あらすじ
うなばら銀行の窓際寸前行員、貞務定男は突如支店長に抜擢。支店では、女番長とあだ名される若手行員、柏木雪乃の言動に振り回されるが、不正融資発覚をきっかけに、貞務は雪乃ら若手たちと支店内の秘密に迫ろうとする。しかし、不正融資には政治家やヤクザも絡み、その背後には経営陣の派閥抗争が。誰が敵で、味方はどこにいるのか。貞務や雪乃たちに明日は見えるのか。ラストには大きなどんでん返しも待つ、日本型企業の、そしてあなたの明日を問う経済小説。
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Posted by ブクログ
読み終わって、この経済小説最高ーだと思います。最後、金融庁に告発しなかった貞務支店長も立派だか、銀行を私物化した組長の指示で舎弟鯖江が、専務襲った事件で終わったのは、爽快すぎる。
銀行と政財界、暴力団の癒着は、いつも言われて来た事だけど、この銀行を取り巻く合併、統廃合は、歴史的にも正に起こるべして事実であった様だ。
主要登場人物 <うなばら銀行>
貞務定男 T支店支店長(旧大海洋銀行出身)
久木原善彦 専務。貞務の同期(旧大海洋銀行)
柳沢 実 T支店前支店長(旧大海洋銀行)
長谷千広 T支店副支店長(旧丸日銀行)
藤沢 勲 T支店融資課長(旧丸日銀行)
柏木雪乃 T支店行員
岸野一太 T支店行員
沢登修一 T支店行員
西村亮平 会長(元大蔵官僚)
近藤博巳 頭取(旧大海洋銀行)
鈴野 彰 副頭取(旧丸日銀行)
<周辺の人物>
木下勇次 情報会社社長(元総会屋)
藤堂三郎 勇次のパートナー(元マル暴刑事)
森矢 洋 医師。柳沢実の伯父
柳沢賢太 柳沢実の息子
石黒譲二 柏木雪乃の異母弟
兼田栄之進 ニューヨーク社社長
石黒将大 政治家。石黒譲二の父
上山みつ江 T支店顧客
並川弥太郎 暴力団組長
鯖江伸治 並川の子飼い
第一章 支店長になる
「T支店だ。いい支店だろう?」 久木原は、満足そうに言った。 新宿区にある中規模の支店だ。歴史もある。「そういえば前任の柳沢さんは、どうされたの? 突然、お辞めになったと伺ったけど」「女番長、柏木雪乃。彼女には逆らわないのが無難です。どんな理不尽なことも……」
第二章 女番長
大蔵省は、一九九八年に金融行政を監督する金融監督庁が分離し、それは二〇〇〇年に金融庁になり、二〇〇一年には財政を担う財務省が発足した。これを財金分離と言う。「向こうでも退職後の柳沢の行方を探している気配があります。もし本当に柳沢が会長の秘密を握っているのだとして、その秘密を当方が入手できれば……」「襲われたんですよ。彼女を転勤させようとしたらね。それで銀行を辞めたらしいです」
第三章 不良債権先
森矢洋は、柳沢実の伯父。これは柳沢のことを調べてみなければならないという運命なのか。「ああ、柳沢賢太君」「そう、柳沢前支店長の息子さ。僕と同じT大に通っている」ジョージ本名、石黒譲二、二十二歳。雪乃の腹違いの弟だ。貞務は、このニューヨーク社は再建できるのではないかと思った。
第四章 小さな不正
「銀行の窓口の女性と大物政治家の息子か? 興味深い取り合わせだな」その政治家の名は、石黒将大といった。行内ては、あの方で通っている、雪乃の異母弟の父、西村は石黒に泣きついた。石黒は、金融庁に働きかけ、西村のうなばら銀行会長就任を実現させた。「実は私も同様の疑問を抱いていた。なぜか柳沢さんのことはタブーになっているようだ」岸野から柳沢前支店長の子息紹介され、その席に、雪乃とジョージこと石倉翔大の息子、譲二、が同席、
第五章 柳沢支店長はどこ?
「サラリーマンである君のお父さんが、怖がるのは暴力団より上司じゃないのかい」「銀行は、柳沢支店長に失踪されていてはまずいってことね」勇次と藤堂は、T支店近くの喫茶店に雪乃を呼び出した。雪乃の母のパトロン、「並川組組長、並川弥太郎」
第六章 なにが問題なのか
「この男は、鯖江伸治。並川の子飼いだ」「驚きなさんな。石黒将大の私設秘書だよ」「鯖江が賢太に接触してきたということは、並川組、石黒が柳沢の失踪に絡んでいるということか」「ニューヨーク社を担当することが出世の条件なら、君もかい?」「ニューヨーク社のバランスシートには貸付金が異様に多いんです。十億はあります」間、すなわちスパイには五種類あるとも言う。 郷間、内間、反間、死間、生間の五種類だ。そこに「プーシキン社10M、藤沢、岸野担当」と記入した。
第七章 ニューヨーク社の秘密
貞務の前には、プーシキン社の社長、その隣には秘書と名乗る男が座っている。「私たちは、すべて本部の指示で動いております」「ニューヨーク社の秘密とはなにかな」 「私も藤沢課長も旧丸日銀行出身です。このニューヨーク社も旧丸日銀行の古くからの取引先です。話は、一九九六年に遡ります」
第八章 みんなグル?
「西村会長は石黒や並川のうなばら銀行の利権を守るために会長になったのだろうね」雪乃や岸野、沢登、譲二、賢太はT支店で知り合った仲間だ。それは審査部長なのか、西村会長なのか、それとも鯖江なのか。北村や峰島、平塚ら、他の課長たちもニューヨーク社の秘密の一部を共有しているのだろうか。「ニューヨーク社の再建をする」「もう一度聞く。貞務さえいなくなれば万事好都合なんだな」
第九章 戦闘開始
彼の口から石黒にこんな不正な手段を用いるべきではないと話してもらうのだ。雪乃の口から、ストレートに柳沢の行方を尋ねさせる。
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うなばら銀行の窓際寸前行員、貞務定男は突如支店長に抜擢。支店では、女番長とあだ名される若手行員、柏木雪乃の言動に振り回されるが、不正融資発覚をきっかけに、貞務は雪乃ら若手たちと支店内の秘密に迫ろうとする。しかし、不正融資には政治家やヤクザも絡み、その背後には経営陣の派閥抗争が。誰が敵で、味方はどこにいるのか。貞務や雪乃たちに明日は見えるのか。ラストには大きなどんでん返しも待つ、日本型企業の、そしてあなたの明日を問う経済小説。
Posted by ブクログ
江上剛さんの代表作『銀行支店長』シリーズ1作目。
* * * * *
決して流麗とは言えない文章なのですが、ストーリーが面白く読みやすい。展開についてもよく練られていて、サスペンスとしてうまくできていると思いました。
また、主人公・貞務定男の魅力よりも、彼を輔けるメンバーのキャラが立っていて、チーム戦を観る面白さも格別です。さらに降りかかってくるトラブルを、チーム貞務が比較的たやすく解決してしまいます。
このあたりが『半沢直樹』ほどハラハライライラせずに、お手軽に楽しめる点なのでしょうね。
疲れているときに元気が出る、非常によい作品だと思います。
Posted by ブクログ
窓際族の銀行員がいきなり支店長に任命されて、支店の闇を暴くというストーリー。
登場人物のキャラも立っており、ザ・エンターテイメント小説という感じで読みやすかった。
登場人物の関係が狭い世界すぎて、そこはリアリティーが無いように感じた。
読んでる途中でたびたび挟まれる孫子の引用は読みにくかった。
Posted by ブクログ
銀行が舞台の小説というと池井戸潤のイメージが自分の中では強かったけれどまた違った感じが楽しめた。銀行で働くということは相当の覚悟が必要だな、と思ってしまうけれど小説のような話は全くないわけではないけれどドラマティックな話は稀なんだろうなとも思ってしまう。だから小説の中で楽しめればいいのだ。
Posted by ブクログ
銀行を舞台にした小説。
50歳台中盤の主人公が、そろそろ他所へ出向かと言われているところで、支店長に抜擢されるところから始まり、支店の謎を暴いていくというストーリー。ご都合主義的なところもあるのかも知れないけど、一気読みさせる面白さはあったと思う。
そのくだり必要??っていうセクハラ表現があり、おっさんとしても解せなかったので★マイナス1。
Posted by ブクログ
金融ミステリー。
内容はあらすじの通り。
孫子の言葉を引用しながら、己の信じた道を突き通す、ちゃんと筋の通った道を選び取る主人公の姿が素敵だった。
腐敗した組織の中にあっても、きちんと正しいことを主張できるのは本当に大切なこと。
Posted by ブクログ
花崎舞がだまってないはドラマでしか見たことないけど、
表紙の挿し絵の感じとか若干の設定が似ている気がして一瞬あれっ?これが原作だっけ?とか思ってしまった。一瞬だけ。
孫子の兵法がやたら出てくる。
申し訳ないけど、割と面倒くさくて読み飛ばしてしまった。
最終的にどんでん返って終わった。
なかなか面白かったけど、新しい発見とかがある話ではなかったかも。
これは、元警察と元総会屋と最初から主人公が知り合い何だけど、何かの続編何だろうか?
Posted by ブクログ
窓際銀行員寸前の貞務が支店長に抜擢される。その支店には女番長と呼ばれる柏木雪乃がいて、さらに前任者の支店長が失踪している。銀行の不正を暴いていく。
銀行員の話と言うと、池井戸さんの半沢直樹、高杉良さんの金融腐蝕列島を思い出しましたが、こちらは半沢直樹の様に尖ったキャラに近いです。上司の命令は絶対ですが、お互い、正義感が強く上司に対しても反抗する所も同じです。
江上さんの小説は、人間関係が面白いと思いました。雪乃が大物政治家の娘だとか、ヤクザが登場したりとか。元総会屋やまるぼうの仲間がいたりとか。孫子の兵法の話が頻繁に登場しますが、これが常に謎の解決の糸口になる。また、元気なミドルが登場してくれて嬉しいなと言う印象でした。