樋口毅宏のレビュー一覧

  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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     アングラ小説風でもあり、奇妙な小説だった。が、随所にあるマニアックな設定、描写におおっとうなりつつ進められ、その点で特に面白かった(かなり強引な展開ではあるがストーリーもある)。最後のページでのネタ元紹介中、半分強がわかってしまった・・・解説を読んでまたまたマニア根性を自覚させられたり、と予想以上に楽しめた。当初、なぜ本書を読もうと思ったのかも不思議なくらいだったが、この味を知りたかったのかもしれん、と読後強く思うところ。

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    2015年11月12日
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

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    亡くなった泰の過去と、泰の継承者争いを描く現在が交互に語られていく。特に泰の過去パートが面白い。
    色々な作品にインスパイアされていて、思わずにやけてしまう場面も。話の展開や表現の粗さはあるかもしれないが、すっかり心を奪われてしまった。いい小説とは言えないが、すごく好きな小説だ。

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    2015年11月06日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    もう少し長く続いても良かった、終わらないでほしい物語。仕掛けられた企みと嘘と引用句が最高な渋谷系小説。高校生でこれ読んでたら、人生狂ったかも。

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    2015年11月01日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    連載で追いかけていたので書籍でもう一度最初から読むとまるで自分が主人公トリコになったように物語を体験することになった。
    サンプリングとオマージュ、剽窃ではなく先人のアイデアや創作に自らのフィルターと愛情なんかをブレンドすること。守破離の法則に限りなく近いが樋口さんは完全なファン気質だからこそそれをやりきる。
    オリジナルなき世界に、すべてのものがn次創作になってシミュラークルになっていく中で、それを熱意とか愛情とか尊敬をもってやりきるとそれが新しいオリジナルになるということを示している小説だと思う。

    続編に期待するならば、コートニー・ラブが主人公だとすると生き延びた彼女とビリー・コーガンとマリ

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    2015年10月24日
  • 日本のセックス

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    やっぱり、樋口さんの本はぶっ飛んでますねぇ~
    もう大好きです。
    題名も題名なんで中盤までは官能小説です…もちろんマニア向けです。
    まぁその程度の作品であれば過去にもいろいろ似たようなモノがありました。
    でもこの物語は違います。
    欲望の虜となって事故に巻き込まれてからの展開が素晴らしいんです。

    人を愛する事、その形、成り立ち…千差万別で正解も不正解もないそんな曖昧な
    感情。倫理的理性的である必要なんて無意味であり、肉体と精神の快感 を貪っ
    て貪って貪って、身体的な機能が与える悦楽の大海で、漂泊する精神の大解放が
    もたらす愉悦の極限…を謳歌する一人の女とその亭主の物語。

    そんな二人がある事件に

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    2015年03月17日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    グルーヴ感を保ったまま終わりまで突き抜けたストーリー。サブカルチャーの知識を織り交ぜて作中世界を構築しているので、読者に近い現実として享受することが出来る、その楽しさが新鮮だった。内容は多少荒々しさがあるがそれもまた魅力で、その熱量、そのままの勢いで次作を読み進めたい。

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    2014年12月14日
  • 日本のセックス

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    エログロと特に90年代特化のサブカルチャーてんこ盛りという意味のわからない融合を見せる素晴らしい本。筆者、コアマガジンのエロ投稿マニア雑誌上がりらしく、エログロ描写の説得力が半端じゃない上にサブカルっぷりもつぼ。『さらば雑司ヶ谷』の時より洗練されていて非常に面白かった。

    それにしても変態っているのね、ホントに。NTRというかカウンダリズムの快楽は欠片も理解できないなあ。。。

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    2014年05月18日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    雑司ヶ谷ってこわいね、ってか中国こわいね、樋口さん振り切ってるね、映画好きだとなお楽しい本だよね、はちゃめちゃハードボイルドだよね、こんなこと日本という国で起きてることとかあんのかな?おばばは生命力といい性欲といい尋常じゃないよ、ちょっと「おえっ」ってなるえげつない表現とかあるよね、オザケンのくだりとかめちゃめちゃ世代だからツボ。

    カラオケ行ってオザケン歌いたいよ。

    今をときめく人気俳優Tちゃんにおすすめされて読んだ本、だからもしもこれが映像化されるなら彼に出て欲しいと強く思う、Tちゃんご紹介ありがっと。

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    2014年02月08日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    NEWSの加藤シゲアキの本を読んで、沢山読書と映画を見た加藤くんがこの本を面白い!と言っていたのと関ジャニ∞の横山裕もこの本を面白い!と言っていて、調べてみたら聞いたこともない人の本で読んでみたら処女作なのね。そりゃ知らないわ。
    エログロバイオレンス!というからわくわくして読んでたら大したことないじゃーんと思ってたら中盤辺りからドラッグ絡んだりえろ描写出てきて若干気持ち悪くなった。気持ち悪くなったのは胃腸炎のせいだけど!夢にまで閣鉄心が出てきてうなされた。。。
    でも、ギャグでしょ!ってことが散りばめられてたりオザケンの件とか面白くてさくさく読めた。
    それと、とにかく中国怖い。
    ラスト結構あっけ

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    2013年12月10日
  • 民宿雪国

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    『いつだって流れる血は美しい。それが悪人のものなら、尚更のことだ。』

    「車椅子だからといって足が不自由だとは限らない。車椅子を見て人々は思う。『お気の毒に…』。しかし本当にお気の毒なのは、見たものをそのまま信じ込む、頭の悪い奴のほうだ」

    『思春期の女の子はこの世で最悪の生き物です。グループ内では常に嫉妬と競争が渦巻いていて、それを作り笑いで装っています。』

    「私は生きることが尊いとは思わない。人命は地球より重いと、胸を張る人たちにはわからないだろう。血で血を洗う戦争を経験した私にはそんなお題目など、現代という束の間の平和でしか通用しないことを知っている。」

    「よく死ぬとはよく生きること

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    2013年12月07日
  • 民宿雪国

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    ネタバレ

    「さらば雑司ヶ谷」ではがっかりしけれども、本作は読んで驚いた。同じ作者が書いたものとは思えなかった。構成だけでも驚きだけれども、詐欺の本質を描きつくしたかのような内容は秀逸だと思う。かなりこの人引出が広そうなので、多ジャンル作家になりそうに思う。それにしても、さらば雑司ヶ谷はいったいなんなのだ、と云いたい。

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    2013年11月04日
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

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    とにかく面白かった。
    こんなに夢中になって読んだ本は久しぶりだ。
    エログロナンセンスなところもあるが、登場人物の人間模様に惹き付けられる。
    知り合いに勧めるかと言ったら昔からの知り合いで、かつこの本好きそうと思った人には勧めるかもしれないが、そうじゃない人には気軽におすすめできる本ではない。まあつまりは一般的にはおすすめできない本だと私は思った。
    しかし、大げさかもしれないが、私にとってこの本は勇気をもらった大事な本となった。

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    2013年09月06日
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

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    悲劇とコントは表裏一体。
    不条理さに豪快さを掛け合わして勢いで突き進む感じ、地獄への道は善意で舗装されているらしいがこの世界がもはや地獄ならば太郎の世界は過剰な愛≒混沌で舗装されている。

    樋口毅宏の愛≒混沌でも喰らえ!な『雑司ヶ谷R.I.P』という小説。
    樋口作品で一番笑えると思うのだが。
    やっぱりシリーズ化で続き読みたいけどどうだろう。
    最後まで読み終わると理不尽さや過剰さにこの混沌さは松尾スズキ著『宗教が往く』が浮かんでしまう。

    コントの散乱銃で撃ち続けられる混沌が近しい。

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    2013年07月30日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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     全くひどい! 虫けらのように人が殺されていく。良心の呵責という言葉はこの小説には存在しない。正義もない。雑司ヶ谷の利権を巡るギャングの抗争だ。それにカルト教団と中国マフィアがちょい絡む。戦争のクライマックスは雑司ヶ谷霊園での銃撃戦。 雑司ヶ谷ってそんな魔窟だったか?完全に遊んで書いているな、この著者は。  タランティーノを彷彿とさせると解説にあるが、映像になってない分、こっちの暴力シーンの描写のほうがむごい。「イングロリアル・バスターズ」も暴力シーンは痛かったけれど、この小説は映像化を念頭に置いていない分さらに痛い。女性はたぶん受け付けない世界。
     しかしタランティーノ映画が好きな人、あとは

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    2017年08月15日
  • 日本のセックス

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    81点。
    主人公の女性の、わざとボーっと生きている感じ、わざと流されている感じ、その結果に対して、どこか人ごとである感じ、の描き方がすばらしくうまい。

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    2013年01月16日
  • 日本のセックス

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    強烈な読後感。

    濃厚な性愛描写から、法廷でのドラマを通して、男女関係を描く。暴力描写もさることながら、セックスシーンが濃厚。

    これを作品として成立させただけでも作者の筆力がわかるというもの。万人受けする傑作とは言えないかもしれないが、忘れられない読書になることは保証します。

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    2012年12月24日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    一気読み。

    頭の中をシェイクして、絞りつくしたような作品。
    破綻しているように見えて、最後まで綱渡りのようなバランスで走りきる。

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    2012年10月16日
  • 無法の世界 Dear Mom, Fuck You

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    ★濁流に身を任せ★「民宿雪国」(内容はほとんど覚えていないが)を読んだときのような混乱とキッチュさと勢いを改めて感じた。だから何なのかは別として、構成力が優れているだけにほかでは感じられない洗濯機の中にいるような心地良さがある。エログロには好みが分かれるだろうし、特に必要なさそうな登場人物が散見するのも少し気になった。

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    2025年09月27日
  • 凡夫 寺島知裕。 「BUBKA」を作った男

    購入済み

    美化していないところは良かった

    90年代〜00年代のコアマガジンの雑誌(BUBKAとか)に思い入れがある人は読むと面白いのではと思う。
    こういうジャンルの雑誌編集者は常識がなければないほどもてはやされるところがある気がするが、
    寺島氏の場合は自分の常識のなさに加え
    部下にもっと常識がなく、しかも編集としての才能と狂気をもつふたりの人物がいたことが大きかったのかなと思った。
    記録としては有意義だと思ったし(本当はもっとひどかった、という話がSNSに流れているのがすごい)
    この種の本にありがちな過去への陶酔が少ないのが読みやすかった。

    #ダーク

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    2025年05月25日
  • ルック・バック・イン・アンガー

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    ルックバックインアンガー
    樋口毅宏
    久々に樋口先生の作品。相変わらずぶっ飛んでて面白かった。エロ雑誌の出版社に巣食う奇特な人達…どうすればそこまで精神を病んでしまうのか?サイコパスって結構なキツい状況を背負って陥いる病的な性質って感じだけどそれすら生易しい印象を受けた。こんな人たちを僕は幸か不幸か見たことない…wちょっと「おかしな感じ」「おかしな気配」を感知したら普通に逃げるよね。怖いもの見たさで近寄ったり触ったりなんか絶対しない。嫌な人や苦手な人はいっぱいいた。そんな人と一緒に仕事もしてきたけど本作に出て来るような人は知らないなぁ〜w
    知らなくて良かったとも思うわwちょっと読み物として触れる

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    2025年03月27日