【感想・ネタバレ】違国日記(10)のレビュー

あらすじ

【電子限定!雑誌掲載時のカラー扉&50話のネーム特別収録!】
「なりたいものになりなさい」と言われても
人見知りの小説家と姉の遺児(高2)がおくる年の差同居譚
「なんでそんなに決められるの?あたし、何にも決まんないよ」

朝は高校2年生の秋を迎え、進路について考えあぐねていた。
自分の将来のために努力するえみりや千世、才能がある神田と違い、やりたいことなんて湧き出てこない。
“何もない”ことに凍える先はーー?

未来を探す船、難航中の第10巻!

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人間はいつから「大人」になるのだろう?

両親の死によって、独身の叔母・槙生に引き取られた中学生・朝。
家にこもりきりの小説家である槙生は、独特な感性の女性。
一方で、朝は両親が死んだことに対して現実感を持てない、大人びた少女。
似ているようで正反対の二人が、日々の暮らしの中でやがて心の距離を近づけていく作品。

槙生が仕事に熱中するのを、さりげなくサポートするしっかり者の朝。その姿はお互いの年齢を鑑みると、ちぐはぐな風景でちょっとおもしろい。
けれど、家の外側や、人間関係のこととなると、槙生は迷いながらも、母性というよりは理性によって、的確な言葉で朝を導く。
15歳の朝にとって、それらの言葉はすぐに理解できないこともある。けれど、現実と照らし合わせながらじわじわと納得していく健気な姿がとても印象的。

では30歳を手前にした自分は槙生と朝、どちらに近い地点にいるのだろう?と考える。
「自分はまだまだ子供」だと思う。けれど、朝が戸惑っている幼い姿を見ると「こうしたらいいよ」と言ってあげたくなることが多々あった。
どんなに大人びていても15歳の朝が大人ではないように、アラサーの私も着実に大人になっているのか、と気づかされる。
槙生を「違国」と感じながらも、朝も確実に「大人」へ近づいている様子を、そっと見守っていきたい。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

基本的人権に救われ、社会科教師になる人がいる。学問として取り扱ったことがあるが、何が人に感銘を与えるかは、千差万別だなと思う。

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2025年05月31日

tk

購入済み

なりたいものがあるようで無い、空虚さよく分かる
自分の人生でよく無いことだけれど誰かに決めてもらいたいって思ってしまう
成人してもみんな子供だよ

#共感する

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

空虚さ、よくわかる。自分も高校の時は何にもなかった。その空虚さで果たして自分は焦っていただろうか?遠回りして大学に入ってなんか気分だけ薔薇色になった幼い自分しかいない。結局、何かを見つけたような気がして、その道に進んで57まで働いたことは働いたけど。しかし、よくそんな甘い考えで人生やってきたなって64になって思い、恥ずかしくなる。だからいまだにその空虚さを何かで僕は埋めようとしている愚かな64歳。

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やりたいことやれてるのかな?!

これには、まいったな…

まいったな…

…けど常に新たな考え方や思い出を更新してます!

ぜひ〜

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

千世ちゃんが
「大丈夫じゃないまま生きていくからいい」
「田汲が忘れないでいてくれたら少なくとも田汲の周りでは変わる」
と言うのが良かった。
小さくてもそれは、”世界を変える”ことになる。

社会の先生が基本的人権の話をしているのも良かった。
全く説教臭いものではなく、先生もひとりの人間で
そこから救いを得てそれをみんなに教える為に先生になった
というのはとても素敵だ。
解決しない問題をSDGsと言い換えるのには笑ってしまったが、確かに解決することばかりではないし
永遠の課題だと思った方が気は楽になるのかもしれない。

慎生ちゃんという小説家が現実にいたら、
自分はきっとファンになっているだろうなと思う。

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2024年06月13日

匿名

ネタバレ 購入済み

誰もが

誰もが悩むであろう、朝ちゃんの進路の話しでした。ふたりがどうなっていくのか、最終巻が読みたいような読みたくないような•••。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

えーん
終わりが見えてきてさみしい。
朝が大人になっていって、いつまでまきおちゃんといられるんだろうって、さみしい。

基本的人権の考えに救われたので、
社会の先生になりました、という先生の何気ないひとこととってもよかったな。
何気ない瞬間なんだけど、あとから思い返すような。拓けるような。あとそういう理由でいいんだ、と思えるような。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

面白くて、一巻から一気に読んでしまった。両親を亡くした女子高生と伯母さんとの共同生活。小説家の伯母さんは変わった人(社交的ではなく、自分をしっかり持ってる人)で、ちょこちょこ出てくる小説の文章が詩的で自分に刺さった。女子高生も悩みながら生きてるのをみて、自分が高校生の時も漠然としたことで悩んで死にたくなっていたことを思い出した。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

生まれながらにして個人には価値があるとか、授業で勉強したはずなのにふと忘れて自己肯定感が無になってしまう…。ほんとこの漫画から学ぶこと多い。

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2023年05月11日

購入済み

進級する朝は進路に悩む。
えみりとその恋人がささやかな未来の約束をする姿に微笑ましくなる。その壊れやすさに不安にもなる。
実里も槙生も生きにくさを感じながら互いに羨んで傷つけあっていた描写がある。過去を振り返り、相手を傷つけたと思える槙生が大人で見習いたい。

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2023年05月03日

Posted by ブクログ

違国日記と出会えたこと、そのことが私にとってのエポック。
何度も何度も繰り返し読み、心の拠り所になっている。

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

好きだなあ
この本を読むと、もっと丁寧に言葉を発しようと思う

最後の槙生ちゃんの横顔がなんだか泣けた

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2023年02月26日

購入済み

朝と美大志望の友達のカンちゃんとの、やり取りが何だか熱くて泣いちゃう。
一話の表札の何も知らずに読んでた事を思い出して、もう一度一巻から読み返すと、ループして、お話作りが高度で何回も読んでしまう。

#泣ける #深い #カッコいい

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1巻1話に追いついた
飄々とした子だなと思ってみていた少女が、今はもう、不安や虚無感にあえぐ弱く小さな存在だと知っている
ここからの物語が気になる

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2023年02月19日

購入済み

どの登場人物もそれぞれの状況で思考して悩んでいて、語る言葉が響く。たまに余白やコマが多いと感じる時があるけれど、そういう時、自分のことも思考してみる。考えさせられるマンガ。

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2023年02月19日

購入済み

描いてくれてありがたい

いつも読めて幸せだと思う漫画です。

#泣ける

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2023年02月16日

Uki

ネタバレ 購入済み

今回も刺さった。

朝の悩みを聞いた社会科の先生の、基本的人権の話が響いた。
朝の悩みは計り知れないけれど、悩むことも権利のうち。自由に考えて良い。槙生ちゃんもそうだけれど、朝のまわりの大人たちの言葉に、読んでいるこっちも救われる。

#切ない #感動する #タメになる

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2023年02月15日

Posted by ブクログ

泣きたくなるほど切実。
未来がわからない不安、自分になにもない恐怖、今大人になった自分もときおりおそわれる。
もしかすると高校生の自分の方が世界の広さをまだ素直にうけとめていたんじゃなかろうか。大人になった自分が今感じている世界は高校生の自分からどう見えるんだろう。

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2023年02月12日

ネタバレ 購入済み

最初のインゲン高すぎに戻ってきた。
朝と槙代、2人で暮らしに慣れていい距離感のところ。

過去が未来を作るって話をしていたあと、読者は過去に戻ってきたと気づく。
1巻の時は仲良くやってるんだなーくらいにしか思わなくて、序盤の朝が反抗するあたりでどうやってあの未来になるのかハラハラして。


10巻で1巻と同じ場面の側面を見て、明るいけれど寂しさを持つ朝に寄り添いたくなる。

これからどうなるのかわからない。
でもせめて槙代についてだけでも朝が納得できる結末になるといいと思う。
続きが読めるのが嬉しい。

#エモい

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

槙生さんの存在感や、朝への向き合い方が私はとても好き。
自分の内を見せつけられる高校生にとっての進路…
朝はどんな選択をしていくのかな。

この作品を読む事が、これからも静かな楽しみ。

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2023年02月11日

ネタバレ 購入済み

10巻で一巡。

すごく楽しみに待っていた一冊。

そして、ついに追いつきました。一話目に。
同じ場面なのに、見え方が全然変わります。
本当に描くのがお上手だなぁと感心しきりです。

進路の話、すごくリアルで自分のことを思い出しました。それぞれの苦悩。朝のように考える人は多いんじゃないかなぁ、私もそうですし。自分らしさって難しい。

最後の朝の気持ちを考えると何とも切なくなりました。またじっくり読み返します。

#切ない #深い

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2023年02月09日

購入済み

おもしろかったです!

長所って人のはよく見えるのに、自分のは見えないんですよね。朝の不安定な気持ちがよく表現されてて胸がギュッとなりました。合間の色々な友達とのやり取りが好きです。これからどのように進んでいくのか続きが気になります。

#ほのぼの #切ない #深い

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2023年02月09日

ネタバレ 購入済み

アオハル

朝の振り返り口調で綴られているところが、どうつながるのか。10代特有の寂しさや不安や孤独がとても良く書かれていると思う。自己肯定感は低いのに自意識は高いのよね

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

──わたしの好きな夜
──ちがう国の女王の王座のかたすみで眠る
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>それがもしかするとわたしたちの絆で
>鎖で
>もっとも愛に近いものではありえないかと
>もちろんそんな言葉をわたしが持ちえるはずもなかったが
>つまり
>もう 永遠に答えてくれる人のいない問の答えが私はただ ほしかった
>答えが何だろうと 関係なくただ 答えがないということがわたしを打ちのめしていた

>あと1年でわたしは18で
>心だけを置き去りにして大人になることが恐ろしかった
-------------------------
>わたしは
>わたしは わたしは
>わたしは
>わたしは
>わたしは
>わたしは

>帆も灯台も錨もないわたしの船は いったいどこへ行けるだろうか
-------------------------

全てのモノローグと会話を書き留めておきたいシリーズ10巻目。朝 高校3年 春。
今更ながらにモノローグは未来の朝による振り返りなのかと思ってきた。
電子書籍はこういうときパッと既刊を持ち出してぱらぱらめくることにハードルあるなと思う次第。
しかし電子書籍特典のネーム公開は、漫勉(NHK)を観たあとだと特に興味深く面白いので痛くもあり痒くもあり。

がっつんがっつん成長していく思春期を余すところなく堪能できるこの物語も、高校卒業がもしかするとひとつの着地点なのかな。

えみりとしょーこのカップルが、本当にいい味でもっと見せてくれ。
「じゃあ15年後の今日ここでまた待ち合わせしよ」
「なにそれロマン~~それまでこの店あるかな?」

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

基本的人権。
誰もが生まれながらに持つ権利。

ちがう国の女王の王座のかたすみで眠る、という言葉好き。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

槙生さんの言葉はいつも心に響く。時々怖いくらいに。
一度何言ってるんだろうと考え込んでしまう時もあるけど、じわじわ染み込んでる。普段から考えないようにしていること、蔑ろにしていることを言葉にしてくれる。
(理解は半分もできてないと思う)
槙生さんの小説読んでみたいな。
子供も大人も人である以上、一生悩んで生きていく。折り合いつけて、ずるい言い換えをしてやり過ごすのも大人になること。成長してるのか停滞してるのかもわからないけど。

教師の「基本的人権」の捉え方がいい。人には元々価値と自由があり何者にも脅かされてはいけない。
ずっと知ってて、国に保障されてるはずの耳障りのいい言葉。自分が一人の人間で、価値があると保障してくれる素敵な言葉でもあったんだな。

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2023年05月06日

ネタバレ 購入済み

また迷い込む朝

自分が何者なのか?
考え過ぎだよ~と言ってあげたいけど、きっと槇生ちゃんは、迷うのも悩むのも自由と言うんだろうな。
大人になっても、大人の姿をした子供に過ぎないんだけど。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

この本はいつも読むのが怖いし、ページを捲るのが痛い。
時間のオブラートに包んで飲み下した思春期の、まだ自我が固まる前の胸のつかえが、吐き出されてくるような胃の腑の震え。
そんなものが思い出されて、胸の奥が悲しくなる。

わたしはまだそれをどうやって扱ったらいいかわからないまま、懐かしく愛おしむ手つきで本棚にしまうことしかできない。

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2023年03月21日

Posted by ブクログ

たまたまおすすめで出てきて以来楽しみにしている。
まきおさんと姉との関係に思うところが多く、朝ちゃんの成長や同級生との関係に今の時代を感じている

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

夢がある人は羨ましいよね。
目標が明確だったり、何かに向かっている人は眩しいし、キラキラしている。
それに引き換え、目標も夢もなくなりたいものがない自分はちっぽけな存在と思ってしまう。
朝の気持ちわかるなぁ。
大人になっても子供でも漠然とした不安はつきない

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

朝の負った傷というか喪失感は一朝一夕で埋まるものではなくて
答えが貰えないのに考えずにはいられない時間はなんとも長くて空虚なことだろうと想像して心臓ぎゅっとなった
すぐに全てを癒やして埋めてくれなくともこの期間に側にいるのが槙生ちゃんなのは最適解なんじゃないかなぁ
ベタベタに甘えさせるでもなく憐れむでもなく寄り添ってくれる人って一生かけてもそんなに出会えないよ朝くん

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「何もない」ことに焦る朝。「何もない」まま大人になってしまうことに焦ったことが自分にもあった。いつのまにか誤魔化して言い換えて来てしまったけれど。自由というのはこんなにも寄るべない。道を見つけて歩き出した人でさえ、本当は寂しくて不安だろう。でも人は過去には何もできず、未来にしか働きかけることはできないので。朝の母・実里が日記を書いたのは、妹である槙生にはしてあげられなかったことを娘にしようとしたからでは。朝はどれだけ尋ねても父からの言葉をもう得られない。母の日記も過去でしかないかもしれない。だから友人たちと槙生ちゃんと関わって、自分で歩いていくしかない。選ばされる道はなく、とても幸せで、とても孤独だ。

解決しない問題をSDGsと言い換えてみようとする社会科の先生。基本的人権という考え方に救われたから社会科の先生になったという理由はとても素敵だと思った。

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2023年02月18日

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