ウォルター・アイザックソンのレビュー一覧

  • スティーブ・ジョブズ(3)

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    ネタバレ

    スティーブ・ジョブズのカリスマ性と「現実歪曲フィールド」という側面を描いて面白い。グロービス大阪校で組織行動学を教えていた時、ハーバードビジネススクールのケース「ドナ・ダビンスキーとアップル社」というケースを扱ったが、ちょうどこの時期。会長としてAppleⅡ、Lisa、McKintoshといった各プロジェクトに容赦なく口出しをし、社長と対立。各社から集まってきたエンジニアたちがカオスの中に放り込まれ、ウォズが趣味の小型飛行機の事故で働けないという要因も加わる。でも164頁のApple IIのデザインは今でも十分通用するシンプルさだと思う……91-93年にニューヨークのコロンビア大学でMBAを勉強していた時、使っていました。日本から持って来たDos Vで動く東芝Dynabookのノートパソコンと一緒に、お世話になりました〜m(__)m。

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    2014年12月12日
  • スティーブ・ジョブズ(2)

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    経営者と技術者。
    どちらが欠けても、多分、ダメなんだろう。

    でも、わたしは技術者の方が大事に感じるんだなぁ。
    それは、自分がそっちよりの考え方をしているからだと思います。
    ウォズ、めっちゃいい人。

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    2014年09月17日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    スティーブ・ジョブズの貴重な青年期の記録。
    淡々と語られる半生は伝記を読んでいるよう。
    テルマエロマエとは一味違うヤマザキマリのテイストが渋い!

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    2014年05月14日
  • スティーブ・ジョブズ(2)

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    やっぱり、色々と意外な事実があって面白いな。順調に思えたアップルだけど、やっぱり最初は色々あったんだねえ。ここからどうやってあそこまで拡大していったのか、ストーリーも意外に引き込まれるんだよな。

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    2014年04月26日
  • スティーブ・ジョブズ(2)

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    改めてジョブズの行動力と揺るぎない強い意志にとても刺激を受ける。今回はインドの旅からアップル2の開発まで。

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    2014年04月22日
  • スティーブ・ジョブズ(2)

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    ネタバレ

    ヒッピーなスティーブ・ジョブズさんが、徐々に変わっていく様子が描かれていて、ページを進むごとにのめり込んでいきます。この巻の中では特に会社の名前を「アップル」と決めるところが好きです。
    後半の方にジョブズさんとウォズニアックさんがショートするシーンは二人の感情が時を超えて、こちらまで伝わってくるかのようです。
    それとマイク・マークラさんの登場シーンは映画『スティーブ・ジョブズ』を彷彿させます。

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    2014年08月06日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    圧倒的な画力で描かれています。登場する人たちと実際にあったことがないのに「そう、そう、こんな顔の人だった」て思ってしまうほどです。原作の内容が漫画ならではのアレンジがされていて、その世界観に時間を忘れてのめり込んでしまいます。
    スティーブ・ジョブズさんが好きな人は「このエピソードも載せて欲しかったな」て感じるかもしれません。

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    2014年04月20日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    冒頭の入り方はなかなか良かった。
    スティーブジョブズについては全然知らなかったんだけど、技術一辺倒って感じの人ではなかったんだな。禅にはまったり、インドに修行に出かけたり、色々と意外だった。

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    2013年12月29日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    まあ、めちゃくちゃな人ですよね。基本、自分勝手だし。
    だから、魅力があって、おもしろい。

    天才ってやつは……。

    ヤマザキ マリの絵は、淡々としていて、もの物語にはあっている気がします。

    そういえば、「風呂に入らない→肉食ってないから大丈夫」ってコンボは、どこかで聞いたなぁと思ったら、もしかして庵野 秀明のエピソードで、そんなのがあった気がします。

    天才ってやつは……(笑)

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    2013年11月08日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    ジョブズのことをほとんど知りません。
    分厚い伝記に抵抗があり、漫画で知りたいと思います。
    雰囲気も良くて興味深い、次巻が楽しみです。

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    2013年09月21日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    面白かった。
    思えばジョブズを知ったのも、小学生の時に読んだ漫画だった。
    本は読んでませんが、漫画で読みますw

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    2013年09月01日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    世界を変えた男
    とても興味があったけれど 難しすぎて
    でも コミックで発売になった
    バンザーイ!
    ≪ 天才の そばにはきっと 居たくない ≫

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    2013年08月29日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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     リアルな変人を描かせれば世界一なヤマザキ先生によるスティーブ・ジョブズの自伝漫画。やはり普段変人に取り囲まれているヤマザキ先生はこういう人を描くのがうまいです。

     あぁこいつは天才だ。スティーブ・ジョブズという男の印象は自分にとっては天才としか思っていませんでしたが、やはりこの作品を通しても天才ですね。自分のすべてが正しく、自分を疑わず、千の成功を掴んでいく。子供時代からそんなんだからそりゃすごいっすわ。他人からみれば偏屈、だけどそれで成功しているんだから天才なんですよねぇ。そして、この天才思考をうまく絵に反映しているところがヤマザキ先生のすごいところ。スティーブの「こいつ何言ってんだ、バカかよ」のときの真顔がなんとも雰囲気でていて良い。やっぱりリアルな変人を描けるヤマザキ先生もまた天才なのだ。

     さすがの変人っぷりでしたがこの先もどんなことしていくのか楽しみではありますね。これ読み終わったら原作の自伝も読むかな~。

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    2013年08月23日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    テルマエ作者が伝記を漫画化。筆ペンでシンプルに描かれている。カバーも原作同様シンプルに。ジョブズファンとしては嬉しい仕上がり。原作の文面だけではイメージしにくかった製品や部品も細かく描かれていて楽しめる。風景なんかも。次巻が楽しみ。映画も楽しみ。

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    2013年08月20日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    ジョブズの若い頃が描かれているのだが、絵がつくことで彼の憎たらしい基地外振りが更に良く伝わるようになっていて、彼に振り回された人の気持ちを追体験できる。うれしくないけど。
    要は彼は「きれいなサイコパス」だったのだなー、と得心した。

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    2013年08月15日
  • スティーブ・ジョブズ(1)

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    めんどくさいろくでなし! それでも魅力的な猊下であられる。原作の広いエピソード群から捨て、拾い、膨らませる取捨選択が絶妙で、淡々とした中にもはっとする表現がある。作者の職人的な面に驚いた。

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    2013年08月14日
  • スティーブ・ジョブズ I

    購入済み

    期待通り

    巻頭の写真は何度も見返したくなる

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    2011年11月23日
  • イーロン・マスク 下

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    イーロン・マスクの人物像や、彼が手がけてきた事業・会社への理解を深めるのに良い本。個人的には、上巻の方が話としては面白かった。

    下巻はTwitter経営の話が多いが、その買収後に行われた大規模な解雇の悲惨さや無情さを知ると、暗い気持ちになる。また、広告収入を基盤とするTwitterのビジネスモデルや、SNSに求められる倫理観を考えると、イーロンの経営スタイルや対応は、SNSという事業とは相性が良くないように感じた。(現に、差別や偽情報の拡散をめぐって、欧州当局からも問題視されてることが多い)

    モノづくりの世界では、細部まで自ら把握しようとする技術オリエンティッドな経営者として魅力を感じる。一方で、社会への影響や倫理観が強く問われるSNSの経営者としては、いてほしくないと思った。

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    2026年08月14日
  • イーロン・マスク 下

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     ベゾスとマスクはある意味似ている。ふたりとも、情熱とイノベーションと意志の力で業界を根底から変えてきた。部下の扱いは手荒だし、なんでもすぐばかやろうと言い出すし、できない理由ばかり探す人がいると腹を立てる。目先の利益を追求せず、未来を見すえて進む。ベゾスは、 利益のつづりは知っているかと尋ねられ、同音異義の「prophet (予言)」と答えたことさえある。
     だが、こと技術開発の方向性はまるで異なる。ベゾスは体系的に進める。モットーはラテン語 "Gradatim Ferociter”、「一歩ずつ、果敢に」だ。対してマスクは直感的である。めちゃくちゃな期日を設定し、リスクを取らなければならなくても構わず、そこに向けて周囲の尻をたたきまくってシュラバを生み出す。
     マスクは打ち合わせを何時間も続け、技術的な提案をしたり思いつきの命令を下したりするが、 それはどうなんだろうとベゾスはいぶかしげだ。マスクは言うほどモノを知らないし、彼の介入はあまり役に立たないどころか問題を増やすだけのことが多いと、スペースXやテスラにいた人々からも聞いているそうだ。
     一方マスクは、ブルーオリジンがスペースXほど成果を挙げられない理由のひとつに、ベゾスが下手の横好きで技術を重視しないこともあると言う。2021年末の取材でも、「工学の才能がそれなりにある」と一応はベゾスを持ち上げたあと、「細かな点にエネルギーを注ぐつもりがないように見受けられる。悪魔はそういうところに潜んでいるのに」とくさしている。


    「ポリトピア」処世術
    共感は資源ではない。「彼と違って私には共感力の遺伝子があって、だから、ビジネスで心が痛んだりするわけです」とキンバルは言う。「「ポリトピア」をプレイすると、共感を排除するとどう考えるのか、兄がいつもどう考えているのかがわかります。ビデオゲームには共感が入る余地がありませんからね」

    ゲームのように人生を送れ。「なんていうか、子どものとき、こういう戦略ゲームで遊んでいたらお母さんに電源を引っこ抜かれ、でもそのまま気づかずにプレイし続けている人生ってそういうものなのかもしれないね」とジリスはマスクに言ったことがあるそうだ。

    敗北を恐れるな。「負けるんですよ。つらいですね。最初の50回くらいは。でも負けるのに慣れてしまえば、感情に左右されることが減ります」とマスクは言う。つまり、豪胆にリスクが取れるようになる。

    先を見越して動け。「私はカナダ人らしく、ちょっと平和主義的で、状況の変化に対応するタイプなんです。ゲームのプレイスタイルも、どういう戦略が自分にとって一番いいのかを考えるのではなく、ほかの人たちがすることに反応してばかりです」とジリスは言う。女性にありがちなパターンなのだが、仕事でもまったく同じことをしていると気づいたそうだ。そして、みずから戦略を組み立てなければ成功はおぼつかないと、マスクからもマーク・ジュンコーサからもよく言われているという。

    ターンごとに最適な手を打て。「ポリトピア」は30ターンで終わる。だから、毎回、最善手を打たなければならない。「「ポリトピア」と同じく人生もターンの数が決まってるんですよ」とマスクは言う。「うかつなターンがあったら、火星に行き着けなくなってしまいます」

    倍賭けする。「どこまで可能なのか、その限界を試し続けるのがイーロンのプレイスタイルです」とジリスは言う。「倍賭け、倍賭けをくり返し、得たモノすべてをまたゲームに投じてどこまでもどこまでも成長していくんです。まるで彼の人生そのものですよね」

    選んで戦え。「ポリトピア」では六つとか下手すればそれ以上の部族に囲まれ、戦いをしかけられることがある。全部に反撃したらまちがいなく負ける。マスクはこの教訓を我が物にできておらず、ジリスが教えてあげることになったという。「ほら、いま、あっちからもこっちからも攻撃をしかけられているけど、全部に反撃したら資源が尽きちゃう」という具合に。彼女はこれを「戦線最小化」と呼んでいる。ツイッターでのやりとりも同じだと教えているのだが、こちらも、なかなかわかってもらえないらしい。

    休むのも大事。「妻との関係がおかしくなりかけて、プレイするのをやめました」とキンバルは言う。ジリスも「ポリトピア」を削除したという。グライムスも。実はマスクも、削除したことがある。「あまりに多くのブレインサイクルを持っていかれてしまい、「ポリトピア」を削除しなければならなくなったんです。夢にまで見るようになりましたからね」とマスクは言う。 この「休むのも大事」も、マスクは身につけるのに苦労しているようだ。数カ月で再インストールし、またプレイするようになったのだ。


     ツイッターは人に優しい職場であることを前面に押し立てている。甘やかしは善なのだ。
    「ツイッターは、まちがいなく、共感にすぐれ、多様性を尊重してどんな人もウェルカムな会社でした。社員には、安心して仕事をしてほしかったんです」と、マスクにクビを切られるまで最高マーケティング・人事責任者を務めていたレスリー・バーランドは言う。だから、完全在宅勤務も選べるし、心の「休息日」も毎月1日取ることができる。「心の安全」という言葉がよく使われる職場で、不安を取りのぞく努力がなにかと払われてきた。
    「心の安全」なる言葉を耳にしたとき、マスクは、ふっと苦い笑いを漏らした。切迫感、進歩、軌道速度など、彼が大事にするものの敵であり、背筋がぞっとする言葉なのだ。そんな彼が好んで使う言葉は「本気」だ。また、彼にとって、不安はいいものだ。充足感という病と戦う武器になるからだ。休暇、花の香り、ワークライフバランス、「心の休息日」など知ったことではない。そのあたりも、洗いざらいわかってもらわなければならない。


     しぶしぶながら、1月3日まで延期することをマスクも承知した。人員整理は、その日のうちに署名なしの電子メールで社内に告げられた。
    「ツイッターを健全にするため、世界的な人員の整理という困難に立ちむかわなければならない」
     世界全体で社員の半分をレイオフする。インフラストラクチャーチームの一部は90%をレイオフする。社有コンピューターへのアクセス権限や電子メールは、レイオフと同時にオフとする。 マスクは、人事部の幹部も大半をレイオフした。
     しかも、これは第1ラウンドにすぎない。血の粛清はぜんぶで3ラウンドになるのだ。

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    2026年02月23日
  • イーロン・マスク 上

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     マスクはペイパルを再編し、独立のエンジニアリング部門をなくした。エンジニアは製品マネージャーとチームにする。このあと、テスラでもスペースXでもツイッターでも採用することになるマスク一流の哲学だ。設計と製造の分離は機能障害をもたらすというのだ。作りにくい設計にしたら設計者が痛みをじかに感じるようにしなければならない。であれば当然なのだが、チームは製品マネージャーよりエンジニアに率いらせるほうがいいとも考えている。ロケットにはまちがいなく当てはまるが、ツイッターにはそうでもないように思われる考え方だ。


    「いやもう腹が立って腹が立って。腹が立つと、私は、問題の枠組みを変えようとするんです」


     原因のひとつは、軍やNASAが仕様や要件を山ほど定めていることにある。大手の航空宇宙企業は、この仕様や要件をきっちり守る。マスクは逆で、要件はすべて疑えと指示する。製品開発でマスクが口癖のようにくり返し、「例のアルゴリズム」と社内で呼ばれるようになる5項目のチェックリストができるのだが、その第1項目がこれだ。これは「要件」だからしなければならないと口にした技術者は、マスクにとことんやりこめられる。その要件はだれが作ったのか、と。 「軍」とか「法務部」というレベルではなく、その要件を実際に作った担当者個人の名前まで押さえておけというのだ。
    「エンジンを試験するとか燃料タンクの認証を取るという話になると、マスクに「なぜやらなければならないんだ」と尋ねられるんですよ」とティム・ブザは言う。ボーイングからの転職組で、 発射と試験を統括するバイスプレジデントになる人物だ。「「それが要件だと軍の仕様で決まってるんです」って答えると、「それはだれが書いたんだ? どういう理屈でそうなってるんだ?」 って突っ込まれます」
     要件は、すべて、勧告として扱え。それがマスクのやり方だ。疑う余地のない要件は、物理学の法則に規定されるものだけだ、と。


     マスクは、ロケットエンジンの試験架台を数週間で作れなど、特に必要のないときでさえ非現実的な期日を設定する。
    「気が狂いそうな切迫感をもって仕事をしろ」とマスクはよく言う。
     切迫感は役に立つ。尻に火が付けば、第一原理思考が働くからだ。だがミューラーも指摘しているように、これには負の側面もある。
    「もしかしたらなんとかなるかもと思えるくらいのスケジュールなら、みな、もうひとがんばりとがんばってくれます。でも、なにをどうしても不可能なスケジュールにすると、士気が下がってしまいます。技術者もばかじゃありませんからね。これはイーロン最大の弱点と言えるでしょう」
     スティーブ・ジョブズも同じようなことをしていた。仲間に現実歪曲フィールドと呼ばれていたやり方だ。非現実的な期日を設定し、無理だと文句を言われると、まばたきもせずにじっと見つめて「大丈夫だ。きみならできる」と言うのだ。精神的に消耗する人も多いが、他社にできないことを実現したのも事実である。
    「イーロンから与えられたスケジュールもコスト目標も大半は達成できなかったのですが、業界では一番になれました。史上最高にすごいロケットを業界の最低コストで開発できましたし、 我々としてはかなりいい気分ですよ。おやじは必ずしも我々のできに満足していないようですが」とミューラーは言う。



    「彼が登場したのは、ちょうど、タンクにガスを入れはじめたあたりでした。大丈夫でした」とブザは言う。「イーロンは、なんとかできないことなんてないと思っています。おかげでずいぶんと学ぶことができました。おもしろくもありましたね」
     ロケットの試験にこぎつける期間もずいぶんと縮んだ。
     もちろん、つねにうまくいくわけではない。2003年末、スラストチャンバー内側の放熱材に亀裂が入り、ふつうならやらない方法で対応してみたときがそうだ。


     ショットウェルは、マスクとの付き合い方について一日の長があった。夫が自閉症スペクトラム障害、いわゆるアスペルガー症候群だったのだ。
    「イーロンのようにアスペルガーな人は、人間関係を円滑にする手がかりに気づけませんし、自分の言葉がほかの人にどう受け取られるのかが自然にわかったりしません。イーロンは相手の性格や個性をきちんと理解できますが、それは学習の結果であって、感情による自然な理解ではありません」
     アスペルガーな人は共感の力がないと感じられたりする。
    「イーロンはくそ野郎じゃないんですが、でも、おりおり、そう思われてもしかたがないことを言ったりします。自分の言葉が相手にどう受け取られるのかを考えないからです。ミッションを成功させたい―――それしか頭にないんです」
     そんな彼をためる努力はせず、ただ、心がひりついてしまった人を癒やすことだけを考えるのだという。


     車の形を考えるデザイナーも手袋をはめ、車の組み立て方を考える技術者と一緒に手を動かせというのがマスクの方針で、この工夫はそれが形になったものと言える。
    「ふつう、デザイナーはデザインを考えたら、それを別の建物やそれこそ別の国にいる技術者に投げておしまいなんです」とフォン・ホルツハウゼンは言う。だがマスクは、デザイナーと技術者を一部屋にまとめる。「技術者のように考えるデザイナーとデザイナーのように考える技術者を生み出す。そういうビジョンです」
     これは、スティーブ・ジョブズとジョニー・アイブがアップルに植え付けた原理と同じだ。デザインとは見た目だけの問題ではない。本物の工業デザインとは、外観と中身をつなぐものなの
    「普通の人にとって「デザイン」というのは、みてくれのことさ」―――ジョブズは、昔、こう語っている。「そんなのデザインじゃない。デザインというのは人工物の基礎となる魂のようなもので、製品やサービスを包む外層という形で自己表現するんだ」


     1980年代にグローバリゼーション信仰が興ると、コスト削減至上主義のCEOと物言う投資家に導かれて米国企業は国内の工場を閉じ、海外に生産を移転するようになった。テスラが立ち上がった2000年代の初めは、その動きが一層加速したころだ。2000年から2010年で、米国で生産に従事する人の数は3分の1も減ってしまった。生産を海外に移転すればたしかに労務費は下がるが、製品改善の現場感覚も失われてしまう。
     このトレンドにマスクは抵抗した。一番の理由は、生産工程を掌握したかったからだ。車を作る工場を作る――「マシンを作るマシン」を作る――のは、車そのものの開発と同じくらい重要だとマスクは考えている。そして、設計―生産というフィードバックループはテスラの強みとなった。日々、改善のアイデアが得られるからだ。
     オラクルの創業者ラリー・エリソンが社外取締役を引きうけたのはわずかに2社、アップルとテスラだけだ。そして彼は、ジョブズともマスクとも親しい友人になった。彼は、ジョブズもマスクも強迫性障害を持つが、それがいいほうに働いたケースだと考えている。
    「彼らが成功した一因は強迫性障害にあります。問題に気づくと、なにがなんでも解決してしまう、そうせずにはいられないからです」
     マスクがジョブズと違うのは、製品のデザインに加え、それを支える科学や工学、生産にまで強迫的な接し方をする点だという。


     ソーラーパネル事業がいいとイーロンに言われたリンドンとピーターは、まず、なぜ普及しないのかを調べた。理由は明快だった。
    「顧客体験がよくないんですよ。もうひとつ、最初にお金がかかるのが大きな障害になっていました」
     だから、ごく簡単に手続きができるように工夫した。フリーダイヤルの電話で申し込みを受け付けたら、衛星写真で屋根の大きさと太陽の当たり具合を確認し、費用や電気料金の節約額、ローンなどを記した契約案を示す。これを顧客が承諾したら、緑の制服を着た工事班を派遣してパネルを設置し、政府補助金の申請なども代行する。最終目標は、これを全国的な消費者ブランドにすることだ。
     開業資金はマスクが1000万ドルを出してくれた。そして、2006年7月4日、テスラがロードスターを発表しようとしていたころ、リンドンとピーターは、ソーラーシティを立ち上げた。マスクは会長である。


    アルゴリズム
     戒律は五つだ。
    第1戒――要件はすべて疑え。要件には、それを定めた担当者の名前を付すこと。「法務部」や「安全管理部」など部門名しか付されていない要件を受理してはならない。必ず、定めた本人の名前を確認しろ。そして、その要件を疑え。担当者がどれほど頭のいい人物であっても、だ。頭のいい人間が決めた要件ほど危ない。疑われにくいからだ。私が定めたものであっても、要件は必ず疑え。そして、おかしなところを少しでも減らせ。

    第2戒――部品や工程はできるかぎり減らせ。あとで元に戻さなければならなくなるかもしれないが、それでいい。実際のところ、10%以上を元に戻さなければならなくならないのなら、それは減らし足りないということだ。

    第3戒――シンプルに、最適にしろ。これは第2戒のあとにやるべきことだ。そもそもそこにあってはならない部品やプロセスをシンプルにしたり最適化したりしてしまうのは、よくあるまちがいだ。

    第4戒――サイクルタイムを短くしろ。工程は必ずスピードアップが可能だ。ただし、第1戒から第3戒までが終わったあとにやること。テスラの工場では、なくすべきだったとのちに気づく工程をスピードアップするのにかなりの時間を使うという愚を犯してしまった。

    第5戒――自動化しろ。これは最終段階だ。ネバダでもフリーモントでも、一番のまちがいは、 ステップの自動化から始めてしまったことだ。要件をすべて洗い直し、部品や工程を減らせるだけ減らし、バグをつぶし切るまで自動化は待たなければならない。

     このアルゴリズムを前提にするなら、必然的に導き出されることがいくつかある。例を紹介しよう。
    ・技術系管理職は実戦経験を積まなければならない。たとえばソフトウェアチームの管理職なら
    ・仕事時間の20%以上は実際にコーディングをしていなければならない。ソーラールーフの管理職なら、自分も屋根に上って設置作業をしなければならない。そうしなければ、馬に乗れない騎兵隊長、剣の使えない将軍になってしまう。
    ・仲間意識は危ない。相手の仕事に疑問を投げかけにくくなるからだ。仲間を苦しい立場に追いこみたくないという意識が生まれがちだからだ。これは避けなければならない。
    ・まちがうのはかまわない。ただし、自信を持った状態でまちがうのだけはやめよう。
    ・自分がやりたくないことを部下にやらせてはならない。
    ・解決しなければならない課題に直面したら、管理職に伝えて終わりにしないこと。階級を飛ばし、管理職の下の人間と直接会うこと。
    ・採用では心構えを重視すべし。スキルは教えられる。性根をたたき直すには脳移植が必要だ。 気が狂いそうな切迫感をもって仕事をしろ。
    ・規則と言えるのは物理法則に規定されるものだけだ。それ以外はすべて勧告である。

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    2026年02月23日