あらすじ
世界中のレスラーたちが壮絶“ガチ”バトルロイヤルに参戦する表題作の他、アントニオ猪木、ラッシャー木村、高田延彦ら実在のレスラーをモチーフにしたものなど全8編を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「新日と新日本は違うんです」ーー昭和のプロレスファンは新日本プロレスを「新日」と呼び、2016年のプロレスファンは「新日本」と呼ぶ。
伝説のプロレスファン漫画「最狂超プロレスファン烈伝」の著者・徳光康之氏は熱く語った。
総合格闘技にプロレスラーが登場しては惨敗する中、21世紀に入ってからプロレス界は長い冬の時代を迎える。
業界最大手の新日本プロレスは、遂に身売り。カードゲーム会社に買収される。
マニア層を切り捨て、スタイリッシュなスターを登場させ、会場は「プ女子」に代表される新しいファンで埋め尽くされる。
しかし、現在のプロレスには何かが足りない。
プロレスとは、哀愁、やるせなさ、野心、痛み、無情感。そんなものが詰まっているのだと著者はインタビューでも語っている。
プ女子を代表する直木賞作家・西加奈子さんの「ふくわらい」へのアンチテーゼがそこにはあるとも。
圧倒的な人気を誇る人気作家に、一方的な怨念を投げかけて、自分の中にあるプロレス熱を放出して紡ぎ出した、情念の塊のような小説。