樋口毅宏のレビュー一覧

  • 愛される資格

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    黒澤明 驟雨しゅうう 作家の白石一文と同じ職場で働いていた編集者 鼎談ていだん 佐藤優まさる 大学は同志社で神学を学び 才能に見切りをつけることができず、その後も野球に固執していたら、俳優・仲村トオルは誕生しなかった。 槇原敬之とスマップが一緒になって歌っているのを見て、兼吾は柄にもなく泣きそうになった。 競争があったから今の自分がいる。槇原敬之はそう叫びたかったはずだ。 踵を返して 心は綯交ぜだった 近親憎悪 未曾有の災禍さいか 自分は人と違うってアピールしたいんですか? 骨董品のような音楽 ウィーザーの赤裸々で自意識過剰の歌詞 ピンカートン ハーバード大学に復学 歌川広重のえをジャケットにした 思わぬところ闖ちん入者 不躾に サブカル野郎 シンジケートローンを組んで V字回復 自棄酒の果てに 露骨なパワハラ 糾弾 茗荷谷にある下永の邸宅は、成功者のそれだった。 背を伸ばした乙女椿 薄桃色の蕾 傍らには石楠花と黒文字が植わっていた 豪奢な 瀟洒なスタンドライト 東郷青児 数多の女性と浮き名を流しては 行きずりの女の腹上死 男子の本懐 リア充クソ野郎 「いまどきそんな奴いるのか」と、失笑を誘うほどの保守本流。権威主義にありがちな、借り物の価値観。秩父宮ちちぶのみやラグビー場 新潟県湯沢町では80㎝の積雪を記録し 心ゆくまで微睡んでいたい 早稲田の勝利を前祝いして 早明戦 辛辣な野次 図星とはいえ腸が煮えくり返った 臙脂と黒の縞のユニフォームがグラウンドを席捲した アルコールと集団心理による勢いに加え 追従 反撃の狼煙が上がった 快哉を叫び 失点のショックは嘲笑に転化された 同じ穴の狢 りんしょく吝嗇家にはお誂え向きの店だ 居丈高な物言い 雁首を揃えて相槌を打つ そうごう相好を崩す 吹聴する 学び舎や すべからく=当然 怪訝な顔では首を捻った 彼の中の暗黒が育まれた ごうほうらいらく豪放磊落な笑い声が耳朶に張り付いている 駅前のサンマルクカフェ 自分の英雄的行動を反芻していた 勝手口から 越南珈琲 底の方に練乳 一盗二婢三妓四妾五妻 (いっとうにひさんぎししょうごさい) とは昔から言うが、それが上司の妻だったら最高だ。 ソーハラ 憤慨した口ぶりとは対照的な、向日葵のような笑顔で返していた。 落ち着いた、ナチュラル系の大人の女性のコーディネートだった。 しゃくやく芍薬にも棘がある 友情ドラマの定番を嫌い 金融資産ゼロ世帯 沈思黙考 露見 慮って 最後通牒 そじょう俎上に載せるのが手っ取り早い 初心うぶ 生娘きむすめ ボキャブラリーが貧しい 良い言い回し 春遠からじ しゅこう首肯 かんしょく閑職 渋谷の神泉 水茎の跡も麗しく メールが当たり前の当世とうせい 本書の白眉しろまゆ 逢瀬を重ね ぎょくおん玉音放送 かけはし梯久美子の稀有な筆力 嗚咽を漏らして 敬愛する劇作家のつかこうへいの言葉を借りれば 「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くで見れば喜劇である」 チャップリン 冷徹な視線 典型的なタナトフォビア(死恐怖症) 重篤な病名を挙げては おおしい男々しい 色香を感じた 蛞蝓のように おくび噯にも出さず めく捲ろうとする 血が滾った 行為の前に慄くおののく 隆々と怒張する肉棒 ちもう恥毛 辛抱堪らず花芯の部分へと 嬌声 さや莢から顔を覗かせる いんしん陰唇 蕩けて つぶら円らな肛門 器官全体で すずくち鈴口 兎に角優しさと愛情が求められる 疎かにはしなかった あまりの愉楽に 親兄弟や親友さえ知らない「素顔」を自分だけが知っている。 これに勝る悦びがあるだろうか 男が生まれてきた理由を、実現させていた。 吸い付いてくる秘唇 恍惚とした顔を見ればわかる それは思春期の初恋を凌駕する 背徳感は最上の潤滑油に変わった 忌まわしい上司への復讐と、ひとりの中年女の救済を同時に行っているのだ! 煩わしいことこの上ない 妖艶な表情 臨界点 雄叫び 私怨の粘液をありったけ注ぎ込んだ 妖美もどこかに消えて 心地良い気怠さと大きな気怠さの極致 熱から醒めた戸惑い 田園都市線 賢者モード 知る由もなかった 杉や檜 深閑しんかん 当座を凌いで 瀬良はグレンフィディックの12年モノをストレートで呷ると、事も無げに答えた。 愚痴を零している内が花だな 反逆のヒーロー 躑躅つつじ 花や木々の名前にも詳しい まんじりともせずに 発情にも似た興奮 世に言う山ガール 邪念がどこかに消えていく 山に崇高なものを感じ 山岳信仰 やまびこ茶屋で名物のとろろ蕎麦を食べる 憚らない高声 天狗が祀られた薬王院 京王線高尾山口 下卑 花園 またぬの股布 凌辱心を煽る 肉壁の感触を味わう 妖花 陰嚢いんのう フランス人の言うところの「小さな死」を迎えた 松陰神社 染井吉野が満開で 八重桜は遅れて五分咲き 艶やか にれいにはくしゅいちれい二礼二拍手一礼 やおよろず八百万の神 great3の「綱渡り」 安政の大獄 真情を披瀝 悪怯れる風はなかった 井伊直弼なおすけ 錦の御旗に カトケン世代 盤石最強のキャラクターを揃えた 三軒茶屋 瀟洒なブックカフェ 享楽的に 嘆声を堪え切れない 扉に凭れ 偉容 慮る お腹側の方を擦らなければいけないのだ サイズを競ったところで赤ん坊の頭には敵わない 舌鋒が鋭くなる 有り難い御説を拝聴 しごき扱き せいえん凄艶さ 当意即妙 淫靡いんび 大腸の奥まで見えんと皺の開き切った肛門の奥まで 脊髄反射の喘ぎ みだら猥ら こぼれ零れ 何度アクメを貪ったかわからない いわん況や男をやである 脆弱な殺し屋 自分をすべて受け止めて貰える悦び。即ち、生の肯定に兼吾は満たされる。 三億を超える精子 惚けて 池尻大橋 寂寥感 大きなアドバンテージ 藤波辰爾たつみ 豪奢な 絢爛けんらん いまどき婚 凛とした佇まい 酔眼朦朧 野坂昭如あきゆき 藤本義一 まえ前時代的な、セクハラスピーチとも取られかねない下永の祝辞を聞きながら、兼吾は全否定できない自分を感じていた。 二次会はさんざんごご三々五々解散となった 上がり框かまち 傲慢な謙遜 水戸の三ぽい 捩込んだ 喜悦に満ちて 圧し掛かった 姦通 貞淑然とした 猛り狂った肉棒 畜生以下 ワン・ダイレクション 肉唇を攪拌した せいえん凄艶な宴 泥棒猫宛ら 愛怨あいえん 蜜壺を掻き混ぜる たむろ屯する 滴り しんそう深窓のマダム 洟を啜った 生涯の苦役をかい搔い込んだ 色情狂いと嗤われて 優艶で豊麗な女盛りを迎え手慰みで誤魔化し 艶美な笑み な哭いた 井荻 整体師 統計的に見ても、妻を亡くした夫は五年以内にかなりの数が後を追うように死んでいくが、逆に夫を亡くした妻は、夫が存命するより、著しく長生きしている。 つくづく人生は出会いに尽きる 内藤剛志 嵯峨野さがの 南果歩と瀬戸内寂聴 目から鱗が何枚落ちたかわからない うずみび埋み火が紅蓮ぐれんの炎に変わり 四十雀しじゅうから 耳朶みみたぶ 面貌めんぼう ちょくじょうけいこう直情径行 折衝せっしょう ふくまでん伏魔殿の住人の嘆息に 胸を衝かれる 粛清人事 女という生き物の酷薄さを見た 気になった 間男の分際で 贖罪 用賀の砧公園 真島昌利 やれやれ 村上春樹 ひとは他人のすべてを知ることなどないのかもしれない 草臥れて 母親と駄々っ子の様相を呈していた 「男の理想の女はな、セックスさせてくれるお母さんだ」 年々歳々感じ入るようになり 図体ばかり大きな子供 「兼吾、あなたが父親になるということは、あなたはもう子供ではなくなるということ」ふたりは見つめ合う。秀子は囁く。「兼吾、大人になりなさい」 蛸とキムチの和え物 金麦 壇蜜 檀れい 意味深 不倫 公に認めない 金妻 『ウォーク・ドント・ラン』って春樹と龍の対談本 狼狽えることはなかった 貧すれば鈍する 金額の多寡に関わらず、自信を持って誇れる仕事を続けていたら女はちゃんと寄ってくるよ。 「たぶんこのまま素敵な日々がずっと続くんだよ」 オザケンの名曲 空咳 艶めかしく 黄色い液体と、白濁した濃厚な汁が混ざるのを見て、秀子は、面白いねと呟いた。 目を覚ますと体中に力が漲っていた 小学校の予防接種 否応なしに 「セックスがあるから、生き物は死ぬんだと思う。永遠の命を与えられても、セックスがなかったら生きている意味はないかなって。セックスは有限の命の特権なんだって。そう思うと、あれだけ気持ちがいい理由がわかる」 残りの一%に人生の真実があるような気がして great3の「素敵じゃないか」 覚悟を求められる決戦は近い 一抹の寂寞と安堵を感じた 節電騒動 一ドル七十五円というかってない円高 爛々と 猿山の争い フィジカルをチマチマ売る時代じゃない 頭をさす摩りながら 却って 西武秩父線が廃止されるかもしれない 「世界一の金持ち」と謳われていた堤義明 サーベラスと敵対関係になる 過剰な感性を剥き出しにして表現できる彼らが羨ましい たしな窘めて 『ノーウェアボーイ』 「ジョン・レノンのお母さん、ヤリマンだったんだ」 アーロン・ジョンソン ショーンくんは四十二歳の時の子だし NTR=寝取られ 「愛ではないね、ただの渇きかな」 蠢いて みょうがたに茗荷谷って驚くぐらい何もないね 午餐会ごさんかい 俯いて 東京都立大塚病院 俺はお前の部屋で、おまえのおっかさんとヤッたぞ。おまえが出てきた穴に、太い栓をぶち込んでやったぜ。 不倶戴天の敵 『復讐するは我にあり』 因果応報 愚者と嗤われても 懺悔 大見得を切った 防波堤が決壊しそう 泣きたいときこそ笑ってみせろ 苦渋を嘗めていた 将来を嘱望される逸材 豪放磊落らいらく 悔恨の念 終生付き纏った 雲散霧消 "自分探し" "自分なくし" 渡りに船 御誂え向き そっと目で促した 脆そうな 通俗的 金正恩キムジョンウン 『ロッキング・オン』でミュージシャンが得意げに語る「絶望ごっこ」に、いいかげん、さよならをしなければならないと思う。 梨の礫 問い質す 二本の糸がよ縒り合うように 年相応に草臥れて すべてを包み込んでくれる極上の生地に思えて おかあさーんと叫びながら射精した 天啓のように感じた 小説を書いている間は物凄く辛い。だけど自分と向き合い、掘り下げていく作業は、これまで経験したことがないほど自分を燃やせる行為なんだ。 身動ぎ お前の好きな人たちはみんな絶望の淵から這い上がってきたんだ 肩をすく竦めながら 帝王切開 自己憐憫に浸っているだけ いろいろな物思いに耽る 清濁併せ持ったひとりの人間を飲み込む気持ちでいたい 唾棄すべき対象 死ぬまで綱渡りだ カタルシスのない、苦い現実を受け入れる。他者を断罪するより、自分自身が本気で生きる。それが大人になるってことだって、今は思うんだ。 略奪婚 身から出た錆 改悛 天才ではないものの足掻きを見せつけたいんだ 『死の棘』 扉越しに分娩室の騒めきが伝わってくる。もう一度生まれた気がした。 何の矛盾もない 片寄明人 有隣堂の書店員 きたん忌憚のない感想 泉谷しげる 拙著の引用箇所

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    2018年05月12日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    中国から久しぶりに戻った俺を出迎えた友の死。東京、雑司ヶ谷。大都会に隣接するこの下町で俺は歪んだ青春を送った。町を支配する宗教団体、中国マフィア、耳のない男…狂いきったこのファックな人生に、天誅を喰らわせてやる。エロスとバイオレンスが炸裂し、タランティーノを彷彿とさせる引用に満ちた21世紀最強の問題作、ついに文庫化。脳天、撃ち抜かれます。

    ホモホモエログロドロドロドンパチドンパチアンアンアンという本です。疾走感がすごいのに寄り道もすごい。話に関係するのかと思うサブカル系の話題も全く関係ないまま疾走し続けます。雑司ヶ谷という作者が生まれ育った静かな町に紙面で暗黒帝国を起立させ、徹底的に破壊し新たに構築しております。何がすごいってハードボイルドでエログロなのにヒロインと老婆しか女性が出てこないのがすごい。ひたすら男と男が肉弾相打つという様相で、満員電車で読んではいけない本という点で、花村萬月に匹敵するでしょう。
    謎らしきものを解いてミステリーっぽさを出しているものの、誰もそんなこと期待していないのは明白。猛進しつづける暴走列車から振り落とされない方が重要なのです。
    タモリさんもいいとも終わってからすっかり楽しそうになって、絶望大王ではなくなったような気がします。って小説のレビューでタモリさんの事書く時点でこの本の異常性が表れているような気がします。

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    2018年04月02日
  • おっぱいがほしい!―男の子育て日記―

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    男の子育て経験中なので、うんうんとうなずくこと多数。しかし、嫁さんのブチ切れ具合がすさまじい。おもしろい人を伴侶に持つと大変ですな。

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    2018年02月14日
  • おっぱいがほしい!―男の子育て日記―

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    仕事仕事と忙しげにして
    子供を任せっぱなしなことを
    言葉だけで労う奥様に対して
    怒りをぶつける場面など
    ああ 育児して
    ストレスたまるのは
    女男関係ないのね
    と 目から鱗です

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    2017年11月08日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    『考えてみる。私が人生でいちばん幸せだったのはいつだろう? 自分がこの世界の主役と疑わなかった頃は。』

    『人は国とか社会正義とか、大義のために生きてはいけない。自分のために生きることがいちばんだ。
    それにあれだよ、「人の為」って書いて「偽善」の「偽」だよ。みつをも言ってた。』

    「僕たちは偉大なる先人をリスペクトしているからね。右から左に移すのは盗作。愛があればオマージュ。なければただのパクリ」

    「おまえは自分では心の優しい女だと思っているがそれは大きな間違いだ。嫌になるほどおまえのことを知っている俺は断言できる。おまえは拭くのが面倒臭いという理由でネコを電子レンジに入れて死なせておきながら、その後はネコの墓に手を合わせてそっと涙を流すような、そういう女だ」

    『罪の意識などなかった。時は来た。ただそれだけだった。』

    「女はね、憎い男を殺すためなら、好きでもない男と寝るなんて容易い。でもね、本当に好きな男がいたら、もうできないんだよ」

    『二分とかからなかったと思う。俊太郎は目を見開いたまま、床に倒れて、それきり動かなくなった。床にどす黒い湖面が広がっていく。
    それでも私には残念なことがあった。この男を、一度しか殺せなかったことだった。』

    『女はみんな、男には秘密にしているが、セックスのとき目を瞑っているのは、他の男のことを思い浮かべているためだ。でも私がこのとき瞼を伏せていたのは、世界をひとりびめにしたかったからだ。』

    『「こんなの初めて」
    女は男の自尊心を立てようと、常にリップサービスを忘れない。たとえその戯れ言が手垢に塗れたものだとしても、男たちは素直に受け止めてほしい。そうすれば私たちもまた「男って本当にバカだな」と思えるから。』

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    2017年11月07日
  • 愛される資格

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    嫌いな上司の妻を寝取る恋愛小説。
    前半は寝とった妻との性描写が多めだが、徐々に恋愛小説っぽい内容に。
    映画・小説・漫画・音楽、様々な作品からのオマージュを散りばめるのはいつも通りだが、本作は従来の過激な表現を抑えているのが印象的だ。最近の作品は私小説のような内容が多く、個人的には気に入っている。本作もそう。著者の思いのたけをぶちまけながら、恋愛小説として、そして男の成長物語として紡いでいったのだろう。
    ある程度歳を重ねたが、まだまだ若いと思ってる男性は読んでおいたほうがいい気がする。色々と考えさせられる。

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    2017年10月22日
  • タモリ論

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    これまでなぜか語られることがなかった芸人タモリを新鋭の異才作家・樋口毅宏が著すとなり、出版前からかなり話題になっていた本。タモリって、30年間もいいともに出続けながら西川きよしのような刻苦勉励さは微塵も感じず、脱力感は所ジョージ同様でありながら、ライフスタイルを切り売りをせず、たけし同様大学中退のインテリでありながら政治について黙して語らず。博覧強記でありながら上岡龍太郎的な理屈分析を芸風にはせず、もちろんクイズ番組にも一切出ず、本も出さない。とは言え、ストイックな堅苦しさも醸さないし、お笑いの大御所よろしく、自分の番組に可愛がってるタレントを遇することもない。そう、どの鋳型にもはまらない得体の知れない狂気さを実は孕んでいるんではないかと著者は見る。お笑いBig3のたけし・さんまとの比較も交えながらサングラスの奥に潜む芸人タモリの真髄に迫った好著。オススメ!

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    2017年07月26日
  • 太陽がいっぱい

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    「新日と新日本は違うんです」ーー昭和のプロレスファンは新日本プロレスを「新日」と呼び、2016年のプロレスファンは「新日本」と呼ぶ。
    伝説のプロレスファン漫画「最狂超プロレスファン烈伝」の著者・徳光康之氏は熱く語った。

    総合格闘技にプロレスラーが登場しては惨敗する中、21世紀に入ってからプロレス界は長い冬の時代を迎える。
    業界最大手の新日本プロレスは、遂に身売り。カードゲーム会社に買収される。
    マニア層を切り捨て、スタイリッシュなスターを登場させ、会場は「プ女子」に代表される新しいファンで埋め尽くされる。
    しかし、現在のプロレスには何かが足りない。
    プロレスとは、哀愁、やるせなさ、野心、痛み、無情感。そんなものが詰まっているのだと著者はインタビューでも語っている。
    プ女子を代表する直木賞作家・西加奈子さんの「ふくわらい」へのアンチテーゼがそこにはあるとも。

    圧倒的な人気を誇る人気作家に、一方的な怨念を投げかけて、自分の中にあるプロレス熱を放出して紡ぎ出した、情念の塊のような小説。

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    2016年10月05日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    完全にフリッパーズギターがモデル。
    本編でも言っているが、実在する人物、カルチャーなどの嘘もホントも混ぜこぜのコラージュで堪らなく面白い。
    ロッキンオンとか読んでた人は特に。(自分)
    サブカルクソ野郎のめちゃくちゃに面白いエンターテイメント。

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    2016年10月04日
  • タモリ論

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    タモリがTVに出てきたときは、とにかく面白かった。英・独・仏・中国語もどきの麻雀は最高だった。最初からばかばかしいのに若干インテリくさい芸事ではなく余興の権化だ 。

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    2016年06月13日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    テーマがキャッチー。あきらかにフリッパーズギターだし、渋谷系だし、実在するバンド名もいっぱい出てくるし。ちょっと馬鹿にしたような描写も多いし、性描写もいる?って思ったけれど、全体のストーリーとしてはおもしろく一気に読み終えてしまった。

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    2016年05月04日
  • ドルフィン・ソングを救え!

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    面白かった。この人の作品は初期から読ませて頂いているが、今にも爆発しそうな狂気的な暴力性をはらんだ文体が洗練されてきている気が。

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    2016年02月21日
  • タモリ論

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    タモリはわたしの神です。笑
    熱いファンレターとして読みました。
    でも、持ち上げすぎは好きじゃないです。

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    2016年02月13日
  • タモリ論

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     論。論……というかエッセイに入れておこう。
     読んでて面白かったから書籍の体にはなっているし、自分で観たことしか書かないという姿勢もすごく好き。ただ「論」と題しちゃったことで招かなくてもいい客を招いてしまった感じ。
     ビートたけしの文章だけ読んでいるとわからないようなたけしの本性を見抜くだけの視線の鋭さはある。演技のベースになっているのは泉谷しげると内田裕也だ、というあたりの指摘はよく見てる、と思える。
     慧眼のはづなのに、「論」にするほどのやる気はない感じ。文章の軽さも印象に拍車をかけている。

     ただ、本が本だけに「これでいいのだ」と言ってしまっていいようにも思う。「論」の体裁なんぞ、周りが勝手に期待しているだけだといえば、全くその通りの話で……。

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    2015年11月16日
  • 日本のセックス

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    いいともみたい アクメ=オルガスムス 佐藤 フィッシュマンズ もうすぐ掛布 リアルマニア 高田馬場 中目黒 侮蔑語 青山 幸福の条件デミムーア ちんぼ違った陳腐の見本のようなハリウッドムービー 佐藤 容子 いつか遠い昔に出会った感情ときめき スワッピングは、複数のカップルがお互いのパートナーを取り替え、同室もしくは別室で行う集団的性行為のこと。 リビドーはラテン語で、人間の行動のもとになる性的欲望のこと 神木 雅美 愛子 タナケン 薬師寺 六本木 モーニングアフターピル 風が吹くとき 無知は罪だ サニーデイサービス解散LIVE アメリ 燃えドラ 片腕マシンガンガール GREAT3 LastSong バナナ 影 嫉妬 ショコラ 手頃な伝説 福本伸行の漫画のような喧噪 裁判員制度 12人の優しい日本人 三谷幸喜 ブラックコメディー 乗員オーバーの客船 綺麗な顔をしたニュースキャスターは淡々と人の不幸を伝える 敵を懐柔するには充分な説得力を持っていた 現代の恐怖新聞 性倒錯者 奇跡の海 キリスト教原理主義 まーた白人の一つ覚えだよ 泉谷しげる 春夏秋冬 神が創った摂理 松本清張 張り込み 岡村俊 雨露を凌らる三畳間 きひ忌避していたブルジョア きゅうせい急逝 袖にする 歯に衣着せぬ【読み】はにきぬきせぬ【意味】歯に衣着せぬとは、相手に遠慮なく、率直に思ったことを言うことのたとえ。
    女郎蜘蛛 おあつらえむき御誂え向き じゅうりん蹂躙 女にとって夫とは恋の化石でしかない 未来を語るのは卑怯者のやることだ 関牧翁せきぼくおう 遥々はるばる 忽然こつぜん 日常生活を合理化したものを仮に禅と名付ける パスティーシュ ピュアなひねくれ者 八重洲ブックセンター

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    2014年04月28日
  • 日本のセックス

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     『さらば雑司ヶ谷』そして『雑司ヶ谷R・I・P』と読んで、樋口ワールドにどっぷりはまり、次に手に取ったのがこの本。 まあ、タイトルからわかるように青少年におすすめできる内容ではない。エログロ&バイオレンスで、性的倒錯者の乱交ぶりが延々続く。マニアの世界にドン引き。読んでてちょっと気持ち悪い。SMの描写はめちゃくちゃ痛そう。良く言えば奔放な性、悪く言えば鬼畜。というわけで人によっては嫌悪感から前半で読むのをやめるかもしれない。


     しかし、書いているのは樋口毅宏。ただのエログロ小説ではない。


     「カンダウリズム」という言葉があるらしい。
     現代のトルコである古代アナトリア半島のリュディア地方を治めていたカンダウレス王は、自分の王妃があまりに美人だったため他人に自慢したくなり、彼女が着替えているところを護衛のギュゲスに覗かせる。それを知った王妃は激怒し、ギュゲスに命じてカンダウレスを暗殺させる。ここから転じて、自分の恋人が他人とセックスするのを見て悦ぶ性的倒錯者を、カンダウリズムと呼ぶようになった。


     主人公の夫婦、佐藤(夫)と容子はカンダウリズムの関係で、佐藤は容子が他人と性交しているところを録画して性的興奮を得る。相手はネットで募集したり、マニア雑誌で素人モデルの仕事をしたり、スワッピングパーティに参加したりして得る。
     一般常識からいえばただの「変態」。


     しかしである。夫婦の愛が真実かどうかを、その行為の一般性から論じていいのか?という問いがここで投げかけらる。
     
     そして、ある事件から物語は一転してシリアスな法廷劇へ。前半と後半では同じ著者が書いているとはとても思えないほどの変貌ぶり。
     
     「変態」との烙印を押して佐藤夫妻を悪者にしたい司法と裁判員たち。そこには異質なもの=悪という排除意識が垣間見える。しかし善悪の判断はノーマルかアブノーマルかで決めるものではない。果たして裁かれているのは被告なのか、それとも常識のフィルターを通して愛を裁こうとする司法と裁判員、そしてそれに与する読者なのか。 
     
     古代ギリシャでは、肉体は精神を閉じ込める牢獄、という物心二元論の哲学があった。肉体という牢獄に囚われて、精神を見失っているのは佐藤と容子なのか、それとも司法なのか。
     前半のエログロからは想像もできなかった深遠なテーマをこの小説は秘めている。


     最後に佐藤がとった行動に、なんだか切なくなった。
     
     ほんとに、予想外の結末だった。

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    2017年08月15日
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

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    「さらば雑司が谷」の続編。今回は太郎の現在と泰の過去が順番に語られる書き方で相変わらず語り口が斬新で面白い!オザケンの所に作者本人が出てきて痛快な批判をしたりとか、吉蔵の行動がビートたけしさんのオマージュだったりとか一々面白かった。あと秋葉のグループのプロデューサーのコウとか、猿の惑星のぱくりの猿成金とか村上龍とかのとこ!!秋元康とNIGOと村上龍のこと散々だし笑えた!
    話もとんでもない方向に進んでいくし雑司が谷シリーズの集大成!だね!!
    まさか雅子があんなんなるとは思わないし泰も最初と最後で別人だし本当にとんでもない化け物で期待を裏切らない。壮絶な人生すぎて面白かった。
    ありえないことだらけで、雑司が谷を知らない私からすると雑司が谷と池袋どんだけ物騒なんだ!と思うね。あー本当に面白かった。こんな本なかなかないな。

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    2013年12月26日
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)

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    「しばらく見ないうちに変わったな」
    「変わらなければ、生きていけなかったの」

    『あらゆる健康法は、持って生まれたDNAの前では気休めにすぎない。』

    「歌うことがないからとりあえずラブソングを歌っている連中とは違うのさ。誰もが気軽に聴けるポップソングの中に深い真理を込めたフレーズを織り交ぜる。それが大事なんだよ。」

    『この世に神はいない。それは歴然とした事実である。
    天国と地獄もないし、前世も霊も、ましてや運命などといったものもない。それは偶然をこじつけようとする勝手な解釈にすぎない。それを自覚した人間から金持ちになっていく。』

    『時代や国家が違えば、思想や価値観も変わる。現代では人類はみんな平等ということになっている。だが人類が「命の尊さ」とか「人権」とかいうそれはそれはステキなお題目を唱え出したのは、たかだかこの半世紀のことだ。それまでは腹が減りすぎて考えられなかった。』

    『平等だとか博愛だとか、立派なことを並べ立てられるのは、衣食住が満ち足りているからこそだ。』

    『死者は見守ってくれていたとしても、手助けはしてくれない。あの世から金を持ってきてはくれないのはもちろんのこと、水の入ったコップ一杯、運んではくれない。文字通り、ただ見守っているだけだ。
    俺たちは現世において、現実において、自分自身の手で道を切り開いていくしかないのだ。
    もう一度言う。この世に神はいない。
    俺は、俺という存在を徹頭徹尾、偶然の産物だと確信し続けるだろう。』

    『俺は映画や本などではなく身体で知った。セックスは愛の行為ではなく、奪うか奪われるか、支配するかされるかを決める力学であることを。
    心が肉体をコントロールするのは難しいが、肉体は心をいくらでも矯正し、支配できる。』

    「溺れている人に船から浮き輪を放り投げて、『自分はただ見ているだけではなかった』と言い逃れするのではなく、自分も海に飛び込んで溺れた人を助けてあげなさい。強い意志と行動を続ければ、必ず不幸の連鎖を断ち切ることができるよ」

    「おまえも人の使い方がわかるようになってきたじゃないか」
    「命は平等ではない。それはあんたの口癖だったじゃないか」

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    2013年12月09日
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

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     雑司ヶ谷の妖怪こと泰光会教祖・大河内泰が死んだ。二代目を継ぐことになった太郎は巨大利権を巡り、骨肉の争いのど真ん中へと身を晒すことになった。卑劣で凶暴な男たちの抗争の幕が切って落とされた。金の臭い嗅ぎつけた有象無象が群がってきては殺され、雑司ヶ谷の地は血に染まった。豊富な資金と人脈で余裕綽々でハイエナどもを蹴散らしていた太郎だが、核兵器を撃ち込むしか倒せないと恐れられる伝説の格闘家・吉蔵を敵に回したことで窮地に追い込まれる。太郎の周りには屍の山が築かれた。激化する抗争は雑司ヶ谷の地を飛び出し、池袋のランドマーク・サンシャイン60が戦場と化した!そして巣鴨プリズン跡地に宿る霊が目を覚まし、霊力を増幅し大地が揺れる。まさかグラウンド・ゼロとなってしまうのか!?・・・2チャンネルは泰光会関連のスレッドで占められ、お祭り状態だ!

     というとてもマンガチックな内容で、とても馬鹿馬鹿しいのだが、ここまで大ぼらを吹かれると気分爽快だ。小説家と詐欺師に必要なのは嘘をつく能力だ。しかも大きいほうがいい。
     
     この本は『さらば、雑司ヶ谷』の続編だが、今回は「ババア」と呼ばれた泰の人生と、泰光会が巨大な宗教組織へと変貌するまでのプロセスが、丁寧に書き込まれていて面白い。壮大な一代記だ。もちろんフィクションだけれでも、戦中戦後に人々が陥った心の空白に入り込み、雨後のタケノコに例えられた新興宗教の手口というものにはリアリティがあっていい。農村の貧困とか、都市部の階級差別などの記述はたぶん相当調べて書いたと思う。前作にはなかった念の入った記述に、著者の力量を感じる。


     まだ続くのか? 続編が出たら絶対にまた読む。


     というか雑司ヶ谷は復興するのか?
     

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    2017年08月15日
  • 日本のセックス

    Posted by ブクログ

    変態小説のようでいてピュアな純愛小説のようでもあった。
    性を題材にしているが実際は人間の心理や感情をきめ細やかに書き出している。

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    2013年09月14日