あらすじ
愛する女が他の男に抱かれると異常な悦びを覚える白鳥。脳内の友から逃れようと、酒に溺れるロック狂の逸馬。醜貌の蜂村は部長の肩書きで女を誑かしては教祖のように振る舞い、茂吉は一族の宿命に縛られる。世間から蔑まれ生きるエロ本出版社の男たちは、欲と自意識に囚われ、やがて凄まじい一撃を炸裂させる――。著者が編集者時代と決別すべく描いた、超弩級の物語。
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Posted by ブクログ
ルックバックインアンガー
樋口毅宏
久々に樋口先生の作品。相変わらずぶっ飛んでて面白かった。エロ雑誌の出版社に巣食う奇特な人達…どうすればそこまで精神を病んでしまうのか?サイコパスって結構なキツい状況を背負って陥いる病的な性質って感じだけどそれすら生易しい印象を受けた。こんな人たちを僕は幸か不幸か見たことない…wちょっと「おかしな感じ」「おかしな気配」を感知したら普通に逃げるよね。怖いもの見たさで近寄ったり触ったりなんか絶対しない。嫌な人や苦手な人はいっぱいいた。そんな人と一緒に仕事もしてきたけど本作に出て来るような人は知らないなぁ〜w
知らなくて良かったとも思うわwちょっと読み物として触れるくらいが凡人にはちょうど良いかも。樋口毅宏先生の著作そこそこ読んできたけど、どれも刺激的で興味深い作品が多い。だからまた違う作品を読もうと思う。どこか突き抜けた世界の人達を興味本位で垣間見るには最適です笑笑。けど彼の才能は本当に素晴らしいし作品も素晴らしい。だから好きなんです笑笑
Posted by ブクログ
エログロの樋口毅宏らしいお話で、今回もクセの強い人たちが出てくる。
自分の女を他人に抱かせて嫉妬心でさらに愛すという歪んだ性癖!いやードMすぎでしょう。そしてそれに従う女もドMすぎでしょう。理解不能だけど、きっとそういう性癖の人は実際にいて、それをさくっと作品にしちゃう樋口毅宏が好きだなぁ。
Posted by ブクログ
エロ本出版社の男たちの欲望と夢想を、著者ならではのエログロバイオレンスたっぷりに描く、『俺たちに明日はない』物語。
向かうところ敵なし風の男たちが、やけに孤独感と虚無感を感じさせる。コンプレックスやトラウマという言葉ではおさまらない何かが、破滅の道を飾り立てる。読む者を選ぶ著者の作品だが、人間の本質を鋭い突起物で突くような表現は、その痛みを知るとクセになる。それも悲しい人間の性だ。