樋口毅宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連載で追いかけていたので書籍でもう一度最初から読むとまるで自分が主人公トリコになったように物語を体験することになった。
サンプリングとオマージュ、剽窃ではなく先人のアイデアや創作に自らのフィルターと愛情なんかをブレンドすること。守破離の法則に限りなく近いが樋口さんは完全なファン気質だからこそそれをやりきる。
オリジナルなき世界に、すべてのものがn次創作になってシミュラークルになっていく中で、それを熱意とか愛情とか尊敬をもってやりきるとそれが新しいオリジナルになるということを示している小説だと思う。
続編に期待するならば、コートニー・ラブが主人公だとすると生き延びた彼女とビリー・コーガンとマリリン・マンソンのあのスリーショットについて言及してもらいたいですが。
これでデビュー作『さらば雑司ヶ谷』で小沢健二の歌詞を使ったことにより注目された樋口さんの(そのことは文庫版の水道橋博士さんの解説に詳しいのでそちらを)第一期が終わったのかもしれない。
左のカーブを曲がって光る海という第二期の始まり。 -
Posted by ブクログ
やっぱり、樋口さんの本はぶっ飛んでますねぇ~
もう大好きです。
題名も題名なんで中盤までは官能小説です…もちろんマニア向けです。
まぁその程度の作品であれば過去にもいろいろ似たようなモノがありました。
でもこの物語は違います。
欲望の虜となって事故に巻き込まれてからの展開が素晴らしいんです。
人を愛する事、その形、成り立ち…千差万別で正解も不正解もないそんな曖昧な
感情。倫理的理性的である必要なんて無意味であり、肉体と精神の快感 を貪っ
て貪って貪って、身体的な機能が与える悦楽の大海で、漂泊する精神の大解放が
もたらす愉悦の極限…を謳歌する一人の女とその亭主の物語。
そんな二人がある事件に当事者として巻き込まれてゆくことで物語は急展開を迎える。
性に開放的である…という事、秘め事を開けっぴろげにすることはこの国では禁忌の一つで
あろう。本音では誰しもが羨み、己もそうでありたいと願っていることでもある。
しかし恥の文化と云われるこの島の中では、出る杭となった者を容易く見逃したりしないし、
許す筈もない。妬んで嫉んで貶めようとする。
裁判の件、世間に嬲られ、刑事、政治家、後輩など下衆どもが陥れようと
身悶えしながら迫り来る中を憤りと恐怖に駆られながらも己の知力を最大動員して戦い続けた
主人公 容子の辛辣な世間評や反論には、社会や人間の歪みを切る男らしさとも言える
真っ当さがあった。読んでいて共に怒り、共に世間の怖さを垣間見たような気がした。
想う人を愛する方法を考えさせられた。
愛する相手にとって最大の支援者となり、無私の気持ちで向き合うこと…
純粋にその人を思うこと…とても難しい。
本作の中で容子が佐藤を回想する場面がいくつか出てくるが、自分の言いたいことをベラベラと話す佐藤に対する容子のすこしポワンとしたような優しくてあったかい心情がとても好きでした。
出来るだけ早いうちにもう一回読んで、「容子」にまた会いたい気持ちになっています。
それだけいい女が出てくるいい本でした。 -
Posted by ブクログ
NEWSの加藤シゲアキの本を読んで、沢山読書と映画を見た加藤くんがこの本を面白い!と言っていたのと関ジャニ∞の横山裕もこの本を面白い!と言っていて、調べてみたら聞いたこともない人の本で読んでみたら処女作なのね。そりゃ知らないわ。
エログロバイオレンス!というからわくわくして読んでたら大したことないじゃーんと思ってたら中盤辺りからドラッグ絡んだりえろ描写出てきて若干気持ち悪くなった。気持ち悪くなったのは胃腸炎のせいだけど!夢にまで閣鉄心が出てきてうなされた。。。
でも、ギャグでしょ!ってことが散りばめられてたりオザケンの件とか面白くてさくさく読めた。
それと、とにかく中国怖い。
ラスト結構あっけないんだけど、その呆気無さがライトでさっくりしててよかった。
面白かったから続編も是非読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
全くひどい! 虫けらのように人が殺されていく。良心の呵責という言葉はこの小説には存在しない。正義もない。雑司ヶ谷の利権を巡るギャングの抗争だ。それにカルト教団と中国マフィアがちょい絡む。戦争のクライマックスは雑司ヶ谷霊園での銃撃戦。 雑司ヶ谷ってそんな魔窟だったか?完全に遊んで書いているな、この著者は。 タランティーノを彷彿とさせると解説にあるが、映像になってない分、こっちの暴力シーンの描写のほうがむごい。「イングロリアル・バスターズ」も暴力シーンは痛かったけれど、この小説は映像化を念頭に置いていない分さらに痛い。女性はたぶん受け付けない世界。
しかしタランティーノ映画が好きな人、あとは北野武の「アウトレイジ」が面白かったと思う人には、これはド真ん中の小説だ。 本当に面白い。読んだ方がいい。すごいお薦め。いや、すっごいお薦め。よくもまあこんな世界を構築したと喝采をおくりたい。
ただし男性はこの本を読んでも、間違っても「面白かったよ〜」なんて感想を女性に伝えない方がいい。絶対に性格を疑われる。それがもとで破局しても責任は取れない。 -
Posted by ブクログ
古本コーナーで、この作家読んでみたいなあと思い手に取り適当にページを開いたら、ウイグルという文字が目に入り、試しに読んでみるか、と。
鬼子母神、雑司ヶ谷あたりはなんともいえない雰囲気、1990年ごろとてもよかった、そして割と最近も感じるなにか。
なかなかにエンターテイメント。
スピード感、人間関係、いかにもありそうな目には見えな異世界が東京と上海北京とひろがる。映画見てるみたい。うめ吉だとー?いろいろ突っ込みたくなる場面あり、読み飛ばしてスピードにのって楽しく読める、エンタメ小説でこんなのかあ。
さっと読める難しい本の合間にグッド!人物描写があり得ない感じだけど面白い。