西條奈加のレビュー一覧

  • 曲亭の家

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    書き下ろし

    滝沢馬琴の息子に嫁ぎ、失明した馬琴の口述を筆記して八犬伝を完成させたお路の物語。

    作者のほんわかした人情話が好きだった。直木賞受賞作『心淋し川』で、読み手が切なくなる人の心の深さを書くようになったが、各話ごとに救いがあった。でも、この作品は書き下ろしのためか、前半までは小心の裏返しで尊大で癇癪持ちの馬琴と息子のためにひたすらお路が苦しむのに、読むスピードが上がらない。夫のDVで流産した場面では読むのをやめたくなった。
    ラストを「人の幸不幸は、おしなべて帳尻が合うようにできている。お路は最近、そう思うようになった。不幸が多ければ、幸いはより輝き、大過(禍のまちがい?)がなくば、己

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    2021年05月20日
  • 銀杏手ならい

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    自身も捨て子だった主人公の萌、
    子供ができず実家に戻って、手習い所を手伝う。
    子供たちと向き合う内、両親が血の繫がらぬ萌を慈しみ、愛情深く育ててくれたことを理解する。

    子供一人一人に合わせた教育
    様々な内容の手習い所、選択できる教育
    現代日本の教育と比較してどうなのでしょう。

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    2021年04月25日
  • 三途の川で落しもの

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    生きることとは何か、命とは何なのかを考えさせられる。
    大分時代錯誤な登場人物が出てきたな、と思ったが、この作家さん、結構時代小説も書いているらしく。漫才の様なボケをする時代組と、ツッコミ役の小学生、と言うバランスも面白かった。

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    2021年04月24日
  • 涅槃の雪

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    ★3.9 2021.03.20

    とても読み応えのある物語だった。
    北町奉行遠山金四郎の元で与力として働く高安門佑の目を通して、老中水野忠邦の天保の改革を描いている。
    史実に忠実であろうとするあまり、説明が長く、途中面白味にかける部分があったが、主人公はもちろん、敵役の鳥居耀蔵もとても魅力的な人物だった。
    ネタバレになるので詳しくは書けないが、門佑の姉の園江には絶対に勝てない。
    絶対に勝てない。
    武家の子女には子女なりの戦い方があるということか。


    ↓↓↓内容↓↓↓
    町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。

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    2021年03月20日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    あまり好きじゃない内容かな、と思ったのにどんどん読んでしまう、読まされてしまう、ような引力があった。
    オタクと呼ばれる人たちの抱える痛みや、DVから逃れ隠れるように生きる人たちが直面する困難に気付かされる。

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    2021年03月19日
  • 睦月童

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    ネタバレ

    睦月童(むつきわらし)

    著者 西條奈加
    PHP研究所
    2015年3月10日発行

    江戸時代のファンタジー小説。
    睦月童とは、座敷童のことらしい。

    長編小説だが、7話からなっていて、4話までは一話完結的な展開で、ミステリー小説。後半は、ファンタジー的な展開と締めくくり。
    江戸・日本橋の酒問屋の主人が、岩手・盛岡郊外の山里から1人の少女を預かってきた。1年間、預かるという。七つぐらいに見えるイオという少女。
    東北弁の素朴なかわいらしい子。しかし、彼女を見ていきなり手代の一人が腰を抜かす。彼女の目が金色に光っているという。そして、店の金3両を着服したことを白状する。
    次に金色の目に腰を抜かしたの

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    2021年03月17日
  • 刑罰0号

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    ネタバレ

    初代0号では、精神の弱さから
    被害者の体験に耐えることができなかった加害者たち
    それは実験の失敗だったのだろうか?

    死刑囚が死刑になっても奪われた命は戻ってこない
    ある意味、この機械が有効な加害者にとっては
    死刑以上の刑罰を与えることができるようになったのではないかと感じてしまうのは、
    作中に書かれている""日本人的""思考なのかも

    話が進むに連れ、
    開発者の部下であった江波と仲間の手によって
    目的を変え、進化を遂げる0号
    その過程がおもしろい

    後半は収束に向かってテンポよく進んで
    ちょっとテンポ良すぎる感もあるけど
    すごくサクサク読めて一気読みで

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    2021年03月15日
  • 銀杏手ならい

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    202010/新米師匠の萌が、筆子達とともに成長していく姿が書かれた人情時代もの。しみじみ味わいながら楽しめた。

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    2021年01月03日
  • 刑罰0号

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    犯罪者に被害者の記憶を注入して贖罪を促したり、それを応用した核廃絶のための大規模な試みなど、発想は斬新だし訴えるメッセージも強いものです。
    なのに頁がなかなか進まないのは何故だろう。
    西條さんの時代小説ならそんなことないのに。

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    2020年11月20日
  • 銀杏手ならい

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    萌の、子供達一人一人と真っ直ぐ向き合う姿が印象的な1冊だった。小学生の時、あまりいい先生に恵まれなかったので、こうやって向き合ってくれる萌先生の元にいる子供達が少し羨ましかった。
    ひとりとして、同じ性質の者はいない。
    先生じゃなくても、一人一人向き合うのが必要だと、おしえてもらったように思います。
    また、大銀杏の下に捨てられていた赤ちゃんを養子にし、先生をしながら慣れない子育てを頑張る萌の姿も、一人の女性として、応援しながら読み進めていました。その萌の子供に対する、萌の母、美津の姿に、微笑ましくなります。
    ほっとする、とても優しい、江戸時代のお話でした。

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    2020年11月20日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    キャラがたった2人の警察官と、足だけの幽霊足子さんのお話。面白いような悲しいような不思議なテンション。
    2020/8/28

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    2020年08月28日
  • 三途の川で落しもの

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    いじめ問題が主なテーマだと思うのですが、何故か三途の川というちょっと不思議な舞台設定。
    2人の侍や三途の川の番人とのやり取りはユーモラスで、最後の解決も良い感じでしたが、このテーマと舞台の組み合わせの必然性がよく分かりませんでした。

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    2020年06月16日
  • 九十九藤

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    江戸の人材派遣業、口入屋。縁あってその女主人と
    なったお藤は、祖母仕込みの人を見る目と持ち前の
    胆力で、傾きかけた店を繁盛させていき…。
    己と仲間を信じて人生を切り開くお藤の波乱万丈の
    半生を描く時代長編。

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    2020年06月19日
  • 上野池之端 鱗や繁盛記

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    江戸の料理茶屋を舞台にした平和な人情話かと思いきや、所々に見え隠れする不自然さが後半になって明確な悪意となって現れた。
    その悪意によって後味を悪くしてしまいましたが、読み易い文章も個性的なキャラクターも、当時の食文化を味わううえでも楽しく読める作品だったと思います。
    このままだとただの復讐譚になってしまうので、新生した鱗やが新たな女将の元で発展していくような続編を期待したい。

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    2020年05月09日
  • はむ・はたる

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    「読んだ瞬間分かる、好きなやつやん!」
    というのは、やや大げさかもしれないけど、数ページで登場人物たちに心つかまれたのは事実。実はこの作品は『烏金』という作品が先にあって、この『はむ・はたる』は、その登場人物たちのその後を描いた作品でもあるみたいです。自分は『烏金』は未読だったのですがそれでも特に気にならなかったから、それだけ魅力的なのだと思います。

    時代小説らしい粋のいい子どもたちのやりとりから始まり、その子どもたちの恵まれない生い立ちと、悪行から手を洗いまっとうな商いに精を出す現在の姿。そして、そんな子どもたちの回りの大人たちと、いずれの描写も小気味よく、そして血が通っていることを感じま

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    2021年01月20日
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き

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    西條さんらしくないオタク要素に満ちた作品だと思っていたら、解説に実は彼女がアニメオタクだと書いてあってビックリした。 
    オタクものは自分が知らない世界に触れることができるので、実は読んでいて結構楽しいことに最近気がついています。

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    2020年01月05日
  • いつもが消えた日

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    1巻目と違って、結構深刻。
    孫の後輩の一家3人が行方不明になった事件に、お蔦さんの推理がさえる。
    ご近所さんのサポートが暖かい。神楽坂ではまだコミュニティが残っているのだね。

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    2019年09月14日
  • 無花果の実のなるころに

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    元芸者できっぷの良いお蔦さんと中学生の孫の望が、神楽坂界隈で起こる事件を解決する。

    神楽坂という場所
    元芸者で女優という過去と中学生の日常
    お蔦さんのカッコよさとノゾミちゃんの優しさ

    次巻も読みたいと思う本です。

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    2019年08月25日
  • 大川契り―善人長屋―(新潮文庫)

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    お江戸は日本橋。
    通称、善人長屋。その実、掏摸に騙りに美人局。長屋唯一の善人加助以外は、全員裏稼業を持つ悪人長屋。

    一寸の虫にも五分の魂。悪人にも五分の優しさ。
    良いねー、義理と人情。家族、義兄弟、縺れた家族の行方を丹念に描く人情時代小説。

    コンプライアンスだの何だの、形ばかりの堅苦しい昨今に、人の温かさを感じる一冊でした。
    西條氏の人情ものは実に気持ち良い。

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    2018年11月19日
  • 睦月童

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    童の話かと思いきや、最後は草の執念のような話に。『パラサイト・イブ』みたい。人の想いVS草 的な構図になっている。

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    2018年10月23日