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「姉さん、わたしが姉さんの大切なあの子を大切に思ってもいい?」
槙生が朝と暮らして2年半。
他人との関係に縛られずに根無し草のように過ごしてきた槙生にとって、気づけば朝はだいぶ近しい存在になっていた。
朝の人生にどこまで立ち入っていいか悩み、朝を置いて死んだ姉に思いを馳せる。
保護者として、大人として、槙生は朝の未来に何を思うのか──。
わたしたちの“これから”はどんな海へ?
終幕の向こうへ漕ぎ出す最終巻!
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
人間はいつから「大人」になるのだろう?
両親の死によって、独身の叔母・槙生に引き取られた中学生・朝。
家にこもりきりの小説家である槙生は、独特な感性の女性。
一方で、朝は両親が死んだことに対して現実感を持てない、大人びた少女。
似ているようで正反対の二人が、日々の暮らしの中でやがて心の距離を近づけていく作品。
槙生が仕事に熱中するのを、さりげなくサポートするしっかり者の朝。その姿はお互いの年齢を鑑みると、ちぐはぐな風景でちょっとおもしろい。
けれど、家の外側や、人間関係のこととなると、槙生は迷いながらも、母性というよりは理性によって、的確な言葉で朝を導く。
15歳の朝にとって、それらの言葉はすぐに理解できないこともある。けれど、現実と照らし合わせながらじわじわと納得していく健気な姿がとても印象的。
では30歳を手前にした自分は槙生と朝、どちらに近い地点にいるのだろう?と考える。
「自分はまだまだ子供」だと思う。けれど、朝が戸惑っている幼い姿を見ると「こうしたらいいよ」と言ってあげたくなることが多々あった。
どんなに大人びていても15歳の朝が大人ではないように、アラサーの私も着実に大人になっているのか、と気づかされる。
槙生を「違国」と感じながらも、朝も確実に「大人」へ近づいている様子を、そっと見守っていきたい。
Posted by ブクログ 2024年02月22日
巻き戻して読まないと自分がいま何を読んでいるのかわからなくなってしまうことがあった。わかりにくいという意味ではなく、そんなふうに大切に読んでいきたい作品だった。
大人になった子どもにあげられると良いかと思って買った10年日記が手元にある。ほとんど書けていないけど。とりあえず、捨てる、もしくは書き続...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月04日
雑誌「ダ・ヴィンチ」の2023年Book of the yearでコミック部門1位だったので、軽く読んで見るつもりが、ガッツリハマった「違国日記」です。
11巻で完結してます。
交通事故で両親を無くし、疎遠だった小説家の叔母に引き取られた高校生の話。
でも、悲しい話ではなく暖かく、現実に誠実で厳し...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月09日
個人の尊厳にかかわる色々なことについての、問題意識を可視化したような作品だったなと思う。毎日なにげなく生きていてもふいに"否定された"と感じる瞬間はあるし、周囲の"普通"になじめず辛さやもどかしさをずっと抱えている人もいる。
一人は寂しいのか?愛したり愛された...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月23日
最後まで最高でした、本当にありがとう、、
理屈で考えがちな私は、槙生ちゃんの言葉や思考に共感したり憧れたりする。
朝やえみりや同級生たちのフレッシュで傷つきやすい柔らかな感性へは、羨望とそれを失ってしまった(あるいは当時も持てずにいた)ことへの寂しさ。
本巻での、笠町くんの『衛星みたいに誰かを見...続きを読む
「違国日記」
2024年6月公開
出演:新垣結衣、早瀬憩、夏帆
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