樋口毅宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まもなく31歳を迎える佐藤容子は、彼女がほかの男とセックスしているのを見たいという夫の誠のリクエストにこたえて、マニア向け雑誌の企画やスワッピング・パーティに参加することになります。
彼女は、ストーカー男につきまとわれたり、トラウマを抱えたセックスの相手の暴走に巻き込まれてケガをしたりするなかで、子どもっぽい夫や、アウトローを気取っているものの一皮むけば単なる俗物にすぎないヘンタイさんたちにあきれ、同時にそんな彼らの巻き起こす事件のなりゆきを眺めている自分自身の空虚さに気づきながらも、それを変えるようなアクションを起こすことはありません。
ところが、夫の運転する車がかつてのストーカー犯をひいてしまう事故を起こしたことで、彼女と夫を取り巻く運命は大きく変わっていくことになります。裁判は思いもかけない方向へと動いていきますが、ときに激情に駆られることはあっても、つねに傍観者的な位置に立ちつづける彼女の姿勢は変わることはありません。
たしかに過激な描写も含んでいますが、それ以上に、著者の好きなものや思いつきことを詰め込めるだけ詰め込んだオモチャ箱のような乱雑さが印象的でした。 -
Posted by ブクログ
初めて呼んだ著者だが、中々面白い一冊でした。
石田衣良の『池袋ウエストゲートパーク』シリーズと伊坂幸太郎の『グラスホッパー』シリーズを足して二で割ったような感じかな。
何処と無く『TOKYOトライブ』を彷彿させる。
舞台は東京、雑司ヶ谷。
町を支配する巨大宗教団体の跡目の主人公、男色の中国マフィア、手で耳を引きちぎられるチンピラ、科学技術で人工的にゲリラ豪雨を降らせる中国人。
本書の随所で、何処かで見聞きしたことのある場面が点在する。こんなにパクって大丈夫かと思ったが、驚くべきことに巻末に作者が影響を受けた作品、小説、映画、音楽などが列記されている。
パクりのツギハギじゃ、安っぽい仕上がりになるが、そこは著者の技量がなせる業だろう。
久しぶりに当たりのエンタメ作品でした。 -
Posted by ブクログ
スノッブをアピール 胸糞が悪くなりそうなほど瀟洒なオープンカフェ ゆうかん有閑マダム 居丈高 殊勝なコメントでお茶を濁し何を強請ろうか 躊躇う素振り 特有な優雅さ 彼女の求めるものを過不足なく与えることに専念した 持て囃されきた美貌 落差がありすぎて た矯めつすが眇めつ眺め直し ピサロ 頬を淡く染めて 名状し難い感情が渦巻いていく 大場政夫 邪な 短い挿話 立身出世 安逸な稼業 世襲制を憎悪 あらゆる既得利権を行使 面貌が一変 父親の威厳が瓦解した瞬間 断乎拒否した 志村喬たかし 絢爛なシャンデリア 着床した瞬間を生涯忘れません 一滴残らず膣に注ごうと力をこめる 女は、しょうふのように扱われた後に、少女のように構われるのを無上の喜びとする。 横須賀で、ひとりの白人と友達になった。 排斥 従弟制度 十条駅から二十分ほどの場所にある印刷会社 芳春を思わせる日差し 中井の秋山屋 さんざん待たされた佐々木小次郎のような表情 駒込 零れて 懇々と説教をされました 異母兄妹 猿芝居の代表選手 狡賢い 純粋な享楽に耽った 拵えた天文学的な裏金 中出しなのに顔射なのはこれ如何に 禁じられた営みは最大限の悦びを齎す 逢瀬を重ねた 嫡子ちゃくし 愉悦とセンチメンタルにも似た感情 けんせき譴責する大喝が轟く この世にしてはいけないことなど、何ひとつないはずだから。 かつてない感情の塊 滂沱の涙 ロケハンが大事 期待以上のリアクション 哀れな供物には永遠の生を授けた 生贄 神饌 達磨にされた屈辱 シスター 陰囊までれろれろと舌先を這わせた フランスだとね、本当の恋愛は結婚をした後に始まるの。 「出た、人間ポット、押すだけ!」 怒りのシュプレヒコール 憮然とした表情 ヒッチコック『知りすぎていた男』 餡蜜 御誂え向き 「女房と畳は新しいほうがいい」 縁切り 雀 古米 黄色のトラックスーツ 猛る復讐心 鋭利な膝 罪業ざいごう 老いさらばえた脇腹 耳を欹てたた 糞尿の飛沫 草臥れた乳首 臭い立つ湯気が沸々と立ち込める 愛のボランティア なけなしの虚勢を総動員して 易者の主観で組み立てられた予想図 禍いの訪れを暗示するように唇の片方を吊り上げる 研ぎ澄まされた狂気の終点 破顔一笑 命が小さく縮んでいく 毀れていく瞬間 忘却は人間の防衛本能 あまりに緩慢な時の流れに耐えながら 巨大な虚無が降ってきて 嗄れた泣き声 死んだほうがマシな後半生 夜の熱狂は朝の光に溶かされる まるでそれがこの世でただひとつの真理であるかのように 小豆島 ストーン・ローゼズの十五年ぶりの再結成 いま死んだら伝説になる 今の所失敗作はないと自負している バセドー氏病 宛がった 何ら成長していない 膣の奥深くに種を撒き散らしたものだ 「もし妊娠したら、夫にはあなたの子よって言うんだぞ」彼女は泣きながら、君の腕の中で「はい」と返事をした。君は思い出して車内で少し硬くなる。 野方の六畳のアパート 忸怩たる思い もうしゅう妄執の末 悠々と「建前」を吐いてきた 『クラッシュ』『ミリオン・ダラー・ベイビー』心の底からそういう輩を軽蔑する 結婚するぅと呻きながらアクメに達した 三軒茶屋に住まいを変えた 町山智浩 「どっちがかっこいいか」で決めるようにしてはどうでしょう? 「親父、あなたができなかったことを、僕の体を使ってやってください」先祖代々の墓にも同じ文句を呟く LGBTを障害だと思っているのか どうにも偽善的な思いが残った 焼け石に水 きみは「満更でもない」と思う。確かに、肉屋の息子に生まれて、一浪して四流大学にしか入れず、エロ本屋で十三年働いてきたのに退職金がゼロ円のきみにしては、出来すぎの後半生だ。 「なりたい自分に、なれたんじゃないのか?」風は答えてくれない。それに返す義務もない。被害妄想が酷くて、差別主義者で、寂しがりのきみは、死ぬまで治らない。これからも、何ひとつ人生から学ばないまま。 鈴木喜之(オルタナ音楽ライター) カート・コバーンの訃報 余勢を駆って わからない人には何を言っているかまったくわからねーと思うが、それを承知でもっというと(笑) 筒井康隆 星新一 小松左京 当事者であるアーティストが考えてもみなかったことにまで躊躇なく言及していくスタイルを特徴としていたわけで… 狡猾で残忍な人間へと成長した男が主人公 憧憬と嫉妬と憤怒で身を焦がしながら 『ダークナイト』のジョーカーみたいな純粋悪のクールネスには程遠く 精神面での保守化が進んでいる 公開カンダウリズム(自分の妻の裸体を第三者に晒すことによって興奮する性的嗜好のこと) 美人弁護士の奥様を娶り 「全員が変態理事長の性奴隷でした」みたいな話を、たぶん書くぜ、彼は。