濱嘉之のレビュー一覧
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平成のこれまで30年を振り返る時、誰の記憶にも残る事件がオウム真理教による地下鉄サリン事件ではないでしょうか。本書はその事件の時に捜査員であった著者が自らの経験をもとにオウム真理教が引き起こした一連の事件(地下鉄サリン事件だけではなく、坂本弁護士拉致事件や松本サリン事件など)をフィクションとして再構成したものです。
登場人物はすべて架空の名前ですが、実際の名前を容易に連想できるので(例えば麻原彰晃は阿佐川光照など)、ほぼノンフィクションとして読むことができます。
全3巻の上巻は、オウム真理教が爆発的に信者を増やし、密造銃の作製や、サリンをはじめとする毒物を生産するなど武装化を進め危険な存在とな -
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日銀の古札 1500億円が 行方不明になった。
200ヶ所以上のコンビニATMから 18億円が引き出された。
ふたつの事件を 3年間 情報の研修していた黒田純一は
警視庁に新しい組織 情報室の室長に任命される。
別々に起こった事件がからみあって、本質に迫る。
ATMから、引き出された時の画像、そしてNシステム、
防犯カメラから 引き出し子 が 解明されていく。
日本の指定暴力団 福比呂組とチャイニーズマフィアが
仕組んだのだった。
また、その手法はGPS偽装ソフトで位置をつかめなくするのだ。
黒田純一の持っている人脈で、福岡、大阪のヤクザの協力者、
韓国の宗教団体のリーダーとあうことで、真 -
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濱嘉之『カルマ真仙教事件(下)』講談社文庫。
下巻では、上巻の冒頭に提示された余命三ヶ月の男がカルマ真仙教元信者の死刑囚から五億円を預かった話の解決編となっている。事件としては実質的に中巻で完結しているので、下巻はやや蛇足的な感じがした。また、元公安捜査官の肩書が邪魔するのか、いつの間にか物語の視点が事件そのものから公安警察組織に移ってしまったことも気になった。
上巻と中巻が非常に面白かっただけに、下巻の尻すぼみ感は勿体ない。これではノンフィクションと何ら変わらず、創作小説なのだからもっと驚くような展開があれば良かったように思う。
この著者の作品は何作か読んだが、このレベルが限界なのだと -
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監察係長 榎本博史のメリハリのついた活躍がおもしろい。
公安総務課調八の係長山下が、青山望なんだね。
身代わり出頭
交通部長のベンツがひき逃げ事件のクルマだった。
息子も警察官で企画課にいて、そのクルマを運転していた。
ところが、胡散臭そうなオンナが身代わりで出頭した。
そのオンナの家にガサ入れしたら、8000万円ほどの預貯金があった。
ふーむ。オンナも出頭するなら、お金を処理してからいけよ。
どちらにしてもウカツなのだけど、そのことから、
とんでもない方向へ発展していく。
北朝鮮の工作車で、交通部長、息子の警察官が
はめられていたと言う話へ。
まったく、公安事項な話なのだね。
公安の裏金 -
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警視庁警務部人事一課監察係長 榎本博史の
雰囲気が 実にいい。
出過ぎず、出しゃばらず、相手を見て対応する。
その許嫁の 菜々子も、榎本に対して、
はっきりと ストレートに言うのが おもしろい。
3つの章から成り立っている。
警官による拳銃自殺。
蒲田署で、警察官が拳銃によって自殺した。
その自殺した梨田は、優秀で、積極的であった。
強姦犯を、徹底して追いかけていた。
その原因は、父親が 検事で、強姦犯に対して甘い裁定をした。
そこからくる 言いようもない絶望。法ではさばききれないこと。
そのことを知って、突き進んでいく。
痴漢警部補の沈黙。
この章が 優れていた。
ヤクザの親分と警部補の -
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設定は 伊勢志摩サミット。
徹底した警戒の中で 英虞湾の養殖真珠のいかだを
時期を間違えて引き上げたことで、死体が発見される。
それは、特殊な縛り方と孔があいた包み方だった。
関西系のヤクザとヨットが操れるものだとわかる。
腐敗が激しく、死因も不明だった。
青山望は、カルテットと一緒になって、
その死体が誰で、なぜ 殺されたのかを探っていく。
その背景には、パナマ文書にも関連して、
ブラックジャーナリストが、ブラックマネーを集めていた。
そのフィクサー的な存在が 経済ヤクザの清水だった。
そこから、様々な情報が えられて 真相が明らかになる。
現在のように 企業の不正が多いと、
ブラックジ -
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監察係 警察官の不正をただすところ。
自浄作用が活かされるといいのだが、
やはり、圧力に屈するところがありそうだ。
監察係の持つ、人的な資質に関与するんだね。
警察の機構を鮮やかに切り抜いただけでも、意味がある。
新宿署犯罪対策課課長代理 三田村陽一にまつわる話。
腕利きで、ヤクザにアニキと慕われている。
三田村には 新宿のルールがあった。
花牧組に、顔を出し、新宿の縄張りを守っている。
天真星という宗教団体をヤクザと一緒に脅していた。
三田村の義父の土地を 天真星の下部組織の農業団体に売ったが
転売されて、墓地になっていたことに言いがかりをつける。
それで、定期的に 天真星より、お金が振り -
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前作「報復連鎖」の続編ともいえる物語。
一応の解決はみたものの、青山は事件が終わったとはどうしても思えない。
豊富な人脈をいかした情報収集と分析で、バラバラに思えた事件が徐々にひとつの繋がりをみせていく。
警察官でありながら道を踏み外してしまう者。
自分の欲望に負けたとき、人は間違った選択をしてしまうのかもしれない。
物語の中で中国の現在の形態は長くは続かないだろうと書かれていた。
本当に国の利益を考え国民の幸福に目を向けたとき、きっとあの国は大きく変貌し本当の意味での発展をするのだろう。
原発の安全性が問われるいま、もう少し国が安全ということを考えたほうがいいような気もする。
原発や基地が一 -
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大手の医療法人の理事長が参議院選挙に立候補した。
選挙戦に不慣れな理事長・中村に、選挙を食いものにしている人間が群がっていく。
残念ながら落選した中村は次点候補となる。
やがて中村からまとまった選挙運動資金をせしめた市会議員がひき逃げされ死亡。
次いで京都で当選した参議院議員が、やはりひき逃げされて事故死する。
繰上当選となった中村の周辺で、事務長としてともに病院経営や選挙戦を戦ってきた金指が失踪し、中村は捜索を警察に依頼してきた。
はたして二つのひき逃げは偶然なのか?金指の行方は?
警視庁幹部の間で、青山を中心とした同期同教場の4人は「カルテット」と呼ばれ、徐々に知れ渡っていた。
従来の枠組