江上剛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江上剛
元銀行員の作家
実際の銀行の現実を知る著者だからこそ、描ける世界。
『金融腐蝕列島』のモデルとなった人物。
テレビのコメンテーターとしても、メディアに登場することもある。
2002年デビューながらも、既に多数の作品を世に送り出している。
銀行の広報部次長が、ある記者との出会いから物語が始まる。
それは銀行が、総会屋に巨額の融資を行っていたという事実を突き付けられること。
総会屋と総務の結びつきとは?!
広報部次長が駆けずり回るが、総務は口を閉ざしたまま。
そこで、同様の別の事件が世間の明るみ出る。
記者会見を開き、事なきを得るが、その数百倍にも上る巨額の融資の事件については、、 -
Posted by ブクログ
【my room】銀行に勤めるサラリーマンにとって、真面目に働き、円満に会社を退社するのが一番の目標かもしれない。少なくとも主人公、岩沢千秋にとってはそうだった。本作品は、そんな彼の銀行退社の1日を時系列に追っていく。しかしながらその1日が、彼の会社員人生一ついていないのだ。1日を何もなく無事に終え、退職金を貰って残りの人生を新しく始めようと思っているのになかなかそうは行かない。そんな日に限って、様々なトラブルが起きるのだ。読んでいて全く飽きないのがこの作品だった。スピード感が割にあって読みやすい。しかしながら、4月から会社と言う組織で働く者としては、もう少し明るい会社人生を望みたいものだがこ
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Posted by ブクログ
どこか安い定食屋のカウンター席で、一人で寂しい食事をしている・・そんな表紙が実にお似合い(笑)
さすが、サラリーマン小説のカリスマ:江上剛の作品である。
この小説はサラリーマン生活を送る上で、誰の身の上にも起こりうることが短編形式になっている。
スーパーマンにはなりきれずに、会社の「しきたり」に矛盾を感じながらも従う・・でも、どこか煮え切らない。
サラリーマンとして生きながらえる為には、守るべき掟があるのだ。
読んでいて虚しくなる反面、「そうなんだよな〜」と共感することもしばしばあった(笑)
サラリーマンじゃない層の人たち・・例えば「芸能人」「自営業」「学生」等々の人たちが -
Posted by ブクログ
「勝つためには何でもする」「ついつい出来心で」「冒険を楽しむ癖」などちょっとした行為・不正をゴルフのルールを通じて「よくある出来事・エピソード」として読み物にしたものだ。ゴルフは人間の本性を醸し出す、そのゴルフのルールにおいて人それぞれに「不正・間違い・勘違い」または「接待・上司のための温情」を起こす。だが、企業のトップが起こす不正はやはり許しがたく歪めない。ゴルフのルールで極付が「賭け事」でポイントが1本100円なのか1万円なのか、また勝負によっては倍返しなどさまざまなケースがあることだ。知ったふりしてゲームすると思った以上の大負けを招く結果をもたらす。話が違うがゴルフだけではなく「女と金」