江上剛のレビュー一覧
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ネタバレ窓際銀行員寸前の貞務が支店長に抜擢される。その支店には女番長と呼ばれる柏木雪乃がいて、さらに前任者の支店長が失踪している。銀行の不正を暴いていく。
銀行員の話と言うと、池井戸さんの半沢直樹、高杉良さんの金融腐蝕列島を思い出しましたが、こちらは半沢直樹の様に尖ったキャラに近いです。上司の命令は絶対ですが、お互い、正義感が強く上司に対しても反抗する所も同じです。
江上さんの小説は、人間関係が面白いと思いました。雪乃が大物政治家の娘だとか、ヤクザが登場したりとか。元総会屋やまるぼうの仲間がいたりとか。孫子の兵法の話が頻繁に登場しますが、これが常に謎の解決の糸口になる。また、元気なミドルが登場して -
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UFJ銀行を舞台に行われた金融庁検査を中心に描く小説。すべてフィクション仕立てではあるが、時の竹中平蔵大臣の覚悟、金融庁検査官の気迫、組織を守ろうとする銀行員の狂気が見られる作品。
正しいことをしようとしても、腐る組織は腐ってしまうのだ。そしてそれは多くの犠牲者を出す。それを思うと暗澹たる気持になる。
少しずつ年をとって上が見えてくると、自分の身の処し方も高度にならなければならないのだが、いかにして世の中のため顧客のため組織のために決断が下せるのかと思うとまだまだ自分は甘すぎる。そんな人間では何も守れないなと痛感させられたような作品。読み応えは、かなりあり。 -
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明治の豪商、「大倉喜八郎」の一代記です。
これまでに、
決して、高い評価を得ることはなく…、
むしろ、明治の成金の代名詞ともされる、
大倉財閥の創始者、大倉喜八郎ですが…、
とは言え…、
エリート集団の三井、三菱、住友などとは異なり、
地方の農家の出身で、奉公人として江戸に上京し、
裸一貫で、幕末~明治~大正をのし上がった姿は、
安田善次郎にも通ずる(実際に盟友でもあった)、
本来ならば、市民から賞賛されるべき御仁であり、
商売人とは、どぅあるべきか…?
実業家とは、どぅあるべきか…?
才覚と泥臭ぃ仕事にも率先して取り組むその姿勢は、
現代にこそ、その真価を評価されるべきなのでは…。
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「就職氷河期、自信も、根性も、内定もない、『ゆとり世代』の、花森心平が入社したのは、破綻寸前の、老舗ホテルだった。売却を持ちかける銀行に、建て直しを宣言した、新入社員の奮闘を描く」
ホテルマンの仕事というものが、どんなものか、すこしわかったきがする。むかし流行った「姉さん、事件です!」の台詞を、思い出す(笑)「ホテル」の語源が、「ホスピタル」だということを、この本を読んで、はじめて知った。銀行が関わってくる場面は、ひやひやしたけど、ホテルのイベントを、みんなで計画しているところは、楽しそうに見える。こういう、「地域密着型ホテル」があっても、いいのでは?個人的には、希と、心平の、ラブストーリーを -
- カート
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試し読み
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まさかあの江上剛さんがフルマラソンを軽々とこなしてしまうとは。年齢も上、仕事の忙しさも遥かに上、その人がサブフォー、つまり4時間切ってしまうのだから。この本は読まずにいられなかった。
小説化であり、当時は銀行社長でありながら世間にたたかれていた肉体的にも精神的にもつらい時期に走り始めた。
スポーツは脳を活性化し、精神を向上させてくれる。もし江上氏がマラソンを始めていなければどんなことになっていたのか。
体重を10キロ、ウェストを15センチ縮めてメタボから復活した。
「自分の人生のゴールなんて、どこにあるかもわからない」
「自分の人生に欠けていたもの、それは自分自身を応援する、べたなまでの応援歌