富野由悠季のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ原作21~24話といった辺りだが、展開は原作とは大きく離れている。しかしそのアレンジの仕方がまた技巧をこらしていると思う。中立地帯クスコでの補給シーンを入れることで黒い三連星と接触させ、三連星の出番を原作より増やしているのが大人の魅力を増している。ハモンの復讐が原作とは違うタイミングで来る点は一概に良いとは言えないが三連星に繋いだのは素晴らしいアイデアだと思う。ハモンを助けたタチ中尉の描写にもこだわりが見える。
なお、初登場のドムの描写はあまりにも格好よすぎてドム好きの私は思わず涙腺を刺激されてしまうレベルだった。また、カイのレビル批判やキャノンザク(ザクキャノンではない)も見物。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのレビューに辿り着くということは、貴方はよほど熱心なガンダムファンか、あるいは熱心な富野信者でしょうか。
であるなら、本作のストーリー・面白さ・悲劇性・あるいは富野成分の濃さ(笑)については、今更解説する必要はありませんね。
本当に、誰も救われない話です。登場人物がその無慈悲な運命に翻弄され蹂躙されるような話は、私の好みですが、この「閃光のハサウェイ」はかなりキツい。下巻にてハサウェイが捕縛されてから処刑執行までの展開には、辛くなって何度も本を閉じてしまいました(結局また開いてしまいますが)。
ハサウェイが辿る人生の軌跡は、かつてのシャア・アズナブルを彷彿とさせます。恵まれたニュータイプの資質を持ちながら(本人たちは謙遜していますが、ことMS戦闘においてはシャアもハサウェイも優秀なニュータイプといえます)、不思議な少女と出会い、悲しき別れを経て、革命を志しテロ組織の首魁となりますが、やがて破滅的な最期に向かって転がり落ちていった…
こんな風にまとめると、二名は同じ轍を踏んでいます。明らかに著者の意図したところでしょう。歴史は過ちを繰り返すとはいいますが、これではあまりにやるせない。
ハサウェイとブライト・ノアのすれ違いも、今作の無常感を高めていますね。ブライトについての描写は控えめですが、撃墜されたガンダムを眺める時の台詞などでストーリーを引き締めているし、ハサウェイ処刑後のノア一家についても、あえて書かれないことが想像力を掻き立てます。
それにしても、今作を書き上げた時富野氏はどんな心境だったのでしょうか…日々明るい気分だったら、こんなストーリーにはなりませんよ。ララァ・スンとかギギのようなスピリチュアル少女をよく出させるのも、考えあってなのか、ただの好みなのか、気になるところです。本当に面白い人ですね。
ガンダムと長く付き合っていてまだ未読の人は、是非手にとってみてください。きっと、あなたのガンダム観をより広げてくれると思います。