ヤマシタトモコのレビュー一覧
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ネタバレ今年1冊目の登録本。
11巻で終わるとは知らなかったので、手にとってびっくりした。
読めば読むほど、唯一無二の本。
孤独と向き合うこと、相手を尊重すること、相手を思いやること、自分を大切にすること、誰かを大切に思うこと、そして大切な人にあなたは大切と言葉で伝えること…。
その全てが共存して描かれている、大切な大切な物語だった。
漫画としてだけではなく、言葉を大切に選んでいることを感じる。
小説を読むように、描かれていない部分も想像しながら読んでいたような気がする。
ところどころ時間の経過の仕方が早くなったり遅くなったりして戸惑うこともあったけれど、そこも現実に体感する時間の流れのようなリアル -
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ネタバレお正月で全巻読み切りました
言及すべきエピソードが多すぎて、感想が自分の中でまとめきれてない…
これからの人生で何度も読み返すと思うし、
歳をとってもっと深く理解して、体現できるようになりたいと思う物語だった
私は好きな人に『幸せに生きてほしい』と伝えがちだけれど、最終巻のマキオさんが朝ちゃんに伝える
『それでもあなたが幸せでいてくれればいい
って言うと幸せでいなきゃいけないみたいだね
ときどき不幸せでもいいよ』
が、私にはまだ到達できていない愛の深さだった。打ちのめされたなー、、、
夏の映画も観に行こ〜
2時間でどうまとめるねんという感じですが、主演のガッキーが正欲でかなり好演していたか -
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ネタバレ
歴史的傑作
完結した今年中に読めて本当に良かった。
立ち会えてよかった。
最後は詩で、「わたしたち」という一人称複数形への帰着。だから(この)あとは、言葉を持たない者たちへのまなざしを追究してほしい。つまり、人間中心主義と言語中心主義(併せてヒューマニズム)の問い直し。
『日記』と銘打たれた本作が、根本的に、言葉を持つ者のなかで閉じてしまっているのは仕方ない。むしろ、その範疇でこれ以上ないほどに誠実で網羅的で倫理的な物語を紡いでくれたとは思う。
出生主義・生殖主義に関してはかなりいい具合に回避出来ているほうだと思うが、当然に完全ではない。
あとは、なんやかんや言って、東京近郊の、 -
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ネタバレ新聞に紹介されており目をつけてました。一昨日、昨日、今日で5巻まで拝読し、幸せな夜を過ごしました。
作家の方々は、とても繊細な感受性をお持ちなのだなあ、と。だから書けるんだ、と。。
15歳の少女の言葉や反応、行動も、どこか懐かしいというか、そんな感じだよねえ、と、納得できる感覚があります。
違国日記たるタイトルの所以。この作品のテーマ。
まさに、違国というものは隣にあった。
ふと見れば、一緒に暮らす男も幼児も、私とは別の世界の住民なのでした。
言われれば、確かに、私の感情は私だけのものであります。カンタンに共感されたり分かり合えるもんじゃない。
この作品は私の古傷を開く。取り返しのつかない -
ネタバレ 購入済み
特別な作品
人と生きる限りあり続ける違和感、生きづらさ、愛憎の輪郭を鮮明に捉えて言語化してくれる、まきおさんの言葉に何度共感し救われたか。
他者との絶望的な隔たりも、内心に消えることない不安も、諦観に埋もれた孤独も若気の至りも抉るように鋭く描き出しながら、それも悪くないかも、な希望を忍ばせてなんでもなく重なり続ける日常で包み込んでくれる優しい作品。完結巻も愛情と向き合ったまきおさんの言葉えらびと詩に涙止まりませんでした。ときどきは不幸せでも、なんて、本当に不器用で最上級の愛だなって…
良いも悪いも人間というものをよく観たうえでまるっと愛してくれてるような目線が大好きな作家さん、
なかでも自分にとって時別な -
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最後まで最高でした、本当にありがとう、、
理屈で考えがちな私は、槙生ちゃんの言葉や思考に共感したり憧れたりする。
朝やえみりや同級生たちのフレッシュで傷つきやすい柔らかな感性へは、羨望とそれを失ってしまった(あるいは当時も持てずにいた)ことへの寂しさ。
本巻での、笠町くんの『衛星みたいに誰かを見てること』という言葉が光る。衛星みたいに遠くから誰かをずっと静かに見守っていられるのは素敵なことではないか。
でも、話の続きのように、それは衝突を避けた距離なんだろう。誰かに関わるということは、衝突することとほぼ同義なのかもしれない。
離れてしまう方が怖いと思えるくらいの誰かとの関わりが羨ましく、衝 -
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分かり合えない他者と共に生きるということ。
物語が終わる寂しさでなかなか読めなかったけど、素晴らしい最終巻でラストは涙がとまらなかった。槇生ちゃんの言葉にいつも勇気づけられ、この作品からたくさんのものを受け取った。
思い返しては胸に込み上げるものがある。
衛星のように近づいたり離れたり。
人と人は違うから、分かり合えず傷つけ合い打ちのめされることを繰り返す。それでも、大切な人とはその隙間を埋めるように対話を重ねていきたいと思う。これからもずっとこの作品を大切に繰り返し読んでいく。素晴らしい作品を描いてくれてありがとうございますという気持ちでいっぱい。
最後の詩で号泣。