ウォルター・アイザックソンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『「アーティストは作品に署名を入れるんだ」ってスティーブにチーム45名がそれぞれ呼び出されて、製図用紙にサインをしました。それはマックの内側に彫り込まれています。最終的成果をアートだと彼が感じさせてくれるのは、こういう時なのです…。』
というラストで泣きそうになる。
あと喜んで週90時間働きますTシャツとかストイックさを追求する姿勢、そしてそれに応えてくれる人間がいるのはいいですよね。優秀な人材に恵まれているから意味があることですけれども。
『僕はジョブズの「くだらない」という物言いを「これがベストなのはなぜか説明してみろ」という質問として聞くようになったんです。彼の言葉は翻訳機にかけなければならないんです…。それに、冷静になってどんなトレードオフがあって、そうしているのかを説明すれば、ジョブズは納得してくれるんです。ジョブズを押し返す事はできるけど、同時に彼の声にも耳を傾けるべきなんだ。ジョブズは単にトレードオフが下手なんです。支配的な完璧主義者ですからね…。製品を完璧なものにしようとしない人間は全員マヌケ扱いですよ。』 -
Posted by ブクログ
今までに記事などで見ていたジョブズの人物像から、
その人となりを掘り下げて知りたいとは思っていなかったけれど、
ヤマザキマリさんが描かれるということで
読んでみようと思ったスティーブ・ジョブズ伝記。
子供時代は文系だと自分で思っていたジョブズが
エレクトロニクスに興味を持ち、アートやテクノロジー、
サブカルチャー、禅、様々な興味の融合と昇華の産物として
ipodたちを生み出していく軌跡を感じて、すごく面白かった。
父の車いじりを通じてエレクトロニクスと出会い
興味を持ち、近所には多様なエンジニアが住み、
導かれるように開花していった、類まれなる
天才的なスティーブの才能。
才能があることは素晴らしいけれど
自分は特別で自由な人間だと思い、ドラッグに傾倒し、
度の超えたイタズラを仕掛け、周りを圧倒していく。
賢く、ナイーブで残酷。それでいて人を惹きつけ、
類まれなる才能で文系と理系の交差点に立ったジョブズ。
「禅」への傾倒がその後大きく反映され、
余分なものを削ぎ落とし、集中し、美への厳しい追求をしていく
ジョブズの仕事のスタイルを確立させていったとは、
私も禅の精神がとても好きでよく本を読むので興味深く面白かった。
そして、インド!
最近偶然なのかなんなのか、インドに関する本や話に
接点が多く、ジョブズもインド!とびっくりしつつ。
気の向くまま自由に放浪しようという境地に
導かれるのか、その圧倒的な場所インド。
空から地上を眺めた時に感じるような、人生や自分という
存在がいかに自分よがりな小さな枠と尺度で
たくさんのことを捉えていたかに思い当たるのか。
インドという国は深く、底知れない。
インドを経て、ジョブズが次に向かった先が
とても楽しみ。2巻が待ち遠しい! -
購入済み
安らかに眠れ
はじめてのパソコンにMachintoshを選んだ人。それは残りの半生を縛られて送る、ということを意味していた。
まだインターネットも無いころ。ジャーン!という立ち上げ音にわくわくして、アイコンのかわいらしさに微笑み、フリーズの爆弾アイコンにも苛立たず「しょうがねぇなぁ」とやさしく再起動していたあのころ。
Appleの業績が落ち込むと食欲も落ち込み、シェアが減少するとイライラは増大し、マイクロソフトは悪の帝国だと信じていた。(今でも半分くらいそう思っているが・・・)
たとえ今がどんなにボロボロでも、いつかはAppleの時代がくると信じていた。
結局それは、ジョブズの人生をずっと見守ってきた、ってことなんだね。
この変人一歩手前の天才が、この世界にもたらしたアレコレを心から感謝し、心からご冥福を祈ります。合掌。
-
購入済み
面白い!
まだ読み途中ですが、久しぶりに面白い本に出会いました。なぜあんような天才的な製品・サービスがうまれたかが、わかります。若い頃のジョッブスが上司・社長だったら、自分ならどうするかとふと考えてしまいます。
ちなみに、初めて電子版の書籍を買いましたが、便利です。スマホで読んでますが、子供の相手する空き時間やお昼が出てくる空き時間に読めるのがいいです。
-
Posted by ブクログ
再読。
iPhoneは日本に上陸した当初から使っていて、ジョブズに憧れがずっとあった。
それで、昔読んでみたけど、あまりの傲慢さに着いていけなかった記憶がある。
それから15年。
再読してみた。やっぱり共感できない部分は多いけれど、だいぶ理解もできるようになったと思う。
ジョブズだったら、今のiPhoneの出っぱったカメラ、許さないだろうなぁ。
・金儲けではなく、自分が信じる何かを生み出す
・洗練を突きつめると簡潔になる ダビンチ
・未来を予測する最良の方法は、自分で作り上げること アラン・ケイ
・どのような事実もねじ曲げる熱意、現実歪曲フィールド
・不可能斗認識しないから、不可能を可能にしてしまう
・くだらないと言われたら、これの何がベストなのか説明しろと言われたと解釈する
・家具の背面にも美しい木材を使う
・グラハムベルは市場調査をしていない
・映画 チャイナタウン、ボーン・アルティメイタム
・本 あるヨギの自叙伝 -
Posted by ブクログ
世界一の富を築き、人類史レベルの偉業を次々と成し遂げているのに、本人はいつだって満足できない。父親との関係は絶望的で、何かあるたびに感情的になってX(Twitter)へ投稿し、市場を揺るがす。常に自分を極限まで追い詰めていないと落ち着かない。
マクロな視点で見れば歴史に名を残す英雄だが、ミクロな視点で見ると「おま、、何やってんの?」と思うような言動も多い。世界一の富と影響力を持ちながら、どこか満たされない、少しかわいそうな大人にも見えてしまう。その姿を通して、「人の幸福とは何なのか」を考えさせられた。
本を読む前は、「何を考えているのかよく分からない人」という印象だった。でも読後は、どんな家庭環境で育ち、何を原動力に生きているのかはよく理解できた。
ただ、それでもやっぱりどうしても好きにはなれなかった。
むしろ、こういう人を「成功者」として無条件にもてはやすべきではないのだと思った。
レイモンド・チャンドラーの言葉を借りれば、
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない。」
この一節が、読後ずっと頭に残っている。 -
Posted by ブクログ
上巻だけで462頁だが、翻訳がこなれていて、51章にエピソードが短く区切られていて読みやすい。
何かとお騒がせなマスクの特異なキャラ形成に父親の影響(ダークサイド?)が大きかったことの片鱗が見えてくる。
また偏愛する読書傾向が彼の誇大妄想的なビジョン形成のバックボーンとなったこともわかるし、大人になっても基本が不変なのは物理法則以外は勧告だとする思考パターンに通じる。
彼の強固なキャラが他人への共感性を欠き、興味の対象に対する並外れた集中力が事業の成功をもたらし富を得るが、それ自体が目的ではないことも感じる。
ペイパルにおける成功と裏切り追放は彼にとって大きな学びになったことは、本作の面からよくわかる。
また国家事業だった宇宙開発が予算縮小と規制緩和により民間との共存でスペースXが進出した背景も興味深く、南アフリカ出身のマスクがカナダ、アメリカと自らの才覚と情熱でのし上がるアメリカのダイナミズムに驚嘆する。
また彼の女性遍歴も彼のキャラの微妙な変化(と言うより環境の変化による影響か?)で、蜜月期を過ぎた相手となる女性の孤独は想像を超える。
その意味ではアンバー・ハードとの付き合いはマスクのコントロールできない恋愛として彼にとって甘美だが地獄を見たのかもしれない。
テスラモーターズが彼にとって主たる興味の対象ではなかったように思えたが、彼の車(特にメカニズム)に対する偏愛(マクラーレンとか)が、脱炭素の時流と共に彼なりのこだわり(目標達成)の執念が彼のアドレナリンを最大限に引き出すことになったプロセスが資本の論理と媒介として興味深く読めた。
彼のテクノロジーの革新(人間が生み出す知恵)に対する絶対的な確信に圧倒されるが、AIに対する疑念を合わせ持つ思考に共感する面もあった。