あらすじ
彼ほど嫌いな上司は、いや、人間はいなかった――。
1990~2000年代、時代を狂喜させた伝説の“鬼畜系”サブカル雑誌。
その創刊編集長のちっぽけな栄光と、ろくでもない死に迫る愛憎ノンフィクション。
関係者取材40人以上、延べ100時間以上のインタビューを経てたどり着いた
モンスターの真実。
「モラハラの権化」「サディストの化身」「セクハラ鬼畜」。
「強欲の炎」そのものだった男はコアマガジンで英華を極めたが、
遂には自らの炎に燃やし尽くされ、ひっそりと孤独死を迎えた。
彼の人生はいったい何だったのか。
魑魅魍魎の人間ドラマ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かったー!パチンコ規制もなく、表現規制も緩く、出版不況もなかった頃の90年代からゼロ年代、某出版社が春を謳歌してた頃のある種の告発本と言っていい。謳歌ぶりは今で言うとGAFAM感があるなー。ホントにやばそうな人物はイニシャルだったり、事務方の子と無理矢理結婚にこぎ着ける件り、令和の今、登場人物が皆粛清されてる感じとか、全部生々しかったなー。
Posted by ブクログ
さりげなく書かれていた某事件の顛末に驚愕。ああ、そうだったのかあ…。業界(社内)的には成功にしても、社会(社外)的には落ちぶれるしかなかった「凡夫」。タイトルが俊逸。未読の「ルック・バック・イン・アンガー」が気になる。
Posted by ブクログ
自分が高校〜大学くらいの90年代後半の雰囲気が脳内によみがえった。このころ、雑誌読むの好きだったよなーそういえば、と久しぶりに思い出した。ええ読書体験でした。しっかしアダルト出版社、めちゃくちゃやな。と思いながら、朝の通勤電車で読むと妙な元気が湧きましたわ
Posted by ブクログ
猛烈に面白かった。
ノンフィクションであっても樋口毅宏の作品だったし、樋口毅宏さんに書くことを勧めた岡崎さんの慧眼でこの本が読めた、感謝です
読んでいて思った。樋口さんの作品達から出ている野生みというか、強い刺激はこの経歴から生まれたんだなと腑に落ちた
ただこの湿ったような読後感も併せ持つから
今でも新作が出ると積んでる本も読んでる途中の本すら差し置いてすぐに読んでしまう
Posted by ブクログ
コアマガジンは退廃出版社だった。退廃を切り売りした編集者について書くのに、明日への希望や展望に繋がる訳がないだろう。 本文より
解説から 漂白されすぎた今の時代に、過去存在したことが忘れられないように記録すること
美化していないところは良かった
90年代〜00年代のコアマガジンの雑誌(BUBKAとか)に思い入れがある人は読むと面白いのではと思う。
こういうジャンルの雑誌編集者は常識がなければないほどもてはやされるところがある気がするが、
寺島氏の場合は自分の常識のなさに加え
部下にもっと常識がなく、しかも編集としての才能と狂気をもつふたりの人物がいたことが大きかったのかなと思った。
記録としては有意義だと思ったし(本当はもっとひどかった、という話がSNSに流れているのがすごい)
この種の本にありがちな過去への陶酔が少ないのが読みやすかった。
Posted by ブクログ
・率直に言うと、こういう人いるな、けど、とりたてて珍しくない、と思った。
・身に覚えがある、実際の職場で会った上司。確実にこういう人はいる。が、読んでみてそれ以上でもそれ以下でも無い、と感じでしまった。著者の実際受けた「酷い目」の具体例の記述が少ないから?(思い出したくも無いだろうけど)
・なので、どこの職場にいる厄介な人以上の印象がなかった。もしかしたらそれが狙いかもしれないけれど。(更にもしかしたら、そういう自分の方がおかしいという可能性も)
・とは言え、アングラ出版社のやりたい放題の時代の記述は、全然褒められた物ではないとはいえ、やはり面白かった。