ヤマシタトモコのレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済みネットのコメントで違和感を感じるもののひとつが、ニュース等を見聞きした人が、その影響?で泣いたことを知らせるものだ。あのテのコメントを見ると、「私はこういうことに泣くようなまともな人ですよ」とアピールしているように思える。似たようないびつさを昔から覚えたのが私の父だ。父の場合は食事の際に「愛する妻と息子と食卓を囲めて~」などと言っていたが、私からすると朝と同じように愛してくれていたのか確信が持てず、ああやってわざわざ声に出して言っていたのも「私は家族を愛するまともな人です」とアピールするために言っていたように思え、また、笠町くんと同じく厳しい父だったのであの人に愛されなくてもいい、という思いも共感を覚える。こんな歳にもなって、と彼は卑下しているが、こちらはもう50なのでもはや悲劇的で。朝の発する声が周りの人に響き、私の中にも大いに共鳴したこの巻。えみりもよく打ち明けた。笠町には乗り越えられたらいいね、と思う。
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ネタバレ 購入済み
不思議な作品。
さすがヤマシタ先生!一味違う作品を描かせたらピカイチです!
時系列がバラバラに描かれた2人の関係性が、読み終わると一編の映画のように繋がっているんです!
どういう?、?という混乱のなか、あー!そういう!?みたいな読み方ができる稀有な作品です! -
匿名
ネタバレ 購入済み表紙のマキオの絵は何度見てもどういう状況なのか合点がいかぬ。右手に持った小皿に載せていたスプーンを頭上に放り上げた瞬間?
それはさておくとして、この作品のひとつの柱に「普通」という概念があり、マキオは姉から「あんたは普通じゃない」という一種の呪縛を受け、それをこれから解いていくのか、またはやり過ごしていくのか決めかねていると思う。本人は朝を愛することは出来ないと思って実際に宣言しているけど、ただならぬ心境で卒業式から帰って来た朝に足湯の用意をしてあげたのは、マキオの立派な愛情表現だと思うな。それは同級生達との女子会の帰りに友達が語ったことにも通ずることで。察するに、世間の言う愛、あるいはそれを超えるようなドラマチックな何かを提供しないといけないような思い込みが入っているんでは、と思う。 -
購入済み
最終話のやり取りを見る為の全て
先にアニメから本作を知り、アニメを見終えた後、数日OPのソナーレを繰り返し聴きながら電車に揺られ、原作の漫画を読みました。
楽しい、悲しい、嬉しい、寂しい、苦しい。
感情を表現する言葉はたくさんある筈なのに、言葉にできない何かというものは、確かに、お腹の底や喉の奥や、もう何処にもいない誰かの姿にあって。
そうした何かをそれでも形や声にしたくて、言葉を重ねていく。
登場人物のひとりひとりが、悩み、抱え、時々誰かとその何かを見せあったり、寄りかかったり、弾かれたり、踏み躙られたり、励ましあったり、とても大切にしあったりする。
その姿がどうしようもなく、痛ましく、とても尊く、眩しく感じました。
最終話の槙生さんと朝さんの言葉のやり取りを見るために、私はこの本作を読んだのだと、強くそう感じました。
人が持ちうるその醜さを、その歪さを、傲慢さを、息苦しさを分かり合えなさを知りながら、それでも人を人として、大切にしようとしてくれる物語でした。
本作に触れられて良かった。また数ヶ月後、数年後、忘れた頃、思い出した時に、何度だって読み返したいなと思う作品です。