入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“そして、改まった前川さんの口もとが緩やかに、美しい曲線の伴った微小を形作った。
「今日はこうして付き合ってくれてありがとう、十分満足してる」
ぐわ。面と向かって素直にお礼を言う前川さんにやたら、目が白黒と落ち着かなくなった。どうしたんだ、今日の前川さんは。普段よりずっと青春ポイントの変動を……って、ああそうか。着ぐるみ姿じゃないからだ。いや、女子高生のコスプレが実に似合っていらっしゃる。
周囲の人たちの視線を気にしながら、前川さんと向き合う。各所の肌がこそばゆい。
「いや、俺付き合うっていうかホントなにもしてないけど、いいのかな?」
「それがいいのさ。『なにもしていない転校生』が、ここにいる -
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“でもこれは話すべきなのか?ああ勿論、『僕』なんて実在しない……と思うぜ。これの真偽は内緒、ってことにしとこう。それで、『僕』のその後なんだが……例えば、推理小説ならこういうオチはどうだ?実は『僕』として描かれていた行動は全部、最後に描かれた『オレ』だった、とか。ほんとは大学で『オレ』が甲斐抄子と張り合い、小説家への道を歩む。つまり『僕』と対話していた『オレ』の行動と言葉は……みたいなさ。どう?
あれ、でもそれだと『僕』だか『オレ』だかのその後を語ってるわけじゃないよな。おっと失敗。あーでも、そんなの決まってないんだよな。だから物好きな人が好き勝手に想像してくれ。それがきっと『僕』のその後にな -
Posted by ブクログ
引き続きラブコメ(?)路線濃厚なシリーズ2作目。
但し、今作のヒロインはラノベにあるまじき
年齢40歳(!!!)という異例の展開w。
なんじゃ、こりゃw。冴え渡る鬱陶しい文章に
内容のない会話のオンパレードはもはや文字
麻薬のような役割を果たしてきてます。
そして妙に伏線とリンク好き(フェチ?)も健在で
今作で社会復帰を果たそうとする「エリオ」が
最初に行うこざっぱりに一役買う、美容師
「大井遠江」はみーまーで登場する「トーエ
(浜名遠江)」と思われます。基本そんな人物、
覚えてないっつーのw。
40歳のヒロインを通して、ちょっといい話風に
上手く纏めたところが今作はまぁ...ヨシ! -
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“俺としては、多摩湖さん>文化祭なのだ。まずそこを前提として頂きたい。
というか大抵の場合、多摩湖さん>有象無象は揺るがない。
多摩湖さんスゲー。俺の中で他のたくさんの価値観を伐採しても、何も気にならないぐらい。
さて。
文化祭の季節だった。夏休みを通り過ぎて、九月下旬。まだ日中は熱が栄えている。残暑が消えない内に、夜祭の勢いと共に学校の祭りを盛り上げようって趣旨かは、知らない。
俺の通う学校の文化祭は、去年に関してはそこそこの盛り上がりだった。青春すんのバカクセーと冷める奴、一丸となって火の玉にでもなろうぜな奴。教室には大体半々ぐらいで、逆にどちら側に荷担しても良いと受け皿が二枚あるのは寛容 -
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“なんだ、ちゃんと水着を用意してたのか。……なんでそれでワニかなー、勿体ない。
「あんまりジロジロ見ないでほしいな……」
前川さんが目を瞑りながら、唇を尖らせるようにして咎めてくる。弱っているせいか、普段の調子ではなく子供っぽさが表面に出ている。こういう前川さんも素敵だと思います。
「恥ずかしいって、ワニの方がよっぽど……とか感じない?」
「どうしてだい?」
「え、どうしてって、んー……あ、水着が嫌いとか?それじゃあ着ないか」
「……恥ずかしいからじゃないか、水着なんて。露出が、下着と大差ないのに」
身を捩って水着の生地を引っ張りながら、前川さんがワニを脱ぐのを渋った理由を恥ずかしげに語る。じ -
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電波っぷりに今更つっこむ気などさらさらございません
というか、つっこんだら負け
そう
「ジアースのりてー」と抜かしてみたりとぅるるるるとか言っちゃう恋日先生や
腹の探り合いがメインで会話をかみ合わせようとしない湯女と奈月とか
とにかく盛り込まれまくっているパクリネタには
つっこみいれたら負け
内容に関しては、今巻はむしろ周囲の人間模様がメイン
浩太くんやら恋日先生やら湯女と奈月やら
みーくんと関わりのある人物たちのこれまでとこれからの描写に力が入っていた
みーくんとまーちゃんはむしろおまけだったという印象の方が強い
この物語にはどんな結末が訪れるんだろう
もうただそれだ -
Posted by ブクログ
前作のショーゲキのラストの一文から気になっていた
最終巻の1つ前。ここからどういった展開でラストに
着地するんだろうか...。凄く気になる、
トオルがいなくなってからのクズ野郎のみーさんは
さらに廃人化が加速。みーさんに対してこれまた尋常じゃない
執着心を持って接してくれるもんだから、更にみーさん
壊れちゃったのね。
もはやライトノベルという言葉と対極のベクトルにストーリーは
進むし、人はサクサクって死んでしまうは、活字としての
体裁すら成さない文字の羅列は少しも「ライト」じゃないっス。
読み難さを通り越して、目が痛いっス。
何度も死の淵から蘇ってきた不死鳥ゾンビのみーさんの
華麗 -
Posted by ブクログ
“(ねぇ、宇宙人くん)
(なにかな、地球おねーさん)
(ここのなぞの地下施設にいる予定の宇宙人はお茶のみ仲間とかだったりするの?)
(良く肉じゃがとか作ってお裾分けに来てくれますよ)
(マジで。ちゅーか、ジャガイモって宇宙でも大活躍なのか、見直しちったい)
(……あのさ)
(んー?)
(宇宙人って、本当にいると思ってる?)
あたしが尋ねても違和感ない事柄を、まず相手から口にしてきた。思いの外真剣っぽく。
階段の中腹であたしは立ち止まり、男の子を見上げる。男の子は神妙な顔つきで、潤んだ瞳がアクエリアスの水溜まりみたいに飲み応えありそうな揺れ方だった。
(んむ、そうだなぁ……いる、って信じてるよ。