Posted by ブクログ
2013年08月30日
今までに記事などで見ていたジョブズの人物像から、
その人となりを掘り下げて知りたいとは思っていなかったけれど、
ヤマザキマリさんが描かれるということで
読んでみようと思ったスティーブ・ジョブズ伝記。
子供時代は文系だと自分で思っていたジョブズが
エレクトロニクスに興味を持ち、アートやテクノロジー、...続きを読む
サブカルチャー、禅、様々な興味の融合と昇華の産物として
ipodたちを生み出していく軌跡を感じて、すごく面白かった。
父の車いじりを通じてエレクトロニクスと出会い
興味を持ち、近所には多様なエンジニアが住み、
導かれるように開花していった、類まれなる
天才的なスティーブの才能。
才能があることは素晴らしいけれど
自分は特別で自由な人間だと思い、ドラッグに傾倒し、
度の超えたイタズラを仕掛け、周りを圧倒していく。
賢く、ナイーブで残酷。それでいて人を惹きつけ、
類まれなる才能で文系と理系の交差点に立ったジョブズ。
「禅」への傾倒がその後大きく反映され、
余分なものを削ぎ落とし、集中し、美への厳しい追求をしていく
ジョブズの仕事のスタイルを確立させていったとは、
私も禅の精神がとても好きでよく本を読むので興味深く面白かった。
そして、インド!
最近偶然なのかなんなのか、インドに関する本や話に
接点が多く、ジョブズもインド!とびっくりしつつ。
気の向くまま自由に放浪しようという境地に
導かれるのか、その圧倒的な場所インド。
空から地上を眺めた時に感じるような、人生や自分という
存在がいかに自分よがりな小さな枠と尺度で
たくさんのことを捉えていたかに思い当たるのか。
インドという国は深く、底知れない。
インドを経て、ジョブズが次に向かった先が
とても楽しみ。2巻が待ち遠しい!