと睦月童の謎に迫っていくことがメインになり4話までとは内容が異なってくる。そのためミステリ的内容を求めると肩透かしをくらうかもしれません(とはいってもそこまでミステリしているわけではないが)。
西條作品を薦めるなら、この作品よりも『千年鬼』の方がファンタジーとしては楽しめたのでそちらをおススメします。