江上剛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<内容紹介より>
水野剛太は、フェラーリを乗り回す社長にスカウトされ、ヤンキーバーガーに就職。無職から、いきなり正社員となり、夢を描くが……。店長に抜擢された剛太に課せられる、長時間労働、アルバイト人件費の肩代わり、キャンペーン商品のノルマ。さらに、ハンバーガーへの異物混入問題が発生!前任店長が過労死したほどの過酷な職場に、剛太は懸命に立ち向かう!
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衝撃的なタイトルで、現代の社会問題でもある「働き方」をテーマとした作品です。
非正規雇用が増えるなか、正規雇用として就職ができたものの、外食産業の過酷なノルマの中で余裕が全くない生活を強いられる主人公。
読者の視点からは「おいおい」と思うような会社の姿勢にも、余裕がないため「疑い」を持つことなく諾々と従うようになっていく主人公の姿に、日本社会の抱える「問題点」の根深さを感じます。
もちろん、小説ですしフィクションですので、エピローグには心温まる場面もありますが、現実世界ではそうはいかないのだろう、と考えさせられます。
労使関係だけでなく、消費者としても苛烈なコスト削減などを助長しないよう、「社会の一員」としての自覚を(少しでも)もちながら日々の生活を営んでいきたいものだ、と思います。 -
Posted by ブクログ
現代版 遠山の金さん、と言ったところでしょうか
2年前、2つの銀行が合併し、名実ともに合併すべきところ、内部特に幹部は、従来の銀行派閥を意識し、何とか自分の派閥を拡大出来ないか、画策していた。
そこに配属されたのは、庶務行員と言う名の雑用係 高加賀 主水(たかが もんど)。
普段は、雑用をこなしているが、一旦トラブルが発生すると、裏に回って、大立ち回り。
実は、彼の配属は、「ある男」の密命であった。
銀行内部を巡る様々な思惑や策略が入り乱れます。
二転三転する事態に、主水は、どう立ち向かうのか?
最後は、ハッピーエンドで、スッキリします。
ぜひ、続編を
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Posted by ブクログ
合併銀行で頭取秘書を務め、銀行・頭取に忠実に仕えようとする主人公天野が、「隠蔽指令」を受けてずるずると罪の深みにはまっていくが、最終的には銀行・頭取に裏切られるというストーリー。
著者は、「会社は、あなたを必ず裏切る。その時、あなたは後悔しない人生の選択ができますか」というメッセージを込めて、本書をサラリーマンへの警告の書として書いたとのことだ。「登場人物全員悪人」という感じでとても読後感がよいとはいえなかったが、自分の社会人生活の他山の石とするのに、意義のある内容だと思った。面子のために仕事をすることや、派閥争いの不毛さをひしひしと感じた。 -
Posted by ブクログ
東日本大震災後の日本の再生、復興の鍵として、「モノづくり」に着目し、6つの企業と2つの沖縄の産業を紹介した本。取り上げられているのは、ゴルフクラブ、焼酎、ビアマグカップ、プラネタリウム、ノーベル賞に貢献するファイバー素子、醤油、そして沖縄の泡盛と黒糖。著者は、一つ一つの丹念な取材を通して、それらに携わる人々が、利益や競争や自己満足のためではなく、ただひたすら良いモノを作り続けたい、という情熱に突き動かされて日々精進している姿をうまく伝えている。
明治以降の近代化と第二次大戦後の復興を通して、欧米諸国らと同等の価値観、および金融経済システムの枠の中で競い、努力し続けた結果、日本が今のように成長した姿になれたのは否定するべきものではない。が、様々な国際的な問題、複雑に変化し続ける社会において、日本が拠り所とすべきなのは、やはり良いものを生み出し、作り続ける技術であり、それを目指し、支える精神なのだろう。そういったものをないがしろにし、頭でっかちな理論や上っ面を取り繕ったようなモノは、例え一瞬は人の目を惹きつけたとしても、長続きするものではなく、いずれ時間と競争の波に流され滅びていくだろう。
本書が書かれたのは2011年。当時、すべての日本人が感じた共通の想い、あるいは願い、のようなものが確かにあったはず。あれから年月が経ち、復興もいろんな面で進んでいるところもあるだろう。社会も人も常に変化もし続けるだろう。しかし、過ぎ行く時間の中でも決して忘れたり、風化させてはいけないものがある。本書に取り上げられたような企業、人、それらの精神がこれからも強く存続していく社会、国にしていく努力をを我々は忘れてはならない。 -
Posted by ブクログ
「天あり、命あり 百年先が見えた経営者 大原總一郎伝」江上剛
子孫というものは祖先を訂正する為にある。祖先の欠点をよく見て、それを批判して、訂正する事が義務である。
人間がその人の全ての財産。その他のものは益にはならず害になる。だから人間に生まれてきた以上、真の人間たるように努力しなければならない。
苦難苦労の先に幸福あり。光明あり。安全の道には進歩も工夫もなし。
戦争は軍人と政治家が起こした。私たちは上からの命令に唯々諾々と従ってしまった。この事を大いに反省すべき。新しい日本はもっと私たち民間の経営者が国造りに参加しなければならない。官にばかり任せず民間から、草の根の力で国を造らねばならない。
真に恃むべきものは、自らのうちにある力のみである事を忘れるならば、それだけで将来の一切の希望を放棄すると同様の結果になる。
技術革新、イノベーションがなければ本当の経済発展はない。経営の合理化だけでは無理で、技術革新を伴った経済発展が必要。
10人のうち5人が賛成するような事は手遅れ。10人のうち2人がやるべきと言った時が今やるべき時。
会社とすれば、「社会的によい人で組織的に有能な人」が常識的で使いやすい。「個人的によい人」で「個人的に有能な人」は個性が強くて組織から弾かれてしまいがちだが、その人を大事にしないとパイオニアとなる人を見逃す。異能異端を歓迎する事。
日本が国際社会で認められ、再び輝く為には技術立国であるべき。独自の新しいイノベーションを起こしてこそ真の発展がある。
科学、技術、教育、芸術を尊重し、それらが融合して人間の価値を高める事が経営の本筋である。
経営者の責任というものは、社会に何も生み出さずに利益を上げる事ではなく、技術革新による利潤、社会や国民経済に貢献する事によって得られる利潤でなければならない。
人間は何かをやりだすと必ず壁にぶつかる。普通の人間はそこで止めてしまうかいい加減になってしまう。しかし、人間はそこからが大事。壁をぶち破っていく事が大事。
企業とは利益を上げるだけで責任を果たした事にならない。社会的責任がある。一言で言えば、国民経済的な役割を担いながら発展する事。
日本は経済発展優先で景観も文化も歴史も何もかも破壊されつつある。しかし、経済発展と環境との調和こそが重要。
外国に投資する際には、その国の国民の利益を優先する事。資本家の利益追求にしてはならない。企業の利益は社会に貢献した事の対価であるべき。
クラレ社訓
「我らは事業共同体の精華を高揚し、産業の新階梯を創成して、国家社会に奉仕する事を期する。
我らは謙虚を旨とし、進取闊達の気象と不屈の闘魂をもって事にあたる。
我らは合理と秩序の精神を貫き、同心協力しておのおのその職責を完遂する。」
世の為人の為、他人のやらない事をやる。
私は私の義務を果たしたいと思う。いくばくかの利益の為に、私の思想を売る意思を持ってはいない。
この世に招かれ、いくばくかの義務、役割、責任というものを果たし、一方で自在に楽しみ、そして再び天に帰る。この繰り返しなのである。
死生、命あり。富貴、天にあり。
私たちは、なんらかの果たすべき義務を担って天からこの世に遣わされてきて、その義務を果たした後に天に召される。