西條奈加のレビュー一覧

  • 烏金

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    ネタバレ

    金貸のお吟の元にころがりこんだ何やら訳ありの浅吉。借金で身動きとれなくなった人に、暮らしの立て直しの手助けをしながら、借金返済にみちびいていく。浅吉の本当の目的は、地元甲府で貧しい村の生計の助けとなるようにブドウ栽培を始めるため、お吟の金を利用することだった。

    武士が借金まみれなこと、江戸時代の高利貸しの返済の過酷さなどは、当時の武士・庶民は熟知していたのに、浅吉がヒーロー気取りで知恵を出して暮らしを立て直し、みんなから感謝され好かれるなど、ちょっと話が稚拙。

    ただ、文章は読みやすい。

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    2017年07月14日
  • 三途の川で落しもの

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    読みやすく面白い作品だけど、似たような物語が多いので目新しさに欠けた印象。
    あらすじ(背表紙より)
    大きな橋から落下し、気づくと三途の川に辿り着いていた小学六年生の叶人は、事故か自殺か、それとも殺されたのか死因がわからず、そこで足留めに。やがて三途の渡し守で江戸時代の男と思しき十蔵と虎之助を手伝い、死者を無事に黄泉の国へ送り出すための破天荒な仕事をすることになる。それは叶人の行く末を左右する運命的なミッションとなった。

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    2017年02月22日
  • 無花果の実のなるころに

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    初めて読む作家さん。

    元芸者で、神楽坂で履物店をいとなむお蔦さんと、両親の転勤と引っ越しの間、中高一貫校に通うために同居する孫の望の物語。
    一世代飛ばした距離感が良い。
    両親との関係はお互いになまなところもあるが、「おばあちゃん」は、押しも押されぬオトナである。
    読んでいるこちらも、おばあちゃんの、とくにお蔦さんのような、世間が広く、人生の酸いも甘いも知り尽くした言葉には重みを感じるものである。

    人の死なない「日常の謎」だが、『罪と人の心』がテーマになっているあたり、すぱっと犯人を逮捕して終わり、と言う爽快感がないうえに、意外に重い。
    お蔦さんは、「子供だから知らせないでおく」「子供にはまだ早い」と決めつけるところがなく、少しづつ、望にも経験させた方がいいだろうというさじ加減を図っては、一緒に事件を解決し、望は成長していく。

    その代わりと言っては何だが、お蔦さんは花街の人らしく自分で料理をすることがなく、孫の望が台所を預かる。
    代々、男が厨房に立つ家系らしい。
    人情物と青春物が絡み、面白い。
    短篇集かと思いきや、複雑な糸で編まれているのだった。

    罪かぶりの夜/蝉の赤/無花果の実のなるころに/酸っぱい遺産/果てしのない嘘/シナガワ戦争


    表題作の前の2編は導入部といった趣。
    表題作からの3編は重く、「それでいいのか?」と思ったが、最後は主人公が一段階レベルアップして、いいところに落ち着いた感あり。
    そして、「さすが、お蔦さん!」と声を揚げたくなる。

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    2016年12月30日
  • 世直し小町りんりん

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    ネタバレ

    時代小説なのにとっても読みやすい話でした。
    お蝶の兄のお嫁さんなので義姉さんの沙十とのコンビで
    頼まれ事を解決して行くんだけど
    最初は登場人物のほとんど怪しいのびっくり
    でもまさかの・・・って展開なんだけどそれもまた裏があったかって
    ほとんどの登場人物に隠し事があるんだけど、テンポも良く進んで行きとっても面白かった。

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    2016年11月15日
  • 無花果の実のなるころに

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    『九十九藤』で魅了された著者の、現代ミステリーを初読み。
    元芸者でいまでも粋なお蔦さんとその孫という、ユニークな組み合わせの二人が主人公。
    舞台は神楽坂。情緒あふれる街で、二人が日常の事件を解決する活躍を「僕」の一人称で語られる。
    解説では、作品に対する深い洞察もあるが、ジャンルとしては、ほのぼのミステリーといっていいかも。
    代々男が料理する家系ということで、「僕」の料理がそこここに綴られ、特に『熱々リンゴの蒸し焼きパイ』は、詳しくレシピがあり、料理好き食べ物好きの読者は見逃せないか。

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    2016年11月15日
  • 睦月童

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    読みやすいお話だった。児童書でもいいかもしれない。
    個人的には最後はもっとはっきり大団円な方が好みだったかも。

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    2016年12月28日
  • 上野池之端 鱗や繁盛記

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    201610/色々きれいにまとまったエンディングは都合よすぎるとこもあるけど、西條奈加作品なのでアリかと。

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    2016年10月09日
  • はむ・はたる

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    ネタバレ

    「烏金(からすがね)」の続編。
    烏金で登場した孤児たち、長谷部家の人々、金貸しのお吟も再び登場。
    稲荷ずし売りで生計を立てる子供たちの成長ぶりが嬉しかった。
    人当たりの良い、長谷部家次男・柾(まさき)様が抱えた暗い一面も出てきて深みがあったけど。
    前作の主役、浅吉が問題解決をするときの様な鮮やかさが無くて、ちょっと物足りなかった。

    表題の「はむ・はたる」とは。
    異国の言葉で ファム・ファタル、「男を惑わす女」の意味だそう。

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    2016年08月28日
  • 睦月童

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    「人の罪を映す」不思議な目を持つ少女「イオ」
    後ろめたい気持ちのあるものは、イオの目が金色に光って見える。
    酒問屋の跡取り息子の央介(おうすけ)は、イオのお蔭で会心し、イオを妹のように可愛がるようになる(ほのぼの)
    しかしイオの生まれた里には、村人が近づいてはならない秘密があった。。。

    ファンタジーの設定が強引で、納得のいかない展開ではありますが、希望を持たせてくれる終わり方でした。
    主人公の央介が、商人の跡取り息子とは思えない、伝法な口調で話す場面が何度もあって、どうもしっくりこなかった。

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    2016年06月28日
  • 無花果の実のなるころに

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    ネタバレ

     元女優であり,元芸者である粋な「お蔦さん」という老女を探偵役に据えた連作ミステリ短篇集。狂言回し的な位置付けで,中学生の滝本望という少年が用意されている。物語の舞台は,東京の神楽坂。望の両親が,父の仕事の都合で北海道に転勤しており,神楽坂には望と祖母であるお蔦さんが残っているという設定である。
     滝本家は,代々男性が料理をするという家柄であり,中学生でありながら望は,かなりの料理の腕前であるという設定。設定だけ見ると,かなり特殊な作品である。日常の謎系のミステリだが,ややブラックなテイストに仕上がっているのも特徴の一つ。個々の物語は緩やかにつながっており,滝本望が恋心をいだく石井楓という少女を巡るストーリーが展開する。ブラックなテイストは好みなのだが,個々の作品のミステリとしてのデキはそれほど高水準ではない。ミステリというより,主人公の「お蔦さん」を含む,犯罪絡みの物語を楽しむという雰囲気の作品。評価としては★3かな。個々の作品の所感は以下のとおり

    ○ 罪かぶりの夜
     中学生が,恋愛感情を抱いている相手のために,犯罪者になろうとする話。というか,恋心を抱いている相手を利用して犯罪者にさせようとする話。ブラックなテイストの作品で読後感の悪さはなかなかのもの。

    ○ 蝉の赤
     学園祭で展示されていた絵画が破損するという謎を解明する作品。ダミーの解決では犯人がカラス。真相は挫折していた画家が破損させたというもの。凡作。

    ○ 無花果の実のなるころに
     振り込め詐欺がテーマの作品。孫だと思っていた人物が振り込め詐欺の犯人というなかなかブラックな読後感の作品。実は犯人はいい人だったのかも…という救いはあるが…。

    ○ 酸っぱい遺産
     お蔦さんが,芸者時代の客の遺言により,株式を相続するという作品。相続人から相続放棄をするように言われるが…。相続をめぐる人間関係のドロドロが描かれており,やはりテイストはかなりブラック。創業者のじいさんに似た相続人を同族会社から追い出し,裸一貫から会社を興すように仕向けたという話。ミステリとしての謎は皆無だが,お蔦さんの人柄がよく描かれている良作。

    ○ 果てしのない嘘
     滝本望が恋心をいだく石井楓という少女をめぐる話。石井楓の母が,望の同級生である小坂翠の父親と不倫をしたことがあり,小坂翠の父親を恐喝しようとしていたという話。滝本望と石井楓の父である乾蝉丸という画家が,真相を楓と翠に隠すという嘘を突き通すことを選ぶ。これもダークな話。

    ○ シナガワ戦争
     中学生同士の喧嘩の話。全くミステリ的な要素はない。凡作。

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    2016年08月04日
  • 睦月童

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    人の悪事を見抜く瞳を持つ童…に助けられた央介。最初彼がどうなってくのか心配だったが、イオのおかげでまともに。鯨の親分との場面はほのぼのしてよかった。話しは途中から時代物からファンタジーも入ってきて?どうなることかと思ったが…イオは人として人生を全うして欲しいな…

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    2016年06月18日
  • はむ・はたる

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    201601/前作を知らずに読んだけど面白かった。時代物だけど、史実史実してなくてある意味お伽話的なので、悲しいとこも尖った痛みではなくじんわりくるカンジ。

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    2016年01月30日
  • 睦月童

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    睦月神とはそーゆーものだったのね。
    なんだかもの悲しい。
    イオを取り巻く央介たちの心が優しく癒される。

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    2015年11月25日
  • 睦月童

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    座敷童やかぐや姫伝説などを盛り込んだ時代ファンタジー。

    人間の罪悪感を映し出す目を持つ、イオという睦月童の女の子。前半は、大店の若旦那である央介とともに、江戸の街中で起こる事件の解決に乗り出す話で進められるが、後半は一転、その睦月童の力の根源である睦月神と対決する話へと移っていく。
    前半の、睦月童の不思議な力を使った事件解決の話をもう2、3話読みたかったかも。後半の対決編もかぐや姫とか八百比丘尼伝説が盛り込まれて面白かったのではあるが、前半から後半への転換が性急すぎるのが残念だった。
    結末は、果たして明るい未来、過酷な未来のどちらを予感させるものか、考えさせられるものであった。神様と言えど、人間に対して万能とは限らず、試練を与えるものなのかな。後味の良くない終わり方ではあったけれど、決して不快ではなかったのが良かった。

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    2015年11月06日
  • 睦月童

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    おめえの鏡は罪じゃあなく、人に残った人らしいところを映すんだ。人にとっていちばん大事な、あったかい心だ。
    ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める……。
    人にとって「罪」とは何か。そして「許し」とは何か。イオの不思議な能力の源泉に隠された秘密とは何か。そしてイオの過酷な運命を、央介は救うことができるのか。

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    2015年10月25日
  • 睦月童

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    不思議な力をもつ睦月童のイオと酒問屋の跡取り・央助との交流を描いた江戸時代を舞台とするファンタジー小説。
    4話まではイオの力を使って人々を改心したり、事件を解決するなど畠中恵の『しゃばけ』シリーズのような日常ミステリを扱った作品のように感じるが、5話以降はイオと睦月童の謎に迫っていくことがメインになり4話までとは内容が異なってくる。そのためミステリ的内容を求めると肩透かしをくらうかもしれません(とはいってもそこまでミステリしているわけではないが)。
    西條作品を薦めるなら、この作品よりも『千年鬼』の方がファンタジーとしては楽しめたのでそちらをおススメします。

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    2015年09月24日
  • 世直し小町りんりん

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    残り3分の1で??
    なんか読んだことあるな?
    !単行本ん改題して文庫本にしただとぉ!?
    続編かと・・・文庫書き下ろしで続編かと・・・

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    2015年07月23日
  • 睦月童

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    日本橋の下酒問屋国見屋の主人が連れ帰った不思議な少女イオ、罪を犯した人には目が金色に光って見えるらしい、と、その国見屋の道楽息子の央介を軸に進んでいくお話。最後はかぐや姫も絡んできて、よくこういうお話を思いつくなぁって感じ。これは、ライトノベルというよりもファンタジーかもね。

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    2015年07月06日
  • 睦月童

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    不思議な力を持った女の子と彼女に助けられた大店の跡取り息子が主人公の時代ファンタジー。
    イオがとても可愛らしくほのぼの進んでいくかと思いきや、段々雲行きが怪しくなっていく。
    後味がなんとも言えない。二度と同じことが繰り返されないよう願う。切なさと哀しみ、優しさとぬくもりが絶妙の塩梅でした。

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    2015年07月04日
  • 無花果の実のなるころに

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    神楽坂、ということでSR中に読む
    もうちょっと若い頃、中学高校あたりで読んでいたら好きだったかなーと思う

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    2015年06月28日